表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生時に貰ったギフトで異世界をのんびり旅します  作者: きさらぎみな


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/10

第001話 転生

初投稿作品です

 激しい衝撃と共に、俺の視界は歪んだ。

 次の瞬間、俺は自分の体を真上から見下ろす事になっていた。


 アスファルトに広がる鮮血。

 ひしゃげたトラックのフロント部分。

 野次馬の悲鳴があたりを包む。


「ああ、俺は死んだのか。まさか小説の世界のような死に方で逝くとはな」


 自分の遺体を眺めながら、呆然と呟く。


「ええ、実に見事な死に様でしたね、神道飛河様」


 突然背後から声をかけられ、飛び上がるように振り返る。

 そこには、仕立ての良いスーツを着た男性が立っていた。


「ど、どちらさまですか?」

「お迎えに来た者、とでも言いますか、案内人とでも思って下さい。さて、時間が余り無いので話を進めさせて頂きますね。これから貴方様の『転生先』を決める為の、厳正なる抽選を行います」


 そう言いながら男はなんの変哲もない四角い箱を差し出してきた。

 上部に丸い穴が開いている、ボックスくじのようだった。


「これは?」

「中に入っているものを一つ引いて下さい。それが貴方様の次の運命を左右します、さあどうぞ」


 運命と言われ腰が引けたが、覚悟を決めて箱の中へ手を突っ込む。

 中には球形や方形、板状や棒状など様々な形のものが入っているようだ。

 俺はその中から板状のものを選び、引き抜いた。

 どうやら木板のようで、スマホよりは少し大きい、肌触りの良い板だ。


「はい、確認しました。おめでとうございます。それでは担当の者に連絡し、貴方様をそちらへお送り致します。その木板はそのままお持ちください。それでは、ご冥福をお祈り申し上げます」


 男が丁寧に一礼した瞬間、突然俺の視界は切り替わった。

 さっきまでの喧騒が消え、重厚な静寂が俺を包む。

 気が付くと、俺は見知らぬ扉の前に立っていた。

 扉に近づくと、目の前の扉は音もなく、自動で開く。


「失礼します」


 一声かけ、俺は中に入った。

 そこにはアンティークな調度品があるかと思えば、SFを思わせるような機械が並ぶ部屋だった。

 まるで正反対な時代の融合だったが、不思議なほど美しく調和している。


 その部屋の中央。

 立派なソファーに、ちょこんと腰かけている人物がいた。

 どう見ても少年に見えるが、死後の世界だ、見た目以上の年齢に違いない。


「よく来たね、とりあえずはそっちに座って」

 

 少年に促され、おれは向かい側のソファーに腰を掛けた。


「僕が君の転生担当者だよ、神道飛河君だね」

「はい、そうです。宜しくお願いします」

「ここに人が来るなんて何年ぶりだろう。大体の人は、生まれた世界の同じ種族に転生するから、なかなか僕は担当にはならないんだよね」

「え、そうなのですか」


 生まれた世界(地球)の同じ種族(人間)にはなれないって事か!?

 動物とか、生き物でもないとか、そういうのか?


「ああ、僕は異世界転生の担当なんだよ」

「異世界!?」


 俺は思わず叫んでしまった。


「す、すみません」

「気にしなくていいよ。最近は流行っていて説明が楽でいいし。そのかわり昔の人には説明が面倒だったんだよ」

「ありがとうございます」

「じゃあ、簡単に説明だけはしておくね。君が転生する予定の場所は、『グリュイ』と呼ばれる異世界。魔法文明が主となる世界だね。そこに記憶を維持したまま転生して貰う。体はこちらで用意するので、身内などはいない事になる」

「魔法があるのですか!」

「そうだね、そして君にはギフトと呼ばれる能力を一つと、最初に必要となるであろうアイテムを一式、それぞれランダムに与えるので、それらを持って異世界での新しい人生を楽しんでくれ」

「使命とかは無いのですか?」

「無いね。それじゃあ、説明は大丈夫そうだし、手続きを済ませようか」


 そういって彼は周りにある機械の一つを指さした。


「そこにある機械に、君が引いて持ってきた木板を置いて」


 指示された場所に移動して見てみると、そこには木板サイズの窪みと、ボタンが一つあるだけのシンプルな機械?があった。


「そこの窪みに木板を置いて、ボタンを押してくれ」


 指示された通りにやってみる。

 木板は気持ちが良いほどぴったりと嵌る。

 そして、ボタンを押すと、木板に文字列が表示され、高速で切り替わっていた。

 高速で表示される文字列にはとんでもないチートっぽい名前が何度か読み取れた。


 これって、とんでもない能力が手に入るのか、俺の期待はどんどんと膨れ上がっていた。


「好きなタイミングで、もう一度ボタンを押せば止まるよ」


 少年の言葉を聞いてボタンに手をかける、そしてここだというタイミングで、俺はボタンを押した。

 その瞬間、切り替わっていた文字がピタリと止まった。


「乗物召喚+旅人セット?」

「へぇ、そっち系か」


 俺の呟きに、少年が答えた。


「それは戦闘向きの能力じゃあないね。どっちかと言えば、生活向きの移動特化能力だ。魔物からの襲撃にも耐えられるはずだから、折角だし異世界を旅してみるのもいいかもね」

「いい能力ですね」


 戦闘で命のやり取りをするより、のんびり旅をする方が俺の性には合っている。


「って、魔物、いるんですか?」

「いるよ、でも言った通り、そのギフトなら大丈夫、倒せなくても逃げられるさ」

「なるほど」

「納得してくれたところで、その木板を外してくれ、それは君の行く世界では、全員が持つ身分証になるから」


 そう言われて木板を機械から取り出す。

 木板にはさっきまでと違い、身分証のような表示がされていた。

 それをのんびりと読む暇もなく、少年が声を掛けてきた。


「準備は終わった。ああ、最初の出会いは大切にするといいよ。それじゃあ神道飛河君、新しい世界を楽しんでおいで!」


 少年がそう言いながら手を叩く、すると俺の足元から眩い光が溢れだし、俺の視界を真っ白に染め上げた。


 こうして、俺の異世界の旅が始まったのだ。

2話・3話は説明回なので同日にアップします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ