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7-46 後始末は実際ダイジ

 空間魔法でウチのダンジョンと繋げるときは目的地までの距離を布として、折り曲げて針を何重も刺して目的地をたぐりよせてる感覚があるが、最近はそれが大分軽くなってきた気がする。

 そして目的地にあるマークを右手でつかんでグッと固定するイメージを持つ。


 よし、つながったな。後は針を大きくするイメージで空間に穴を開ければ完成だ。

 とりあえず傍観してる連中は何かしてくる様子もなさそうなのでよかった。


「アディーラ、俺の左ポケットにハンカチにつつまれた毒手裏剣が入ってる。お前は二人を連れ帰ってコアさんとククノチにこれを渡してくれ」


 コアさんは鑑定した食材が体にもたらすかわかる能力があっからな。

 毒は体に悪影響を食物だと定義できるから、食材鑑定の能力をもつコアさんなら症状の特定ができるはずだ。

 一方ククノチは医術に加えて、この毒が植物毒ならなんとかできるはず。


 はずはずと絶対じゃないのがもどかしいが、今はこの二人にたよるよりほかはない。


「わかった。ところでお頭、あいつらはどーすんだ?」


 毒手裏剣を俺のポケットから抜いて胸元にしまったアディーラが伏せてる連中の方に目を向けて問う。

 お前も胸元にしまうんかい! いやまぁ両手は二人をかつぐために塞がるからしょうがないけどさ!


「あいつらはお前を送った後で俺がケリをつける。なんとなく正体も予想できてるからな」


 予想が当たってるなら”説得”で穏便にお帰りいただけるだろう。

 アディーラが二人を肩に背負ったのを見て空間を広げる。


 大の大人二人を肩に背負って平然としてるあたり、アディーラも見た目にそぐわぬ怪力だよなぁ。

 まぁ、そんなもの今更か。


「すま……ない……」

「礼なら治った後で改めて聞こう。行ってくれ」


 担がれながらもこちらを向いて絞り出すように礼を言ってくれたスケイラに答えアディーラをうながす。

 彼女はうなづくと転移魔法でできた穴を飛んでくぐり消えて行った。

 そうそう、まずはとにかく治ってくれないとね。礼を言われるのにはまだ早い。


 空間を閉じればあたりに訪れるのは静寂。

 ただよっていたもやもやもやがてなくなり、索敵障壁にも何も反応はない。


 まぁそりゃ逃げるよね。逃したのは惜しいが二人の命を優先させたししゃあない。

 よくわからんギフトとか毒とか今回は相手にしてやられた、という事にしておこう。


 それにしても毒かー、以前コアさんは鎧を出すより肉体を強化する方がいいと言っていたがこれは盲点だったな。

 傷つかないくらい強化すればともかく、肉体強化だけだと小さい傷からでも毒が入ってくるリスクがある……か。


 今回は任せたけどコアさんもククノチも本来毒に関しては素人に毛が生えた程度の知識しかない。

 今後も毒を使われるリスクを考えると毒……というよりは薬物や化学知識のスペシャリストが欲しいところだな。

 

 次の反省点はよくわからんもやもやを出していたこの玉がなんなのかだな。

 地面に目をやればポツンポツンと落ちているのでその内数個を拾って見てみる。


 うん、見た目通りの重さだしこれはただの黒い玉だな。

 なでても振ってもウンともスンとも言わない。

 あら? 指に力を込めても割れない。見た目よりは硬いな。


 いやー、でもこれわからないままにしておくと、また一杯食わされる可能性があるよなぁ。

 だからなんとか解明したいところなんだけどなぁ。


 ……うーん、よし!

 こいつは後でデーンに聞いてみよう! あいつならきっと嬉々として解説してくれる。

 そうと決まればとりあえずこの玉はいくつかポケットに入れておこう。


 最後に……あそこにいる連中の事だな。お相手は地面に伏せたまま動こうともしない。

 多分あいつらは俺が気が付いているのに気が付いていないな。


 おそらくは俺が立ち去るまでじっと待ってやりすごすつもりなんだろう。 

 ま、だからこそ後回しにしてたんだけど、辛抱強く待っててくれたならこっちからあいさつしに行くのがスジってもんか。


 矢筒から矢を3本取り、夜空に向かって放つ。

 魔力誘導された矢は綺麗な放物線を描いて――


「うわっ! わわっ!」


 狙い通り伏せていた連中のギリギリ目前に落としてやる。

 おーおー、慌てふためいて悲鳴がもれたり、飛びあがったりしておるわ。


「やぁやぁ諸君、そんなところではいつくばってたら夜露で服が濡れないかい?」

「ひえっ!」


 連中が降ってきた矢にビビっている間に、近くまで走って移動し仁王立ち悠然と佇んでみる。

 これで連中には矢に気を取られた一瞬のうちに移動してきたように見えるかな?


 実際のところは矢を撃った後に擬態障壁をまとって近づき、矢に目を奪われた際に解除しただけだが。

 

照明障壁(フラッシュウォール)


 あたりはまだ暗く、体つきくらいならわかるが顔が見えないので小さい照明障壁を手のひらに出す。

 その光はおどろいて声もだせずただこちらを呆然と見つめる連中のまぬけ顔を照らしだした。

新キャラの構想は大体できてるけど

もう一つのキーパーツがいつ出ることやら


後タイミングね

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 次は薬師(医者)は確定として何の動物になるのかな? 楽しみだ\(^o^)/
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