どうやら俺の心臓の高鳴りは止まらない(死にそう)らしい
どうも。こんにちは。
弦間 和将です。
あーあちぃなおい。
もう俺みたいな暑っ苦しい人間にとってはこの上なく生きづらい季節だ。
頑張れ!俺!
では、このどうしようもない小説をよろしくお願いします!
5月も終わりに近づき、少しずつ、かつ確実に暑くなっていると感じられる今日このごろ。
最近は長袖のものを着ている人を見かけることも少なくなった。
うちの学校もだんだん合服が増えてきている。
春が過ぎ、夏が来る。
これをあと何回感じることができるのだろうか。
うん。別に今考えることじゃないよね。
ただ一生の中で一回言ってみたかっただけ。
一生の中で言ってみたい言葉を誰しも一つは持っているはずである。はずだ。
……持ってるよね?
俺だけじゃないことを願おう。
今はいつもと同じような朝を7時に迎えてはや9時間経っている。
つまり、授業は既に終わっている時間だ。
今日あったことをあえて言うなら、秋山遼が鼻血を出して貧血を起こし、倒れたくらいの事だろうか。
なかなかの大事件をあえて言うレベルの俺って実はすごい人物だと俺は思っている。
倒れたくらいって全然くらいじゃないだろ。
むしろ明るいわ! みたいな独り漫才をしつつ、俺は教科書やノートを鞄に入れた。
──そういえば、今日は科学部の見学に来る転校生の案内しなきゃならないんだっけ…めんどくせぇな...
俺はその重い足を引きずりながら科学部の部室へと向かった。
当然、ユイも付いて来ている。
お前はハッピー〇ットかよ。
毎度のように思うのだが、子どもってハッピー〇ットさえあればもうハンバーガー要らないんじゃね?
そのハンバーガー、僕にください。
「天馬くん! 今日の漢文の授業は面白かったですねー! 漁夫の利の話とかファンタジー過ぎて笑えましたよ! あんなことある訳ないですよねー」
いやそれ、お前が言っていいことじゃないと思うぞ……
この世で一番ファンタジーなのお前の存在だし。
「あぁ、今日は科学部に行くから先帰っといてもらっていいよ。」
「何言ってるんですか! 私も科学部に行きますよー。ほら! 行きましょ行きましょ!」
う、うぜぇ……
お前は俺のなんなんだよ。
っておいおい、科学部の場所わからんのに走り出して行っちゃったぞ。
………………あ、戻ってきた。
「ふぅふぅ…… ところで、科学部の部室ってどこですか?」
ダメだこりゃ。
「付いてくればいい話だろ」
「ラジャー!」
この妙に高いテンションにいつも振り回されそうになる。
いや、実際振り回されている。
こいつも生前はさぞ楽しいリア充生活を送っていたのだろう。
コミュ力も低い俺にとっては天敵である。
そんなことを考えていると部室についた。
「こんにちは」
部室のドアを開け、おそるおそる入る俺の姿は誰の目から見てもかっこ悪いだろう。
いや、むしろあの人、謙虚な姿をしててかっこいい! ってなるだろう。
そうであってほしいものだ。
「あ、こんにちはー。 先輩が部室に来るなんて珍しい。何かあったんですか?」
科学部の唯一の後輩である斉木愛花はなかなかの成績優秀者である。
多分こいつもモテてるんだろうなぁ。
あの変な趣味を持ってなければ。
び、BL? とか言ってたな。
発音よく喋るとびぃえぁーる。
それはRだな。
「今日は転校生の学校案内を頼まれててな。 部長に案内を交代してもらおうかと思ったんだが、部長は?」
「原田部長は今日は用事で来れないと言ってましたけど…… それ、大原先輩がやるべきなんじゃないですか?」
斉木は苦笑いを浮かべている。
いや、今思いついたんだけどなかなかいいアイデアだと思うぜ?
俺なんかよりよっぽど部長の方が学校詳しいし!
「うわぁ、部長さんに仕事押し付けるとか最低ですね! もういっその事、最低クズ夫で改名したらどうですか?」
それ、俺の名前の面影残ってねぇぞ……
ツッコミたい所だが、何しろ部室には人間が二人、守護神(?)しかいない。
この場でツッコむと、それこそ可哀想なやつだと思われても仕方が無いのである。
「じゃあその転校生とやらを待つとするか...」
それから10分程経ったころ、部室のドアが叩かれた。
「し、失礼します...」
どうやら転校生のようだ。
うちの制服を着ている。
転校生である証拠に俺を見ると同時に驚いた。
ん? これおかしくね?
俺を見て驚くって……
それ俺が中学生の時に受けたイジメじゃねえか!
トラウマが蘇っちまうぜ。
おっとーなんだなんだ?
急にドキがムネムネしだしたぞ?
なんだこの胸の高鳴りはー!!
はい。ただの緊張です。
ここは昭和かよ。
「は、初めまして! えーと僕は2年生の大原天馬といいます! よ、よろしくお願いしましゅ!」
…………噛んだ。盛大に噛んだ。
「と、とりあえずそこの椅子にでも座ってください」
あぁ恥ずかしい!
もう消えてしまいたい!
穴があったら入りたいとはまさに今のことだ。
「初めまして! 私は1年の斉木愛花といいます。」
「こちらこそよろしくお願いします…… 私は2年の加藤詩織といいますっ! あ、あの学校案内をしてくださるというのを聞いてきたんですけど……」
「ほら、天馬くん! 今ですよ! 第一印象、大事!」
やっぱり俺がやらなきゃダメかなぁ?
俺一人でやるとか無理ゲー過ぎる。
無理に喋ろうとして気まずい雰囲気になるのがオチだ。
よし、できるだけ落ち着こう。
エ〇スの胸はパッド入り!
エリ〇の胸はパッド入り!
「僕が案内することになってるので、付いてきてください」
ほう、なんとかまともに喋れるようになってきた。
やはりア〇シズ教徒になるのがいいな。
「わ、分かりました! よろしくお願いします!」
俺と加藤さんは変な距離を保ったまま部屋を出た。
ちなみにユイは付いてこないらしい。
なんでこういう時だけ気を遣うのだろうか。
これだから叱るにも叱れない時があるのだ。
「あ、あと同級生ですからタメ口でいきましょう! 敬語だと逆に距離感が生まれてしまうので」
うん。俺にしてはなかなかの提案だと思う。
距離を縮めようとしている気持ちを表すのが大事だ。
「じゃ、じゃあ天馬、くん? よろしくね?」
…………ヤバい。
俺の胸は緊張している時なんかよりずっと早く鼓動を繰り返している。
さっきまで緊張して見ることができなかったが、この子、めっちゃかわいい!
個人的に坂本あかりよりかわいいと思うんだが!
「あ、えーと、ぼ、俺はなんて呼べばいい?」
エリ〇の胸はパッド入り!
〇リスの胸はパッド入り!
ヤベェ全然効かねぇ……
やっぱりア〇シズ教使えねぇ!
正ヒロインのエリ〇様を次からは信仰しよう!
「し、詩織でいいよ?」
えーこれ難易度高くねー?
いきなり下の名前とかできないですぅ。
何年コミュ障やってんだと思ってんだよ。
なめんな、コミュ障。
それにしてもこの胸の高鳴り、いつまでたっても終わらねぇ!
まさか……これは!
「し、詩織さん! じゃあ学校案内行きましょうか。」
「詩織! って呼んで! 」
え? なにこれモテ期?
「し、しお……り」
人生で初めて女子の名前を呼んだ瞬間である。
17歳で人生初とか未経験が多すぎて困る。
てかおい、そっちも顔を赤くするんじゃねえよ。
言わせた本人がそんな顔すんなよ!
俺らの間に数秒間の沈黙が流れた。
たった数秒間だったはずだが俺にとっては1分に感じられた。
ほんとは数分間と表現するところだが、実際1分に感じたのだ。
天馬、嘘つかない。
「……よし、じゃあ行くか」
これで行かないとか言われたらもう一生立ち直れない。
あれ? こんなこと昨日も言ったな。
俺のトラウマが多すぎて息苦しい。
「う、うん」
俺は加藤さんに順に学校を説明していった。
一応最後の場所としてを案内した。
そういえば、靴箱を案内する必要はないな。
クツバコ
コテイポケ〇ン
イツモヒトガクツヲイレテクレルノヲマッテイル。
こんな感じ?
───まぁこんなもんでいいんじゃないだろうか。
「これで基本的に終わりかな」
よし、これで終われる。
心臓がこんなに長い時間MAX労働してたら高血圧になりすぎて死ぬんじゃないだろうか。
心臓労働基準法とか作った方がいいんじゃないだろうか。
と思ってたら本当に心臓が締め付けられるように痛い。
俺はそのまま部室に帰ろうとした。
「そ、そう。あのっ! ちょっと聞きたいことがあるんだけど……」
……こんな時でさえ、神は味方してくれないらしい。
どうも。こんばんは。弦間 和将です。
今回もクソだな。
そういえば、最近初めて評価と感想をいただきました。
本当にありがとうございます!
皆さんのおかげで僕のモチベーションがあがるというもんです。
これからもどんどん変なところをお教え下さい!
いや、そんな生ぬるい感じじゃなくもっとこう……
罵る感じで!
ということで、もっと感想お願いします!
本当にありがとうございます!
これからもよろしくお願いしますね!