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魔法が解ける時
時間を戻す。
前日の夜まで。
伊藤愛という女性が、恐怖のあまり自宅から飛び出して走り去った後、魔法少女ファイは、その場に倒れてしまう。 張り詰めていた緊張の糸が切れたかのように。
解離していた間、失っていた正気が戻ってきたのか、それとも、度重なる戦いで疲れ果てていたのか。
ファイの小さな体が光に包まれた。
幸佳がファイの身を案じる。
「ファイさん!!大丈夫!?」
終始一貫して、沈黙していたメルが急に動転して叫んだ。
「ダッ、ダメ!見ちゃダメッ!!」
「え?」
同じく沈黙していた、かえで先生も叫んだ。
「魔法が解けて、元の姿に戻ってしまうわ!」
そこに横たわっている「魔法少女ファントム・イレイザー」だった人物を見て、幸佳は愕然とした。
そこで気を失って倒れているのは――――――
近視用のメガネをかけている、スーツ姿の大柄な女性だった。
その女性は――――――
一色小学校五年四組担任教諭・真山徹子。
「暴力の鬼」だった。




