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古流武術異世界戦記  作者: タキケン
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ブラックドラゴン

75話


 優司が起きて集合場所の広場に着いたときには全員が揃っていた。


「遅いぞ!優司!昨夜は飲みすぎたのか!?」


 トールが豪快な笑い声と共に優司に言った。


「おはようございます。優司殿、いえ、優司先生!」


 ヴァスキが丁寧に挨拶をしてきた。


「・・・優司先生か・・・、まぁ、いいか・・・」


 優司は先生と呼ばれるのを止めさせようと思ったが、ヴァスキのことを考えて黙認した。


「全員揃っている様だな!?では出発しよう!」


 優司は全員へ声を掛けるとサーラガの元に歩いて行った。


「サーラガ殿、真にありがとうございました!必ずリンを奪還し、天魔大戦を阻止してみせます!ヴァスキ殿の協力、感謝いたします!」


「なんのもてなしも出来ずに、かえって申し訳ない!本当であれば竜族をあげて協力するのが筋というもの、ヴァスキは存分にこき使ってくだされ」


 優司はサーラガに深々と頭を下げた後、踵を返してみんなの元に戻った。全員がすでにヴァスキの操る大竜の背に設置された乗り場に搭乗している。大竜の大きさは全員が乗っても余りがある状態であった。優司は大竜に搭乗しながら考えていた。


「・・・おおおお!ドラゴンだ!でかいっ!しかも背に乗れるんだ!夢じゃないよな・・・」


「ヴァスキ!このドラゴンは何て名前なんだい?」


 優司がヴァスキに聞いた。


「ブラックドラゴンのコクリュウと云います。ブラックドラゴンはファイヤードラゴンやフロストドラゴンよりも上位のドラゴンです」


 ヴァスキの答えに優司は思った。


「・・・ブラックドラゴンのコクリュウって、黒竜って意味かな・・・?黒い犬にクロっていう名前を付けるのと同じかな・・・」

「そうか!よろしく頼む!」

「コクリュウもよろしくなっ!」


 優司の声掛けにコクリュウが頷いて見せた。どうやら人の言うことが解る様だ。


「よし!出発しよう!一旦、エルフの里に戻ろう」


 優司はみんなに号令するとともに、見送りに来ているドラゴニュート達に頭を下げた。それを見ていた全員もドラゴニュート達に頭を下げた。

 ドラゴニュート達は各々が手を振りながら叫んでいる。


「お達者で!ご武運を祈ります!」


「ありがとうございました!」


 そんな中、サーラガは一人、小さく手を振りながら微笑んでいた。ヴァスキが全員に言った。


「では、出発します!振り落とされない様、しっかりつかまっていてください!」


そして、コクリュウに合図を送ると、コクリュウは一気に跳ね上がり大きく羽ばたいた。さらに羽ばたくと一瞬で大空に飛び立ち、さらに羽ばたいて大空を進んで行った。コクリュウが羽ばたくたびに速度が上がっていく様な感じであった。


「ひゃあ~!振り落とされるでやんすよぉ~!」


「ばかっ!しっかりつかまっていろってんだ!うわっ!危ねぇ!」


 タケゾウとキヨタが相変わらず騒いでいる。優司は全員の無事を確認しながら考えていた。


「・・・これは凄い!これならエルフの里なんて直ぐだろうな・・・」


 後ろを確認すると竜族の里は既に見えなくなっており、真下には不浄の地らしき光景が見えていた。



 優司達のブラックドラゴンは余りにも大きいため、エルフの里へ着陸することが出来ず、近くの広い所に着陸した。それでもエルフの里へは徒歩で1時間以内といったところだ。ダグザはドラゴンに送ってもらえば1日で着くと言っていたが、実際には半日の行程であった。


「半日でこんなところまでこれるとは!ドラゴンは凄いな!」


「まったくだ!往きは3か月も掛かったのに・・・!」


 優司の言葉にトールが答える様な形で話している。


「しかし、乗り心地は最悪でやんす・・・」


「まったくだ!死ぬかと思ったでやすよぉ・・・」


 タケゾウとキヨタがぐったりしながら話している。するとヴァスキが笑いながら謝罪した。


「すまない!ブラックドラゴンは速さが売りでな!その分、乗り心地はあまり良くない」


「・・・絶対に悪いって思ってないな・・・、というより速さを見せたかったんだろうな・・・」


 優司はヴァスキの様子を見ながら思っていた。


「ルイ、エルフの里への道案内を頼む!」


「うん、こっちだ!」


 優司達はルイの案内でエルフの里へ向かって行った。

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