今までのあらすじ4。21話~23話
・21話 「過去回想・メアリー見つかる」
エルフの村に滞在していた第一近衛兵団の隊長ウィラードは、メアリーが盗賊に連れ去られたという報告を受け、危機感の薄いエルフたちに激怒しながら即座に進軍を開始。道中、空のワイバーン大編隊や陸のサラマンダーによる猛烈な波状攻撃を受け、地形の悪さも相まって大幅な時間ロスを強いられるが、エルフの精霊使いが放った『鎮魂歌』と騎士たちの力技でこれを突破する。
追跡の末、盗賊の根城へと突入するもすでに一歩遅く、一行はもぬけの殻。しかしエルフの卓越した索敵能力により、盗賊たちがメアリーを連れて「新しく出来たメルド村」へ向かったことが判明する。
日が暮れかかり、危険な「夜の森」を徒歩で進むリスクをエルフから忠告されるが、ウィラードはメアリーの安否を最優先し、エルフを水先案内人とした過酷な夜間行軍を決断。絶え間ない魔物の襲撃を退け、限界まで疲弊しながらも、執念で朝方にメルド村へとたどり着く。
愛しき御方を攫った盗賊どもを肉片に変えるべく、殺気を滾らせ大剣を引き抜いて村の広場へと突撃したウィラードたち。しかし、彼らの目に飛び込んできたのは、ボロボロの奴隷姿ではなく、ピカピカの水色ワンピースを纏い、村の子供たちと満面の笑みで「朝の体操」に励むメアリーの姿だった。
凄惨な死闘を覚悟していたウィラードは、あまりにも平和で理不尽な温度差に覇気を完全に喪失し、呆然と立ち尽くすしかなかった。
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・22話 「過去回想・メアリー交渉する」
無事に再会を果たした第一近衛兵団の面々。しかしメアリーは「平民である自分に王の勅命に従う義務はない」と法的な屁理屈で王都への帰還を断固拒否し、メルド村の子供たちの教師になると宣言する。
困り果てたウィラード団長は、村長が指名手配中の元盗賊団の首領「バリスタ」であることを見破り、これを利用した最高にして最悪の解決策を思いつく。
なお、バリスタは「私はネスレです」と言い張り、ウィラードと不毛なコーヒーメーカー風の押し問答を繰り広げて神の爆笑を誘っていた。
数時間後、授業を終えたメアリーの前に、ウィラードが後ろ手に縛り上げたバリスタを連れて乱入。村人全員が元盗賊の身内であるとして「帰還を拒むならその場で全員即座に処刑する」と非情な選択を突きつける。しかし、メアリーは「彼らを処刑するなら私の首も一緒に刎ねてください」と一切の恐怖を排した確固たる覚悟でこれを拒絶。さらに、自分が大人しく従った後に村を全滅させるという騎士団の裏の算段をも見抜き、自らの命を天秤にかけて対抗する。
実はその前日、盗賊の根城に連行されたメアリーは、過去を捨てて真っ当にやり直したいバリスタから「女子供を養うために、子供たちに学をつけさせてほしい」と涙ながらに懇願されていた。罪のない子供たちの未来を守るため、商業都市への旅を諦めて教鞭を執ると決めたメアリー。元貴族令嬢として、そして「教師」としての不退転のプライドを胸に、彼女は近衛兵団の殺気を跳ね返し、真っ当に生きようとする村人たちを守るため命がけの交渉に臨むのだった。
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・23話 「過去回想・メアリーの旅立ち」
メルド村を出発しエルラ村に立ち寄った一行。メアリーは、かつて自分を無慈悲に追い出した受付嬢に対し、ウィラード団長の冷酷な脅しを交えつつ、「メルド村の農業指導員兼教師」にするという罰という名の雇用を言い渡す。これに限らず王都から別途まともな教師を派遣する手筈まで整えていた。
さらにメアリーは、メルド村の存続や元盗賊たちの無罪放免を認めさせるため、ウィラードから言い逃れのできない「血判状付きの契約書」を4通も作らせ、最後の一通の隠し場所を決して明かさないという強硬なタフさで人類最強の騎士を完全にねじ伏せる。
その後、王城でのミラード王との謁見に臨んだメアリーは、都合よく手のひらを返した王族の謝罪に内心で毒づきつつも、完璧な淑女の笑みで水に流すと対応。王から「魔眼の力で異世界から勇者を召喚せよ」と命じられる。
実質は自ら異世界へ探しに行けという無茶振りだったが、メルド村の保証を条件に引き受ける。しかし、扉が閉まった瞬間に王は「従うフリをして辺境の村に罪人の女でも送り込んでおけ」と冷酷な本性を露わにするのだった。
地下大魔法陣では、生身で異世界へ行けないメアリーを物質化して送り出す準備が進められていた。メアリーは神アングィスの希望で槍の形になることを選択し、次元の裂け目へと吸い込まれていく。
異世界へと猛然と送り込まれた神の武器(槍)だったが、現出したのは湿っぽくてすげた匂いのする剣道部の武器庫だった。そこへ部活終わりの女子部員たち、愛莉らがやってきて、見慣れない槍を「小手を干すのに丁度いい」と、現出わずか10分足らずで『ただの物干し竿(防具乾燥スタンド)』にクラスチェンジさせてしまう。
汗と涙と青春が極限まで染み込んだ剣道部名物「洗えない小手」を柄に干されたアングィスは、その想像を絶する匂いの怪異に「神格がすり減る!溶ける!」と絶叫。刃側にいてセーフなメアリーに笑われながら、救世の主である「匠」に出会うその瞬間まで、神の鼻腔を破壊する未知の苦行は延々と続くのだった。




