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 目覚めた俺は、整容を行い、下に降り、朝食を食べる。朝食といっても日はもう、てっぺんまで上っている。朝食は、固い黒パンに、ベーコンエッグのようなものだった。見た目のわりに、美味しいが、前世と比べると、少し物足りなかった。

 俺は、朝食を食べながら、昨日のマルクスさんとの会話を思い出す。



「そういえば、マモル君は今後どうするつもりなのかね?」


「今後ですか?」


「あぁ、君程の強さがあるなら、ぜひ、私の私兵に入って貰いたいのだが?」


「私兵ですか…」


「あぁ、どうかね給金は、はずむつもりだよ。」


 俺は、今後のあり方を考える。

 特に、女神様から何か使命を頂いたわけではなく、これと言ってすることも決まっていない。だが、前世の縛り付けられた生活から抜け出したのに、また、縛り付けの生活はちょっとごめんだ。

 だから、この世界では、好きに生きよう。そうと決まれば…


「すみません。とても有難いのですが、お断りさせて頂きます。」


「ほう、理由を聞いても?」


「私は、まだこの世界について、まだ、ほとんど知りません。だから、見聞を広めていこうかなと…」


「そうか…」


「だから、すみません。」


 マルクスさんは、口角をあげ、


「何、気にしなくても大丈夫だよ。それにしても、若いのに立派な考えを持っているんだね。もし、何かあったら、力になろう。」


「あ…ありがとうございます。」



 まさか、あった初日にスカウトされるとは、思わなかったな。丁度回想を終えたと同時に、朝食を食べ終えた。

 今日は、街を見て回るつもりだ。しばらくは、ここを拠点にする予定。だから、お金を稼ぐためにも、俺は、冒険者になってみようと思う。大好きな銃をぶっぱなせる事が1番の理由だが、俺も男だ。冒険に、少しばかりの憧れもある。

 そうと決まれば、まずは、冒険者組合に登録をしに行こう。俺は宿屋を後にする。


 しばらく、街中を歩くと目的地が見えてきた。

 大きな木造建築の2階建て。入り口の上には盾の中央に剣を交差させたエンブレムが飾っていた。

 組合の中に入ってみると、むわっと人混みの熱気が頬をなでる。

 受付には、美人の女性が揃っており、冒険者が列をなしていた。俺もその列に並ぶ。

 しばらくすると、順番が回ってきた。


「次の方どうぞ。あら、見ない顔ですね。私はここの受付嬢を担当しておりますマリアと申します。それで、今日は、どのような用件でしょうか?」


「俺は、龍神守と言います。今日は、冒険者登録をしたいのですが、大丈夫ですか?」


「タツガミ様ですか。冒険者登録ですね。では、こちらの用紙に必要事項を記入して下さい。代筆は必要ですか?」


 スキル:言語理解のおかげで、この世界の文字もしっかり書けるようになっていた。


「大丈夫です。」


 必要事項を記入していく。記入を終えると、受付嬢に提出する。


「はい。ありがとうございます。確認しますね。双銃使い? 聞いた事ない職業ですね。差し支えなければ、どのような職業がお聞きしても?」


 俺は、腰のホルスターに入れていた、ヴァイスを取り出し、受付嬢に見せる。


「これは?」


「これは、銃と言う武器で、これを使って戦闘をします。」


「銃ですか? 古代武器か何かですか?」


 たぶん、銃なんて、この世界には、無いよな…なら


「そんなとこです。」


「そうですか、ありがとうございます。それでは、少しお待ちください。」


 マリアさんは、一度奥に行き、少しして、1枚のカードを持って戻ってきた。


「こちらが冒険者カードになります。」


 カードを受け取り、冒険者の説明を受ける。

 これで俺も、晴れて、冒険者の仲間入りだ。

 軽く、依頼ボードを確認し、組合を後にする。


「それじゃあ、街をぶらぶらしますか。」


 行くあてもなく、街をぶらつく。

 育ち盛りなのか、少しお腹が減ってきた。露店の食べ物を食べつつ、ぶらぶらする。

 すると、少し豪華な見た目の建物が目についた。

 どうやら、奴隷商のようだ。

 通りすぎようとすると、中からちょび髭の男性が出てきた。


「おや、貴方様は… その、奴隷に興味がおありですか?良かったら、中にどうぞ。」


 特に興味も無かったが、声をかけられた為、入る事にした。

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