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8-39 人生は誤るとゲームオーバー直行の選択肢が結構頻繁にでてくる鬼畜ゲー

「じゃあ俺たちは先を急ぐんでこれで」


 罠だと頭の中で思っていても目の前の金貨にはあがらえないのか、恐る恐る金貨を拾い出す男たちの横をすり抜けるように俺たちは歩き出す。


「あ、そうだ。一応アドバイスしとくけど、これ以上欲をかくと身を滅ぼすから気を付けるんだゾ」


 聞いてるか聞いてないかはわからないが一応声をかけておく。

 

「あ、ああ……」


 生返事ではあったがちゃんと聞いていたようだ。

 そのまま抜けて俺たちはファンバキアの方へと歩き出す。


 距離は徐々に開いていくが、後ろの状況は手に取るようにわかる。

 金を拾った男たちはこれからどうするか相談しているようだ。


「な、なぁ。これだけあればしばらくはなんとかなるし、もう帰ろう?」


 ちゃんと忠告を聞いて、これでやめようと言っている連中と、


「何言ってんだ、あんな気軽に金貨を放り投げるやつだぞ。叩けばもっと出るに決まってる」


 俺をカモと認識してさらに上乗せを取ろうとする派に二分したようだ。

 叩けば出るってそんな汚い金を持ってるような事……いや、思い返せばいろんな意味で汚い金だったわ。


 人数比としては続行派の方が多数、というよりは大半か。

 まぁ、元々強盗しようってやつが集まって、やめようって言ってる連中が頭数をそろえるために呼ばれたってとこが実情かね?


「けっ。じゃあお前らはもういいよ。その代わりもう分け前はやらねぇからな!」


 その場に2人置いて残りの男達はこちらに向かって走り出す。

 やめとけって遠回しにアドバイスしたつもりなんだけどなぁ。


 誤った選択をしたものがどうなるのか、骨の髄まで教えてやらないとな!


「ククノチ、アマツ。手はず通りにやっておしまいなさい」

「ほーい」


 軽い返事と共に二人が振り返る。


「まずは手前の女二人からやるぞっ!」

「おうっ」


 男達は丁度半々にわかれて前にでたククノチとアマツに襲い掛かる。

 俺達が丸腰に見えるのに加えて数だけならまだ倍の差があるとみて、それで押し切る算段なんだろうが……。

 いやまぁ、彼女たちが見た目通りのか弱さだったならそんな未来もありえたのかもしれないけどねぇ。


 ククノチが素早く右手からツタを出し、それを鞭と変えて棒が届く距離に入る前に素早く振う。

 暗闇かつ相手が鞭を使う事をまったく想定していなかったのか、先行していた男二人が顔面に鞭を食らい悲鳴を上げて倒れ、地面をのたうちまわる。

 すげぇいい音したけど、やってる事はえげつねぇ。


 一方のアマツはというと、彼女の得意分野は魔法を主体とした遠距離戦ではあるのだが、今回の相手はそれを使うまでもないと見て取ってか。


「すぅ~」


 深く一息呼吸すると肩幅に足を開いた古武術のような構えを取る。

 なかなか様になっているがアマツ自身の見た目が見た目なので、傍目にはちょっと背伸びした子供にも見えてしまうかもしれない。


 だが、その中身は俺やオルフェとも組み手ができる常に研鑽を怠らないダンジョンモンスターである。


「”みずながし”」


 両腕に水を纏わせたアマツは両手に棒を握り全力で振り下ろした棒をやや縦向きの右腕で防ぐ。

 水が腕を守っているので実質ノーダメージなんだろう。


 さらに棒が水に触れる瞬間に下側に水を流していなす。

 すると棒はアマツの右腕を水とともに滑り落ち、地面を叩きつけた。


 そうすれば、アマツの横にあるのはガラ空きになった相手の脇腹。


「”らいしょう”」


 脇腹に掌底を叩きつけると同時に稲光がきらめくと、男は声もなく倒れる。

 掌底の威力自体は俺やオルフェには遠く及ばないが、あれ実質雷魔法を使ったスタンガンだからなぁ。

 追加効果がえぐいんよ。


 アマツもククノチも元々は魔法使い型の遠距離攻撃タイプとヒーラーだったのに、すっかり格闘戦もできるようになっちゃったなぁ。

 特にアマツはしっかり俺の柳風障壁(パリィウォール)衝撃障壁(インパクトウォール)をパクッて自分のものにしちゃってるし

 実に感心!


「うわっ! わわわっ!」


 先行した3人があっさり返り討ちにされたのを見てとてもかなわないと悟ったのか、後続は90度進路を変えて我先にと逃げ出した。

 だが残念、判断が遅すぎる。俺たちを襲うという選択をしたところからな。


 逃げて距離が開いたこの間合いこそ本来ククノチとアマツが最も得意とする中距離である。


「逃がしませんよー。”ぬいつけ草”起きてくださーい」


 事前に罠をしかけたククノチが草に呼びかけクイッと右指を上げた瞬間。

 闇夜に悲鳴がこだまし、逃げていた男どもが突然足を掴まれたようにバタンと地面に倒れ伏す。

 

「お前、これ試しただろ?」

「せっかくの機会ですからねー」


 逃げて倒れた連中に近寄ってみれば、足から鋭い草が生えて名前の通り地面と足を縫い付けている。

 ツルで足を絡ませる程度ならツルを切り払えばまだ逃げられるが、こっちは足にダメージを負わせて逃げられなくするのもかねるのか。

 痛そう。


 まー。俺達は人助けもするけど、お人よしってわけじゃないからな。

 襲ってきた連中も身をもってしったことだろう。


 まぁ身をもって知るのはむしろこれからの方が大変だったりするんだけどねぇ。

今回のタイトル私結構そう思うんだけど

皆さんはどう思います?


追記

画像生成AIで(趣味全開の)ソフィアさん作ってみたよっ

挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)

ほんま画像生成AI先生は時々性癖にダイレクトアタックする絵を作ってくるからやばいっすわ


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