S3-17 触れる。
観測者
[なんとかギリギリセーフ。]
[歌わないよ。]
[いつものコメディです。]
「おい!」
「おーい!」
「何でお前がここにいるんだよ」
「起きろっ!」
「起きねーってか!なら!」
ズシッ
直樹
「……てえよ」
「「……」」
直樹
「おもてーって!」
「おい…乗るなよ」
「やめ…」
「わっ……あはははっ…」
擽ったい。
擽ったいな…。
数日、
家族に会えていない。
フェル
「何で俺の部屋に入り浸ってんだよ」
Guiar
【アイ・ラブ・ユー。】
直樹
「ダーリン!それは不倫ですぅ!!」
フェル
「裏声キモ!」
笑いあった。
笑うって、
こんなにも温かいのか。
フェル
「てかさー」
「お前の部屋。いい加減見せろよ」
直樹
「それどころじゃない…」
フェル
「いいよなー。お前」
直樹
「どこが」
フェル
「あれから、現場出てねーだろ」
直樹
「これ以上…仕事増やさないでぇ」
フェル
「お前…」
「最近、何してんの?」
直樹
「秘密」
フェル
「ふーん」
覆いかぶさってくる。
直樹
「待て…」
フェル
「待たん」
Guiar
【ハニー…ごめん…。】
「あら〜、そういう関係?」
「も〜う、私を差し置いて…やだわ〜」
「混ぜてちょうだい」
フェルは、
顔を青ざめ壁際へ逃げた。
フェル
「あ…あの」
「……」
「なぜここに?」
カルディ
「戻りましょうね副将」
直樹
「えー…嫌だー!」
カルディは、
一瞬固まった。
カルディ
《何この…生物》
《癒しがここにもいたのね〜》
《大地そっくり♥》
直樹は、
背筋がゾクゾクッとした。
直樹
「お…俺と良いことしようぜぃ」
フェル
「…え。お前、そういうキャラだっけ?」
直樹は、
フェルへ飛びかかる。
二人の姿が消えた。
カルディ
「あっ!」
「もうっ!逃げる癖もそっくり!」
「まったく…」
「可愛いんだから…」
小さくため息。
-
ガタンッ
直樹
「ん?」
フェル
「どこ乗って…」
直樹
「おいぃー!」
声が裏返る。
直樹
《バランスが…》
《崩れる!!》
息を止めた。
静かに、
目を開けた。
直樹
《落ちてない…》
グッと、
引き寄せられた。
フェル
「バカ!」
深夜の、
どこかの屋上だった。
フェル
「あっつ…」
「なぁ…」
「何で日本なの?」
「こっちは休憩中なのだが」
直樹
「夜なのか…」
フェル
「見りゃわかるだろ」
「だから…」
あくび。
「寝かせてくれよ…」
「ほら、帰るぞ」
直樹
「しっ!」
小さな、
泣き声が、
聞こえてくる。
耳を澄ませた。
『時計回り。…1時方向…』
息を呑む
方向へ、
視線が行く。
白い影が、
一瞬、通り過ぎた。
「「ひぃ!」」
抱き合う二人。
視線が重なる。
フェル
『か…帰ろう。な?』
直樹
「か…かえ…」
「……」
「無理」
真顔で答えた。
無言で、
見つめ合った。
フェル
『帰る!』
音もなく、
彼の姿が消えた。
直樹
《置いてかれた》
Guiar
【自業自得です。】
直樹
《ギアル。絶対!GPS接続しないでよ》
Guiar
【無駄なことを…。】
直樹
《見つかりにくい場所を選んだんだから…》
「ねえ…」
暗闇から声がする。
「あの…」
小声で、
話しかけられている。
近いのに見えない。
唾を呑んだ。
肩に小さな温もり。
肩が跳ねる。
直樹
「ひぃ!」
顔面に、
ライトが当たる。
直樹
「うわぁ!」
尻もち付く。
思わず、
腰を抜かした。
「大丈夫?」
《女性?》
直樹
「あ…え?灯?」
女性
「え?」
直樹
「待って」
「……ギアル」
Guiar
【駄目です。】
能力を、
使おうとした。
Guiar
【駄目です!】
使えない。
Guiar
【許しません。】
直樹
《何でだよ》
Guiar
【サボっているのは誰です?】
【GPS…】
直樹
《わかったよ!いい!結構!》
直樹は、
スマホを取り出した。
バックライトで自分を照らした。
灯
「直樹くん?え??」
首を傾げる。
直樹
「避難してきた」
Guiar
【……。】
灯
「いつ?」
直樹
「…秘密」
灯
「私と一緒?」
直樹
「うん…」
二人は、
見つめ合った。
静寂。
生ぬるい、
そよ風が二人を包みこんだ。
男性の声
「君たちそこで何やってる」
ライトを、
当てられる。
彼女を庇った。
Guiar
【駄目です。】
直樹
《は?お前!》
肩を掴まれた。
直樹
《服どうする気だよ》
Guiar
【知りません。】
【無計画なあなたの問題です。】
女性の声
「ダック。お前ここで何してんの」
背後から呆れた声。
灯
「ダック?」
腕の中で、
顔を覗き込まれる。
灯
「アヒルさん?」
直樹
《終わった…》
《最悪……》
聞き覚えがある声
「朱雀。今なんて言った」
朱雀
「ダック」
朱雀は、
その、
背中へ指を差す。
直樹
《い゙い゙!!》
Guiar
【バーカ】
Dovira
【ダーリン!!会いに来てくれたんですか!!】
Naparnik
【何でお前がそこに居るんだよ。】
直樹
『何で…ここにいるの?』
ラファルサ
『お前こそ、ここで何をしている』
無意識に、
灯を抱き寄せてしまった。
全身が熱い。
《顔から火が吹きそう》
Guiar
【水掛けてあげましょうか?】
直樹
《後で覚えてろよ!!》
灯
「直樹くん…」
朱雀
『…もしや…彼女か!?』
『ぜひ見たい!』
「私が対応します」
Dovira
【私もワクワクです!】
直樹
『見世物じゃねーし』
逃げた。
朱雀
「あ。」
自衛隊
「追いますか?」
朱雀
「ああ…」
「ん…様子見で」
Guiar
【こいつの能力0です!】
灯を抱えて、
暗い屋上を走る。
直樹
「お前、マジふざけんな!」
Guiar
【逃げれると思ってるバカが相棒か…くそっ。】
柔らかな壁に激突した。
灯
「きゃっ!」
直樹
「ごめんっ」
ラファルサ
「女1人も護れないのか?」
直樹
「兄貴に言われたくないね!」
「あ。」
黙り込む。
俯く。
床を、
見つめて動かなくなった。
Naparnik
【あの…いじめるのやめてもらえます?】
Guiar
【こいつに負けるってどういうことだよ!?】
直樹
「灯」
手を繋いた。
朱雀
「止まりなさい…」
遠くから、
スポットライトのように当てられた。
眩しい。
眩しすぎて、
神々しいよ。
母さん。
真彩(朱雀)
「なぜ逃げるの」
直樹
「サボってるから…」
ぼそっと答えた。
真彩
「聞こえなかったな…」
『そのマント付けて…女遊びですか』
直樹
『母さん?』
真彩
「覚悟できてます?」
鞭を片手に、
こちらへ歩いてくる。
直樹
「いや…何を仰っているか…」
「……」
「あの…ごっごめんなさい!!」
真彩
「さっさと仕事にもどりなさい!!」
直樹
「嫌だ…」
「嫌だ!」
「灯と離れたくない!」
灯を、
抱き寄せた。
灯
「え?ええ!?」
直樹
「ギアル。頼む!」
「仕事戻るから!使わせて!」
Guiar
【格好つけたいのですね。】
【捕まるだけじゃ、つまらないですし。】
【…知りませんよ?】
【解除。】
彼女を、
連れて姿を消した。
真彩
「あいつ…」
「救援物資の刑にす」
Next time
――追われる。
観測者
[副将。チャーリー少将の代理ってことです。]
[仕事増えちゃいそうですね。]
[明日はどんな展開が待っているんだろう!ワクワク♪]




