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幼き先の“未来”-とわ- 〜護られた子どもは、やがて誰かを護る〜  作者: しろ兎
Season3〜護られた子どもは、やがて誰かを護る〜
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20/20

S3-20 心も知らず。

観測者

「人はいさ 心も知らず

  ふるさとは 花ぞ昔の香に匂ひける」

[百人一首の紀貫之です。]

[現代語に訳し、SUNOで歌にしました。]

[桜が開花した頃に作った歌なんですけどね。]

2人は、

いつの間にか眠っていた。


Guiar

【♪人はいさ〜 心も〜知らず♪】

【♪ふるさ〜とは〜♪】

【♪花ぞ昔の香に匂ひける〜♪】


【♪誰かの思い〜 風のよ〜うに〜♪】

【♪読めず 過ぎて行く〜♪】

【♪でも〜♪】

【♪あの場所の空気だけ あの日の記憶を♪】

【♪抱きしめる♪】


【♪変わりはしない〜 嘘ばかり〜♪】

【♪この花は〜 あの頃へ引きもどす♪】

【♪君との境界線 踏み越える♪】

【♪千年の時を経て♪】

【♪思い出の香り ここに咲く〜♪】


【♪ここからまた〜 歩み始める〜♪】

【♪ここからまた〜 歩み始める〜♪】

【♪ここからまた〜 歩み始める〜♪】

【♪ここからまた〜 歩み始める〜♪】



直樹

「ギアル…うるさい…」

「……」

「どうしたんだよ…」


Guiar

【暇だったもので。】


直樹

「暇だったからって歌うのやめて」


Guiar

【暇だったので。】


隣から甘い香り。

視線を向けた。


息を呑んだ。


寄りかかる。

小さな重み。


ズレ落ちないように支え直した。


Guiar

【さっさと解除して出ましょうよ。】

【ハニーに会いたい。】


直樹

《悪かったよ…》


視界全体、

UIを展開した。


直樹

《さて…どこから攻めるか…》


Guiar

【警戒を解く。又は…施錠を解除する。どちらにします?】


直樹

《警戒だと抹消されそうだ。施錠を解除が安全そう》


Guiar

【言い方どうにかなりません?】


直樹

《だってGuiarのシステム消されたくないじゃん》


Guiar

【そりゃどうも…。って私が侵入する前提かよ!!】


直樹

《バレた?》


Guiar

【バレバレです。】


直樹

《施錠の警備は手薄みたいだ》


Guiar

【その周辺を分析したところ…。罠が多い。】


直樹

《罠に引っかかるとどうなると思う?》


Guiar

【予測不能。】


直樹

《慎重に罠解除していくよ》


Guiar

【了解。】


直樹

《Aプロット回線切断するよ》


Guiar

【4秒待って。・・・・いま】


直樹

《ナイス》


Guiar

【20秒後回線復帰する。】


直樹

《なんとかやってみる》



-



真剣な眼差し。

彼の姿が眩しかった。


無言で、

真正面を凝視していた。


視線の先を、見てみた。


何もない。

ただの壁。


邪魔できないな。

…今何時だろう。


スマホを、

取り出した。


午前10時54分…え?

そんなに寝たの!?


でも…

ここから出られない。


ここどこだろう。


アプリで、

マップを開いた。


ん?

GPSが使えない。

電波は……。

え?

圏外?


どうしよう。

声かけづらいな…。


お腹減った…。

喉乾いた…。


肌がベタつく…。

お風呂入りたい。


汗臭くないかな…。


チラッと、

直樹を見上げた。


Guiar

【彼女。起きてますよ。】


直樹

「起こしちゃった?」


灯は、

首を振った。


「邪魔してごめんね」


直樹

「大丈夫だよ」

小さく笑う。

「おはよう」


「お…おはよう」


頬が、

熱くなった。


「喉…乾いちゃった」


直樹

「部屋探索していいよ」

「近くに冷蔵庫あるから」


「ちょっと行ってくる」


気になってたところあるんだよね。


冷蔵庫とは、

反対側へ向かった。


直樹

「探索?」


「うん!」


……。

鼻で笑われた。


あ。

写真立てだ。


手に取った。


家族か…。

幸せそう。


クスッと笑った。


直樹

「そんなにじっと見るなよ」


あれ?

こっちの写真…。

もしかして!直樹くんが小さい頃の?

可愛い!!


思わず笑みが溢れる。


直樹

「恥ずいってば!」


「可愛いのにぃ〜」


そっと戻した。


引き出し開けちゃおうかな?

ワクワク。


手をかける。


大地

[やめろ。]


「わっ!!」

「ごっごめんなさい!!」


直樹

「父さんのスケベ」


大地

[どっちがだ。]


直樹

「暇なんだね〜」


大地

[ああ、暇だ。暇暇暇すぎる。]


「私と会話しませんか?」


大地

[君と?]


「はい!」


大地

[いいけど…。何を話すの?]


「奥さんとは、いつ出会ったのですか?」


大地

[え。]

[…え。]


黙り込んでしまった。


「あ…ごめんなさい」

「質問変えます」


大地

[質問?尋問でもされてるのか俺?]


「えっと…」

「…えっと」


「直樹さん格好いいと思います!」


直樹

「え!?」

「あ。ギアルごめん。もう1回」


大地

[邪魔しちゃ駄目だろ。]

[いや、試練だな。もっとやれ。]


直樹

「父さん、うるさい」


「あ!」

「お父様ここどこはですか?」


大地

[おと…おと…お父様!?]

[…ここは…。一般人に言える場所ではない。]


「一般人じゃなければ言えるんですか?」


大地

[ん?え?…機密情報なので言えない。]


[直樹さんと真剣にお付き合いしています!!]


直樹は、

激しく咳込んだ。


大地

[…………。]

[嫁候補なのか…。]


声が、

震えている。


直樹

「え?」


手を止めて。

灯に視線を向けた。


顔を真っ赤の灯。


直樹の、

全身が、

熱くなった。


Guiar

【良かったですね。この幸せ者。】


沈黙が流れた。


2人とも、

俯いたまま動かない。


大地

[灯さんに聞きたいことがある。]


「はい」


大地

[息子は高校受験していないんだ。]

[中学卒業後、社会人になったんだよ。]

[親御さんが許さないだろう。]


「え?」


直樹へ、

視線を向けた。


高校の話は避けてきた。

でも…。


「あの…私の両親は小さい頃に亡くなっています。」

「祖父母に育てられてきたので……」


「高校行ってないです…」


「去年…祖父が亡くなったので…」


大地

[事情を知らず、申し訳ない!]


「祖母は…助からなかったです。」


膝を抱えて泣き出した。


二人は、

言葉を失った。


Guiar

【早くしてくれ…あと一歩だろ。】


直樹

《ああ。悪い》


[Unlock]


ピピッ 

――ガチャ


直樹

「父さん。扉開いたよ。これでいい?」


大地

[ん?ああ…よくやった。]

[護ってやれ…邪魔して悪かった。]


灯は、

首を振った。


「邪魔なんかじゃないです。嬉しかったです」

「楽しかったです」


「ありがとうございます…」


直樹は、

そっと、

灯を抱き寄せた。


直樹

「ここにいていい」

「僕の傍に居て」


Next time

――司令官代理。

観測者

[ラファルサは、『wW-0』からずっと、真彩を護り、大越家を護ってきました。]

[大地は、一番複雑な立ち位置だったでしょう。]

[大越家を護り、直樹が小5の運動会まで正体を隠し続けていたんですから。]

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