5
5月1日は月曜日だった。
僕はいつも通り制服を着て、玄関を出た。11時半に。
「あんたまだ寝とったんか。学校ちゃんと行かなきゃまともな大人になれんよ?」
「うるさいわ、寝坊する日もあるやろが。」
僕の悪態にばあちゃんは、はぁぁぁぁと深くため息をついて、わざと大袈裟に肩を下げて、リビングに続く廊下に引き返した。
僕は玄関を開けていつもの通学路を歩いた。よく見ると靴の絵の具が少し落ちている。ばあちゃんまた洗おうとしたんかいなと呆れて空を見上げたら、鏡があった。
「あっ」
僕は立ち止まって、自分の姿をよく見た。頭上1mほどにしっかり世界が写り込んでいる。
でも
「えっ違くない?」
僕の、スカートとブレザーは全く普通のなんの特徴もないみんなと同じの〈制服〉になってる。
「はァァ?」
僕は一気に頭に血が昇った。
「おい。ふざけんなよ。」
一旦鏡を見るのをやめて、目を閉じた。おかしい、見間違いだよな?
もう一度鏡を見ると、やっぱり僕の制服はただの制服になっている。
「は?なんで?」
僕は何度もそう言った。それから、もしかしてと思って、学校用の黒髪ロングのウィッグを取って、その下の右側はショートボブで左側はベリーショートの金にピンクのメッシュが入った髪を出した。そして鏡を見上げると
「ただの、黒髪ショートボブになってるじゃん…」
なんなんだ、なんなんだ、これは。
「は?なんなの?なんでなの?もぉぉぉ!!!!!」
僕はすっかりキレて、何も入れてない通学カバンを地面に叩きつけて、それを踏みつけた。
「ふざけんな!ふざけんなよふざけんな!!!」
僕の
「僕のアイデンティティを奪うな!!!!!!!!」




