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古流武術異世界戦記  作者: タキケン
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念話のイヤリング

80話


「優司様!私の方からお話させていただきたいことがございます!これからの旅に有用なことになるかと思われます!」


 ヘパイストは少し興奮しながら話し始めた。


「優司様達が竜族の里へ行っている間に私はエルフとドワーフの技術者達と様々な道具を開発してまいりました!先ほどお話させていただいた伝達の鏡もその一つです!その他に伝達の手鏡や念話のイヤリングなどの開発にも成功いたしております!そして、転移の魔法陣を味方の種族の里に設置いたしました。これで各種族の里への移動がスムーズに行えます!すべて優司様が元の世界でお使いになっていた道具と同じと思われます!」

「そして、銃なるものの開発も成功しております!この武器は力の弱い者や魔法の不得意なものでも簡単に扱えますので、強力な戦力となると思われます!今は量産することは不可能ですが、いずれはそれなりの量を生産することが可能と思われます!会議が終わり次第ご覧いただきたいと考えています!」


 ヘパイストは話し終えて満足している様子だ。


「・・・転移の魔法陣を設置か・・・、元の世界でも瞬間移動は不可能だよ・・・!やっぱり凄いな、魔法は・・・」

「わかった、ありがとうヘパイスト!後で色々と見せてくれ!」

「それでは今後の方針だが、準備を整えた後、ブラックドラゴンで魔国の近くに行く。そこから徒歩で鬼人族の里へ赴く。それからは鬼人族の長であるアラハバキ殿と話しあいを行ってから決めたいと思う!よろしいか?」


 優司の問い掛けにみんなが頷いた。するとトーマスが話し始めた。


「それでは、今後の方針が決まりましたので一度解散としたいと思います!それぞれの準備などが終りましたら私に連絡してください!出発が可能な状態が整いましたら全員へお知らせしたいと思います!」


「・・・さすがトーマスさん!次期エルフの長になるべく人だなぁ!まとめるのが上手い・・・」


 優司が席を立ちあがるとヘパイストが駆け寄ってきた。


「優司様!早速ですが開発の成果を見ていただきたいのですが、よろしいですか!?」

「特に念話のイヤリングは直ぐに役に立ちますので、早く皆さんにお渡ししたいと思っています!」


「・・・こりゃぁ疲れているから休んだ後でなんて言えないなぁ・・・」

「わかった!早速、見させてもらおう!みんなは大丈夫か?」


 優司は全員へ確認を行ったが、反対する者は一人も居なかった。そして、ヘパイストに案内されながら、エルフとドワーフの共同研究所へ行った。


「こちらがエルフとドワーフの共同研究所となっております!では早速、中に入りましょう!」


「・・・ヘパイスト、興奮しているなぁ、よっぽど嬉しいんだなぁ・・・」


 優司はテンションの高いヘパイストにちょっと引き気味で対応している。


「まずは皆さん全員に念話のイヤリングをお渡ししたいと思いますので、こちらの研究工房へ入ってください!」


 ヘパイストに案内された部屋に入ると、それほど広くは無い部屋に数人のエルフとドワーフが忙しく念話のイヤリングなるものを用意していた。

 ヘパイストは用意された念話のイヤリングを一つ取り、優司に差し出して言った。


「これが優司様のお話していたインカムなるものをまねて作った物です!試作品はペンダントの形をしておりましたが、さらにコンパクトにしました。耳に掛けて使います!」

「どうぞ、みなさんも耳に付けてください!」


 ヘパイストが言うと研究員らしきエルフとドワーフが全員に念話のイヤリングを配り始めた。それを全員が研究員の指導の下、耳に取り付けた。


「・・・イヤリング?イヤリングというよりは耳に掛けるイヤホンみたいな感じだけど・・・あっ!翻訳の薬のせいか・・・!?」


 優司がそんなことを考えているとヘパイストが話し出した。


「全員付けていただけたようですね!それではリンクを開始します!」


 ヘパイストは手に持っている装置に向かって何やら呪文らしきものを呟いている。


「これでリンクは完了しました!優司様、ルイ様に頭の中で話し掛けてみてください!」


 ヘパイストが優司に指示を出した。


「・・・頭の中でルイに話し掛ける?どういうことだ・・・?」


 優司がそんなことを考えるとルイが驚いた顔をして見せた。そして優司に話した。


「ゆっ、優司の考えていることが解った!私の頭の中に響いてきた!」

「優司が『ルイに話し掛ける?どういうことだ・・・?』って考えたのが解った!」


「え~っ!俺の考えたことが解ったの!?」


 優司が驚いているとヘパイストが解説を始めた。


「念話のイヤリングを付けているときに、他に付けている者の名前を呼ぶと、その後に考えたことが名前を呼んだ相手に伝わります!どうです、凄いですよね!?」


 優司達全員が驚いた顔をしている。その表情を見ながらヘパイストは満足そうに話を進めた。


「ちなみに全員へ話を伝えたい場合は初めに『全員』と頭の中で思ってください。そうすれば全員に伝わります!」

「ただし、この念話のイヤリングは距離が離れた場合は繋がりません!それでも30メートルぐらいでの会話は可能です!ですので戦闘中での意思の疎通に大変有効かと思われます!」


 ヘパイストのテンションはマックスの様子だ。


「それでは次に距離が離れた場合の意思疎通の道具を案内します!着いて来てください!」


 ヘパイストは意気揚々と次の研究工房へ歩き始めた。優司はそんなヘパイストの後ろ姿を眺めながら考えた。


「・・・う~ん、これは気を付けないといけないなぁ・・・、うっかり変なことを考えられないぞ・・・!」

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