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幼き先の“未来”-とわ- 〜護られた子どもは、やがて誰かを護る〜  作者: しろ兎
Season4〜真夏の被災者、復興へ向けて〜
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27/35

S4-06 ダック&スワン。

観測者

[アヒルと白鳥は仲がいいのだろうか?]

[アヒル{クッワッ 白鳥{クォー]

日が傾き。

夕日が差し込む。


一区切りつき、

一斉に休憩に入った。


フェル

「なぁ、アヒル」


直樹

「ん?」


離れた場所で、

女性同士、

笑い合う灯を見つめる。


フェル

「暑いな」


汗を拭う。


直樹

「何、白鳥らしく水に浮いてたいってか?」


直樹は、

フェルをチラ見した。


フェル

「アヒルはそこら辺歩き回ってそうだよな」


2人は、

黙って見つめ合った。


次第に、

笑いが込み上げてきた。


フェル

「俺ら、何で鳥なんだろうな」


呆れながら笑う。


直樹

「…意味とかなさそうだよなぁ」


フェル

「適当ってか」


直樹

「違うの?」


フェルに、

視線を向けた。


フェル

「知らんし」


Guiar

【あの。】


フェル

「お前さ、灯ちゃんとどこで知り合ったの?」


直樹

「え?」


Guiar

【あのさ。】


フェル

「いや、気になっただけ」


直樹

「言うと思う?」


フェル

「お前のことだから言わねーだろうな」


微笑み合う。


Guiar

【無視するのやめてもらえます?】


フェル

「…暑いなぁ」


Guiar

【2人して無視しないで…。】


直樹

「なぁ、白鳥。ギアルがさ…」


フェル

「歌いたいってことだろ?知ってる」


直樹

「どうする?」


フェル

「ん〜…。“忘れないで”なら…」

「あの時と違うバージョン持ってるけど…」


直樹

「違うバージョン?」


Guiar

【あの。私も混ぜて。】


フェル

「Dimilちゃん、いまリズム刻めない?」


Guiar

【だから、無視するのやめてもらっても…。】


フェル

「音量小さくお願い」


Dimil

【…ん……】


小さく、

Bach Musicが流れ出した。


2人は、

静かに聴き入った。


直樹

「成る程、いいじゃん」

「ギアル。良かったね」


Guiar

【……。】


フェル

「あー。拗ねた」


Guiar

【別に……。】


直樹

「ギアル、一緒に歌おう?」

「皆にバフつけて」


Guiar

【……仕方ないですね。今回だけですよ?】


フェル

「強がってるじゃん」


Guiar

【Shut Up!!】


直樹とフェルは顔を見合わせた。


苦笑しつつ、

フェルは肩をすくめる。


直樹は、

立ち上がった。


直樹

「歌おうぜ。スワン!」


手を、

差し伸べた。


フェル

「おう!」


力強く、

その手を受け取り立ち上がる。


フェル

「Dimil音量上げて。始めるよ」


体育館内に、

Bach Musicが響き出す。


一斉に、

周囲の視線が集まった。



直樹

「♪Welling up from deep within my heart♪」

「♪That flame became a spark,♪」

「♪It will spread to you♪」


「♪迷いの霧は時期に晴れるだろう〜♪」


「♪The droplets on the leaves♪」

「♪喉の渇きを潤すだろう〜♪」


フェル

「♪こっち見て〜♪」


「♪ほら、その小さな声〜♪」

「♪あなた〜の温もりを求めてる〜♪」


直樹

「♪大丈夫〜♪」


フェル

「♪I can protect those feelings♪」


直樹

「♪大丈夫〜♪」


フェル

「♪As long as we don’t forget love♪」


直樹・Guiar

「【♪大丈夫〜♪】」


フェル

「♪Don’t let go of that hand♪」


「「♪忘れな〜いで〜♪」」

「「♪Good intentions can sometimes hurt others♪」」



フェル

「♪Welling up from deep within my heart♪」

「♪That flame became a spark,♪」

「♪It will spread to you♪」


「♪全身から闘志を燃やせ♪」


フェル・Guiar

「【♪Let’s stop setting the battlefield alight♪】」

「♪生きる循環を止めないで〜♪」


直樹

「♪こっち見て〜♪」


「♪ほら、その小さな笑顔〜♪」

「♪あなた〜の笑顔を求めてる♪」


フェル

「♪ここにいる〜♪」


直樹

「♪To return to that place♪」


フェル

「♪ここにいる〜♪」


直樹

「♪To return to the side of someone dear to me♪」


フェル・Guiar

「【♪ここにいる〜♪】」


直樹

「♪I’ll definitely protect you♪」


「「♪忘れな〜いで〜♪」」

「「♪That I am living this moment to the full♪」」


周囲からまばらに、

拍手が聞こえてきた。


驚きの表情で、

見つめられていた。


拍手の数が、

増えていった。


男性軍

「アンコール!」

「アンコール!」


女性軍

「他にも聴きたーい」


直樹は、

灯に視線を向けた。


円満の笑みで、

こちらへ拍手している。


直樹

「どうする?」


フェル

「ん…じゃあ、これどうかな?」

「Dimilちゃんダックに転送できる?」


Guiar

【音源、受け取った。】

【これ……。】


直樹

「ん?どうした?」


Guiar

【いえ…何でもないです。】


直樹

「聴かせて」


Guiar

【再生します。】


直樹

「……。これ……もしかして」


フェルへ、

視線を向けた。


フェル

「何」

「俺の歌だけど」


直樹

「……母さんが良く歌ってたやつ」

「お前、本当に歌手だったんだな」


フェル

「………アヒル。餌でも食ってろ!」


直樹

「は?くちばしでつつくぞ!」

「てかさ、女性ボーカルとデュエットだろこれ」

「男同士でいいわけ?」


フェル

「行けるだろ」

「Guiarサポートよろしくな」


Guiar

【任せろ。】


フェル

「知ってるなら話早いや」

「なんか…照れるがな」

「Dimil、お願い。」



フェル

「♪肩の力〜抜〜いて♪」

「♪ねえ、笑ってよ♪」


直樹

「♪その顔〜 いいじゃ〜ん 振り返らな〜いで♪」


フェル

「♪怖い?♪」


フェル・直樹

「「♪大丈夫 It's okay♪」」

「「♪ここにいる♪」」


フェル

「♪簡単じゃなかったよね〜♪」

「♪うん、わかる♪」

「♪でもさ、隣にいるだろ〜♪」

「♪笑い声〜、笑顔、背中〜♪」


フェル・直樹

「「♪ちょっと面倒なともあるけど〜♪」」

「「♪それ〜も悪〜くない♪」」


フェル

「♪お願〜い♪」


フェル・直樹

「「♪ここにいて〜♪」」


フェル

「♪Stay with me♪」



フェル

「♪振り返らないで〜♪」

「♪怖い?大丈夫♪」 


直樹

「♪It's okay ここに〜いる〜♪」

「♪できないこと 増えて〜いくよな〜♪」


フェル

「♪その顔♪」


フェル・直樹

「「♪近くにいる♪」」


フェル

「♪笑い声 笑顔寄り添う♪」


フェル・直樹

「「♪疲れる日もあるけれど♪」」


フェル

「♪まあ、いいか♪」

「♪それも〜 宝物〜♪」


直樹・フェル

「「♪ここにいる〜♪」」

「「♪I'm here♪」」

「「♪声も〜 笑顔も〜 笑い〜声も〜♪」」

「「♪全部 まと〜めて♪」」


フェル

「♪宝物♪」

「♪ありがとう♪」


♪〜


拍手が、

体育館に鳴り響いた。


女性軍

「嘘〜!待って!」

「ダニエル・ウィル・フェル!?」


「本物!?」


周囲が騒ぎ出した。


目を丸くする直樹。

ゆっくり、

フェルへ視線を向けた。


直樹

「え?…誰?」

「……いや」

「ダニエル・ウィル・スワンだろ?」


フェル

「クソアヒル、はっ倒すぞ」


勢い良く、

頭を叩かれた。


直樹

「痛っ」


Guiar

【自業自得。】


外が、

騒がしくなった。


自衛隊

「補給きたぞ」


台車に積まれた段ボール。

次々と体育館へ運ばれる。

終りが見えない。


全員立ち上がる。

作業へ戻った。


フェル

「競争でもする?」


直樹

「やめろ、ぶっ倒れる」


Next time

――呼び出し。

観測者

[フェルの正体がバレた。]

[アヒル{クワ? 白鳥{クェー?(怒)]

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