表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

269/274

8-53 常勝不敗にゃタネがある。タネは植えて育てよう

「お客様、そろそろオークションが開催される時間となりますがいかがいたしましょうか?」


 む、もうそんな時間か。

 時間が経つのはあっというまだな。


「それじゃあ終了で」

「かしこまりました」


 かなり楽しかったが、後半はアディーラの独断場だったなー。

 彼女が望むなら大会に出してみてもいいかなと思ったくらいだ。


「ご利用いただきありがとうございました。またいつでもお越しくださいませ」


 見送られ俺たちは個室を後にする。

 結構な額を取られたがたまには豪遊してみるのもいいだろう。


 上級身分証で入れるカジノエリアからオークション会場までは直通の通路があるようで、俺たち三人は他の部屋でギャンブルをしていた人たちにまじって一緒に歩く。

 今日のギャンブルの成果だったりオークションで狙ってる品物を言い合ったりなどの雑談に聞き耳を立てる。


「主殿、コアさんちょっといいでありますか?」

「ん? どうしたアディーラ?」


 声じゃなくてわざわざ念話を使うって事は周りには聞かれたくない話か?

 念話に感心を向けつつも俺とコアさんは平然とそのまま歩く。


「自分が大勝した理由を話したいのでありますよ」

「ふーん、わざわざ言ってくるって事はただの自慢というわけじゃなくて、何か裏があったという事だね?」


 それはすごく興味が引かれる話題だな、実際なんかタネがないとあの勝率をたたき出すのはまず不可能だろうしな。

 コアさんに促されたアディーラは念話で理由を語り出す。

 

「ええ、実はですな――」


 え!? ふーん。 ほーう? そういう事なの? なるほどね、そういう事だったのかぁー。

 俺と同じく話を聞いたコアさんは顔を正面に向け、最初こそ驚いたように目を少し大きくしたがすぐに通常の表情へと戻り


「いや、それが本当ならアディーラがカードの読みあいに異様に強かったのも当然だね」

「んだな」


 話を聞きながら個室でポーカーをしていた時の状況を思い出し、自身の推察もまざったアディーラの話に耳を傾ける。


「いや、実に耳寄りな事を教えてくれてありがとなアディーラ」


 今回の大会は1位総どりというルールだとまず優勝できないし割に合わないからやめようと思ってたけど、勝算を見つけてしまったからには参加する価値はある。

 当日にはまだ時間があるし、いろいろと仕込んでおく必要がありそうだ。


 ここの通路は上級身分証を持っていないと通れないこともあり、オークション会場前には受付と思われる数人の男女が頭を下げて待っていた。

 こりゃまたチップをはずまなけりゃいけないな。


「こちらが本日出品される品物のカタログとなります」


 ラウンジに通されるとソファーを勧められ、飲み物と共に手渡されたカタログに目を通す。

 

「コアさんとアディーラもなんか見てみたいものがあれば言ってくれ」


 オークションはファンバキアの目玉と言われただけあって美術品や骨董品、武器に酒。果ては人間そのものと実に多彩である。

 俺のお目当てはダンジョン産のギフト及びアカデミー産の模造品を見るのが目的だから、積極的に競り落とす気はないけどこうして何があるのか見るのは結構ワクワクする!


 会場は複数あってジャンルごとに分かれてるみたいだしそれぞれが好きな所に行くのもいいけど、大金と呼べるレベルで持ってるのは俺だけだから場合によっては資金を手渡さないといけないなー。


「今回は特にないからマスターについていくよ」

「自分も考えつかないであります」


 よかった。これなら3人一緒の会場でオークションを見ることができるな。

 まぁ、代理人を立てるって方法もあったけどそれはなんかいろいろ面倒だし。


 カタログによると今回出品されるギフト系はマジで千差万別っぽいなぁ。

 ある程度落札価格がわかる美術品等と違って、この手のものは絶対欲しいと思う人が2人以上いると思わぬ高値で落札することもあるから注意しろって書いてある。

 まぁ、これもオークションの楽しみ方っちゃ楽しみ方だし怖くもあるが楽しみでもある。


「よし、じゃあ行くか」


 ちょうどいい時間だし2人を促してラウンジを出る。

 上級身分証持ちならここから代理人を立てて参加したり貴賓室から参加できるようだが、あえて一般向けの席の入口へと向か たのはよかったんだけど……

 

「うへぇ、なんかすごい人だな」


 会場前の広場は人! 人! 人! で埋め尽くされていた。

 いや、まぁあえてこういう雰囲気を楽しむために来たんだけどここまで多いのは予想外だったわ。

 上級エリアにはほとんど人がいなかった分、対比がすごい。


「今日はなんだって人がこんなに多いんだ?」

「あれだよほら、今日はグリー氏のコレクションが大量に出品されるから」

「あー、それでかぁ。大半は競り落とす金もないのに迷惑だよなぁ」


 近くの人の話を盗み聞きした感じそういう事ですか。

 金はあるけど俺達も野次馬であることには変わりないしちょっと申し訳ないな。


 その後結局会場におさまらないため、参加希望者は入場料を払ってもらうという方針が運営側から通達があった。

 広い会場に移るんじゃなくて、追加料金を取るという方向になるあたり実にこの国らしいなぁ。

いでっち51号さんの「漫才王になろうGP」ように

一本漫才ネタ書いてみました

サクっと読んで評価してつかぁさい

https://ncode.syosetu.com/n1770io/


それでは皆様よいお年を

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
[気になる点] 以前に某有名漫画にあったイカサマ?は開始前にディラーが使用前のカードを並べられたまま一瞬、不正がないことを示す為に表に向けるがその一瞬で全ての並びを覚え誰にどのカードが配われたか判断し…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ