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8-11 空から見下ろす夜景(暗闇)

「ふぇっくし!」


 ちきしょーめ!

 久しぶりのダンジョンの外は寒いぜ!


「おいおい、風邪でもひいたんじゃねーか? 鼻水つけんのは勘弁してくれよ」

「いやぁ、ちょっと風で鼻がむずってね。ティッシュは持ってるから大丈夫だ」


 俺を抱えて飛んでくれているアディーラに軽口で返す。

 

 今はまだ夜の闇の中、地平線のかなたにある空がすこーし青くなってきたかなと思える程度。

 おまけに空高く飛んでるとくれば冷えるのも当然っちゃ当然か。


「やっぱ朝方じゃなくて昼頃に着くようにすりゃよかったかなぁ」

「おいおい、今更戻るのは勘弁してくれよ」


 アディーラに飛んで行ってもらえればすぐだと思ったけど、ファンバキアはやっぱ遠いなぁ。

 

「この速度なら後1時間ってとこだな」


 アディーラはそういってるが眼下はまだくらくてなーんも見えねぇ。

 だから今どのへんなのかもさっぱりだ。


 だが、心なしか地平線の先がぼんやり光っているようにも見える。

 朝日が昇ってくる方角とは違うはずだがら、あれがファンバキアの光という事になるのか?


 アイリは電気や電灯を知らなかったので、この世界ではその手の物はまだ普及してないと勝手に思っていたが、逆にギフトといった地球を凌駕するものがあるわけで何か俺の知らない照明器具とかがあるのかもしれんな。


 山を通過した辺りで日も昇り、俺の目でも人工物が見えてきた。

 懐かしい……と言うには入ってもいないが、それでも久々に文明の光が見えてきたって感じだな。


「お頭ぁ。俺の気のせいかもしんねぇけどよぉ。あの都市前に来た時よりちょっと大きくなってねぇか?」

「そうなのか?」


 俺の記憶の中じゃ山から見下ろした風景しか覚えてないが、こんなもんじゃなかったかな?

 でも言われてみれば外壁の外側にあんなに建物立ってたっけな?

 

「ああでも、難民キャンプ地はさらにでっかくなってるな。間違いなく」


 前はまだ平原に収まっていたキャンプ地が、今はあふれんばかりにテントでうまってる。

 あれだけ一気に人が増えて収まりがつくんだろうかね?


「お頭。地上ばっかみてるのもいいけどよぉ。空にもおもしれぇもんがあるぜ」


 どれどれー? んー? んんー??

 なんか港付近を飛んでる何かがいくつかあるのはわかる。わかるんだけど、


「ごめん、遠くて小さすぎてコバエにしかみえねぇ。あれなに?」

「人を乗せた大鷲みたいなのが、荷物を吊り下げて飛んでるぜ」


 うぉうマジか! ファンタジーのヘリ輸送みたいな事やってんな!

 たしかに商業都市だからこの世界ならではの空輸システムがあってもおかしくない!

 ちょっと中二心がワクワクしちゃうぞ!


「あ、でも空飛んでるって事は領空権とかあんのかな?」

「少なくとも飛んで中にはいっちまったら不法入国だな」

「そーだな。じゃ、ファンバキア上空は避けてキャンプ地で降りよう」


 それを受けてアディーラは進路をややずらし、キャンプ地方面に向かって飛んでいく。

 やがて眼下にはキャンプ地が広がる平原上空に着いたのだが、


「白犬族のキャンプ地ってどのへんだったっけ?」

「そんなん知るかよ。こうも大きくなって人だらけじゃわかるわけねーだろ」


 似たようなテントばっかで空からじゃわかんねぇな。

 人で判別しようにも高度のせいでいることがわかる程度だし。

 アディーラも今は堕天モードだから通常モード程遠くが見えるわけでもないしな。


「アディーラもう少し高度を――左下! なんか飛んで来るぞ!」

「チッ!」


 うぉっ! 避けるために急上昇旋回したからか体に慣性がズシンときたぜ!

 飛んできた角度から考えて撃ってきた場所あのへんか!?


 おそらくこいつを撃った犯人は……みっけた!


「アディーラ! あそこに俺を投下してくれ!」

「あ? 別にいいけどそんな事する必要あるかぁ?」

「いいの! この時こそ練習してきたアレを見せてやる時だから!」


 アディーラもそこに向かって着陸しようと高度を落としているがそれじゃダメなんだ!


「まぁわかった。行くぞ」

「おう!」


 アディーラが俺を抱いていた腕を離すと浮力がなくなり、代わりに重力が俺の身体を支配し地面に向かって加速し始めた。

ここからまた長くなりそうな予感しかしない

書きたいことが増えていくんやな

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ラタトスクが出た今、大鷲なんて言われるとどうしてもフレスベルグを想像してしまう
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