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古流武術異世界戦記  作者: タキケン
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対応訓練

15話


朝になって訓練に参加、もしくは見学をしたい者たちが外に出てきた。といってもメンバー全員が集まった。


「おはよう。優司!僕達も訓練を見学させてもらうよ!」


カイとルリとモンチも訓練に参加したそうな雰囲気で集まっていた。


「うん、了解。今後の魔族との戦闘のためだから、しっかりと見ておいて!」

「特にモンチはダグザの法術を見ておくといい!実戦経験者の法術なんて見られる機会は少ないだろうから!」


モンチは、いつになく真剣な顔で頷いた。


「優司、こっちだ。訓練ができる広い場所がある。」


俺たちはテュールの案内で訓練ができそうな広い空き地に移動した。


「さて、どうすればよいのじゃな?優司殿。」


ダグザが何をすればいいかを訪ねてきた。


俺は、そんなに大きくもない木を指さしてダグザに指示した。


「とりあえず、あの木に向かってストーンキャノンを打ってくれ。いつもの様に。」


「承知しましたじゃ。」


ダグザは持っていた杖の柄の方を木に向けて杖の先に集中した。すると、杖の柄先に石の矢じりが数秒で形成された。

そして、ダグザが攻撃する木を確認し、息を吐いた瞬間に石の矢じりが目標の木を目掛けて飛んで行った。

石のやじりは見事に木の幹へ突き刺さった。


「おおぉ!」


見学していたメンバーから関心の声が漏れていた。


「どうですじゃな?優司殿。」


ダグザは満足そうに俺に顔を向けた。


「うん、ありがとう。ちなみに威力とか速度の調整は可能なのかい?」


「もちろん可能ですじゃ!」


「じゃあ、今度は今の木を折るぐらいの威力で打ってみてくれ!」


「お安い御用じゃよ!」


そういいながらダグザが同じ動作を行い、ストーンキャノンを放った。

木は見事に幹から折れて倒れた。


「なるほど・・・。」


俺はダグザに、いくつかの質問をした。


「1回目よりも2回目の方が威力も速度も上なのは解った。」

「ただ、威力が大きいのは1回目よりも2回目の方の矢じりが大きかったからかい?大きい分、集中していた時間も長かった様に見えたが・・・。」


「その通りですじゃ!威力を上げるには大きい石が必要じゃし、大きい石を作るには命令する素霊の数が多くなる。よって時間も長くなるって訳じゃよ!」


「なるほど、あと飛ばすときに気合の様な、息を吐く動作があったが、あれはしないといけないのかい?」


俺はダグザに質問をしたのだが、サラが取って代わって答えた。


「当然よ!土系統には物を飛ばす能力は無いからね!石を飛ばすには自分の霊力を使わなくちゃならないから!」

「その点、私の風系統は飛ばすのに霊力は使いませんので!!」


「・・・なんだ、この対抗心は・・・。」


俺はやれやれと思っていたが、ダグザがすかさず反論した。


「確かに風系統は飛ばすことが主体だから霊力は必要ないじゃろ!じゃが、飛ばす物を作れないじゃろが!飛ばす物を用意する必要があるから、その分の時間と霊力が必要となるじゃろぅが!!」


ダグザが年甲斐もなく怒りながら一気に話した。するとサラも反論しだした。


「そうですけどっ!でも、飛ばす物を用意なんてしませんっ!だって、敵自体を飛ばせばいいんだもんっ!硬い所に叩きつければ、りっぱな攻撃ですぅ!!」


「それこそ大きな霊力が必要であろうが!!相手の霊力の大きさや技量の高さ、相手との距離によっては莫大な霊力が必要となるわい!!」


俺は溜息をつきながら2人の間に割って入った。


「わかった、わかった。言い争いはもういいから・・・。まぁ、おかげで俺が聞きたいことを全部しゃべってくれたよ。」


ダグザとサラはちょっと驚いていた。俺の話を聞いてサラに至っては得意げにふんぞり返っていた。その姿をダグザはあきれた様な目で見ている。


「確認したいんだが、威力や速度を上げる場合は霊力の消費が多かったり、時間が掛かったりするんだな?」

「そういった意味では魔法での詠唱が極端に短いものと理解できるかな?」


俺はダグザとサラ2人に聞いてみた。


「まぁ、間違ってはいないわね。」


「そうですじゃなぁ、まぁ、魔法の詠唱は素霊を呼び起こして、お願いをする手段じゃからのぉ。神通力は素霊への命令じゃから詠唱の様な長い指示は必要ないが、指示自体が無くなる訳じゃないのじゃよ!」


「なるほど、もう一つ質問だが、杖は使わなくてはいけないのかい?手だけじゃダメなのかい?そもそも手を使う必要もあるのかい?」


俺はさらに質問を重ねた。するとサラが答えた。


「必要ないわよ!私は杖なんか持たないし!まぁ、手は使う時もあるけどっ!」


「そうですな・・・。まぁ必要性はありませんな。ただ、集中するのに何かあると集中しやすいから持つって感じですかな・・・。じゃから、持つ物とかは術者によりますわい・・・。」


2人の説明で十分理解ができた。


「なるほど、よく解ったよ!俺が知りたかったのは初動の有無と間の存在だったんだ!」


「初動と間!?」


ダグザとサラは驚いて聞き返してきた。


「そう、初動と間。初動は術が発動するまでの動作全般のことで、間は時間というかタイミングというか・・・。そんな感じだよ。」

「まずは相手を見るだろ。まぁ、確認するというか認識するというか、戦闘では相手が必ずいるから。乱戦であろうが一対一であろうが、まずは敵を認識しなくては戦いにならない。それから攻防の準備をする、まぁ、『構える』ってことだよ。そして、しっかりと相手を認識する『狙う』ってことかなぁ。それから『打つ』。」

「相手の認識と構えるは同時にできる初動だから『構える』『狙う』『打つ』の三拍子になるわけだ。この三拍子のテンポが間になるわけだが、この三拍子と間、相手との距離である『間合い』が戦闘の重要な要素となる。」

「三拍子と間は早ければ早いほど有利になる。そして長い間合いで攻撃ができる方も有利となる。これは絶対的な要素なんだよ!」


ダグザとサラだけではなく、見学していた全員が聞き入っている状況であった。

するとカイが確認をしてきた。


「今のことだけど、前に話していた『当たり前の理』のこと?」


俺は微笑みながら答えた。


「その通りだよ。戦闘では誰もが必ずする動作のことだよ。」

「神通力でも同じかを確認したかったんだよ!同じで安心したよ!」

「さて、もう少し確認させてくれ。」


俺は神通力と魔法への対処方法を、もう少し深堀しておこうと思い、ダグザに頼んだ。

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