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古流武術異世界戦記  作者: タキケン
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火器

82話


「最後の工房はこちらになります!では中へお入りください!」


 ヘパイストが勢いよく扉を開けて全員を中に招き入れた。


「こちらの工房は『銃』の開発と製造を行っております!現在は拳銃とライフル銃の開発及び製造を行っております」


 こちらの工房も前回及び前々回同様、エルフとドワーフの研究員が忙しく働いている。


「ある程度の効果がある銃の製造が可能となっておりますが、有効な武器となるにはこれからも試行錯誤が必要かと思われます!」


「・・・謙遜している割には顔が笑っているなぁ・・・、本当は自信有りってところか・・・」


 優司はヘパイストの笑顔を見ながらいくつかの質問をした。


「この試作品よりも性能は良くなったのかい?」


 優司が質問をすると、ヘパイストは勢いよく話し始めた。


「はいっ!優司様!」

「試作品よりも射程距離が断然延びました!試作品は15メートルほどでしたが、現在は倍の30メートルとなっております!」

「ただし、拳銃でのこれ以上の射程距離を延ばすのには限界がありそうですので、射程を補うためにライフル銃の開発を着手いたしました!」


「なるほど、ライフル銃はどれくらいの射程距離なんだい?」


「はい!ライフル銃は優司様がお話しておりました銃身に施条を施しておりますので5倍の150メートルとなっております!」


「そうか!凄いじゃないか!」


 優司が言うとヘパイストは満面に笑みを浮かべた。その笑顔を見ながら優司は話を続けた。


「それで、連発はどれくらい出来るんだい?試作品は6発までだったと思うけど?」


 ヘパイストの表情から笑顔が消えた。あまり良い結果ではない様子である。


「はい、連発の数は増やすことが出来ませんでした。理由は熱を冷ますことが出来なかったからです・・・!」

「弾丸の発射後に水の素霊の作用で銃本体を冷やすことを試みたのですが。急激な冷却は材質に悪影響を及ぼす様で・・・」


「歪みが出てくるんだろう?」


 優司がヘパイストへ話した。するとヘパイストは目を丸くして返答した。


「はい!その通りです!」

「連射でなければ何発でも撃てるのですが・・・」


「全弾撃った後にどれぐらいの時間撃てなくなるんだい?」


 優司が質問を続けた。


「はい、6発撃った後は約30分は休ませた方が良いと思われます・・・」


「30分経過した後は全弾撃てるのかい?」


「はい、可能です!」


「ということは、6発連射すると最高温度に到達し、それから30分経過すると完全に冷ましきるっていうことだな?」


 ヘパイストは無言で頷いた。優司の質問は続く。


「では、3発連射した後に15分経てば6発の連射が可能かい?」


「はい、1発撃つたびに5分おけば冷めると思いますので、連発は可能です」


「その理屈であれば、今何発連射が出来るかの表示を銃本体に表示することが出来ないかなぁ?現在の温度に対してあと何発連射ができるかっていう表示なんだけど、どうだい?」


 ヘパイストは驚きながら優司の顔を見て言った。


「それは良い案です!早速やってみます!」


 ヘパイストは後ろに控えていたエルフとドワーフに指示を出した。研究員であるエルフとドワーフには優司の話が聞こえていた様で直ぐに開発に取り掛かっていた。

 研究員であるエルフとドワーフの表情も明るいものとなっている。どうやら銃の開発が楽しい様だ。


「・・・これは直ぐに出来そうだなぁ・・・、魔法があるから道具の開発は簡単なものなのかもしれない・・・」

「・・・元の世界の銃の様に薬莢を排出する構造にすれば銃本体の温度上昇を防げるかもしれないけど・・・、それは話さないでおこう、元の世界の武器ほどの性能はこっちの世界ではいらないだろうから・・・、それに、あまり元の世界の武器の話はしないようにしよう・・・、特に爆弾や大砲などの重火器のことは・・・、こっちの世界を滅ぼしかねない・・・」


 優司は『銃』を簡単に作り出してしまうエルフとドワーフ達の状況を見て一抹の不安を覚えた。


「それでは実際に銃の性能を見ていただきましょう!こちらにお越しください!」


 ヘパイストは優司が不安に思っていることなど微塵も感じずに声を張り上げた。そして、全員に銃の試射を見せるために射撃場へ案内していった。

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