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婚活⑤ ファーストメッセージ

カツオさんは絶賛婚活中だった。

婚活パーティー。

回転寿司形式のアレだ。

席に座る女性の前に男性が2,3分座って会話をするアレだ。

婚活パーティーとは雄鶏になるか雌鳥になるかの選別だと思っている。

その日、奇跡的に女性とマッチングした。

その後、連絡先を交換した。


婚活イベントの時、女性は言った。

「ミスチルが好きなんです。」

普通なら、

「どの曲が好きですか?」

「あの〇〇という曲いいですよね。」

短い時間で印象を与えるには相手の趣味に同調したり自分もそれが好きだとアピールするのが効果的だ。

だが、カツオは特にその話題に触れなかった。


でも、なぜかその女性とマッチングした。

そしてアドレス交換。

カツオはその女性にメッセージを送った。


普通なら、ファーストメールは今日はありがとうございました。〇〇さんとの会話がとても楽しかったです。時間が経つのを忘れてました。ミスチル好きだと言ってましたよね?自分も〇〇、〇〇が好きなんです。〇〇さんの好きな曲知りたいです。


と、まぁ、そんな感じで返すだろう。


しかしカツオは一味、いやそれ以上違う。

カツオから送った一通目に対しての返信はあった。が、それ以降何度送って返信は無かった。



カツオは同僚に唐突に言った。

「この前婚活パーティーでマッチングした女性とアドレス交換したんだが、最初の一通以降返信が無いんだよな。理由分かるかな?」


同僚は失礼かもしれないが、聞いた。


「えーっと……、もしよかったらどんなメールを送ったのか見せていただけませんか?」


そこにはこう書かれていた。


『いつ何時会えますか? 私は〇月〇日〇時が空いています。』


ファーストメールがこれだった。

こんなメッセージを送る人がこの世にいるのかと相当驚いた。


相手からの返信を読むと心苦しくなった。


"ちょっと予定がまだ未定なのでわからないです。"

みたいな感じだった。


行間を読むともう二度と会いたくない。と書いてあるような気がした。


そして、彼は同じメール(日付は変更されていた)を送っていた。しかも2度ほど。


もちろん、返信無し。


同僚は婚活パーティーでカツオが、相手の女性と何を話したのか事細かく聞いた。

ミスチルの話をしたと言っていたと彼は答えた。

同僚は何故それを振らないのか?物凄い分かりやすいボール投げてくれてるじゃないですか!


そう、同僚は言った。

その時、カツオはとんでもない返答をしてきた。


「オレね、男の曲は嫌いなんだよ。女の曲しか聴かないんだ。ロマンチストな人間だから」


同僚は開いた口が塞がらなかった。


そして彼は首をかしげた。

「俺ね、たまに思うんだ。自分が籠の中のお姫様で、ある日突然自分を連れ出してくれる人がいるんじゃないかと」


50も過ぎたオジサンの言動とは思えなかった。

物凄い気持ちが悪かった、


「なんで返信こないのかなぁ?」


周囲は全員分かっていた。

来るわけがない。

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