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愛に飢えた俺と愛を振りまくメイド  作者: 読書家
凛との出会い・神王との戦い
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第二十章 同居生活六日目 昼

 今回もよろしくお願いします。

 「そういえば、私とコロンの攻撃を無効化してきた彼らの能力について教えてくれないかしら?」


 俺、コロン、リル、凛の四人で天界を進んでいる途中でリルが聞いてきた。


 そういえば、まだコロンとリルには天界の人々が使う能力について説明していないのだった。


 「凛、進みながらでいいから軽くお願いできるか?」


 「わかりました。私たちの能力は…。」


 進みながら、凛がコロンとリルに意味薙いみなぎについて説明してくれる。


 「なるほど、大体理解したわ。」


 「すごいですね。使い方によっては強力な能力です…。」


 コロンとリルが凛の説明を聞き終わる。幸い、凛が説明しながら進んでいる最中、天界の人は現れなかった。


 「さて、この道を真っ直ぐ進んで、あの階段を上った先に地上への出口があります。」


 そう言いながら凛が道の奥の方を見つめる。それにならって視線を向けると、幅の広い道の先にはそれなりに長い階段が見えた。階段の入り口には大きな鳥居も見える。そして階段の頂上を見ると、底には閉ざされた大きな門があった。


 「ふふっ、ここまで楽に来れたけど、ここからはそうも行かないみたいね。」


 リルが唐突にそう言ったので、頂上の門から自分たちの進む先に視線を戻すと、そこには白いローブを纏った男たちの姿があった。


 「むぅ…。このまま楽に帰れると思ったんですけど…。」


 そうコロンがぼやく。


 「それで?どうするんだ?突破するのか?」


 俺はコロンとリルに声をかける。


 「そうねぇ…。凛、ここ以外に出口はないんでしょう?」


 「はい。残念ながら…。」


 「そう。ならいいわ。コロン、いけるわね?」


 「もちろんです。意味薙についてわかっていれば、戦えます!」


 「雄我、凛、私たちから離れないようにね?行くわよっ!」


 「わかった!凛、行こう!」


 そう言いながら俺は凛に手を差し出す。凛はその手を強く握ってくれた。


 「侵入者がいるようですね…。いいでしょう。全員捕まってもらいますよ?」


 そう代表格の男が言いながら構えると、他の男たちも戦闘態勢にはいる。


 「認識できなければいいんでしょう?これでどうかしら?空を駆ける弾丸エア・バレット!」


 リルの魔法陣が広がり、そこから無数の空気の弾丸が飛び出していく。


 「なんですか、その魔術は?なにもないではな…ガハァッ!」


 代表格の男が自分の言葉をさえぎってうめき声をあげる。


 「なるほど、空気の弾丸は見えないもんな。認識できないわけだ。」


 「そうよ?コロンやいつかのかませ犬みたいに魔術に関わってたり、戦闘慣れしている人間ならともかく、彼らは戦闘に関してド素人。空気の弾丸なんて認識できるわけないでしょう?」


 「そういう手段もあるんですね…。リルさんはお強いです。」


 俺と凛がリルの魔術に感心する。その間にもリルの魔法によって男たちが倒れていく。


 「リルだけずるいです!私だって!」


 そう言いながらコロンが先陣を切って突っ込んでいく。


 「状態モード神速の鞭ソニック・ウィップ!」


 見ると、コロンの手には鞭のようなものが握られている。


 「そんなもの、見えていれば効きませんよ?」


 そう言いながらコロンの前に男が立ちはだかるが…。


 「疾風連突!」


 コロンが鞭を振るうと、鞭が見えなくなった。


 「なっ、馬鹿な!カハッ!」


 そして、コロンの鞭が見えるようになると、男はその場に倒れていた。


 「あれって、明らかに魔術を組み込んだ武器よね…。それにしても速いわ、私でも捉えられないもの。」


 「それってすごいのか?」


 リルの呟きに俺が問いかける。


 「そうねぇ…普通の人間じゃあ扱えないでしょうね~。あの子だからできる事だと思うわよ?」


 「お二人はお強いんですね…。本当にすごいです。」


 「本当だよな…。俺は何もできないのかな…。」


 「雄我ったら、もしかして羨ましいの?ふふっ、可愛いわね。でもやめておきなさい、戦う力なんてないほうがいいに決まってるでしょう?貴方は貴方のままでいて頂戴。」


 「そうか、ありがとな、リル。家に戻るまで頼むわ。」


 「ええ、任せなさいな。」


 「ご主人様~!私にもそういうこと言ってくださいよ~!」


 そして、俺たち4人は階段までたどり着く。


 「この階段、きつそうだな…。」


 「つべこべ言わないの。男の子でしょう?行くわよ。魔岩壁ロックデビル。」


 そして、リルが階段の前に魔方陣を出現させると、そこから高い岩の壁が出現する。


 「これなら敵は来ないでしょう。無効化するのにも時間がかかるはずだわ。なにせあれには…。」


 リルがそう言いながら階段を駆け上がり、俺と凛、コロンも後に続く。後ろをちらりと見ると、リルの作った壁から岩でできたゴーレムのようなものが出現して、敵を足止めしていた。


 「なんだあれ?ゴーレムか?」


 「そうよ~。便利でしょう?意味薙があっても、大きな魔術とかを無効化するのには時間がかかるでしょうからね。そうでしょう、凛?」


 「そうですね…お父様ならともかく、あの人たちでは時間がかかると思います。しかも、一人では不可能でしょう。ゴーレムが彼らがまとまらないよう邪魔していれば、無効化されるには時間がかかるかと。」


 「意味薙も無敵って訳じゃないんだよなぁ…。まぁ、無敵だったら困るのは俺たちだけどな。」


 「茶化してないで、さっさと行くわよ。」


 「頂上が見えてきましたよ、ご主人様。」


 そして、俺たちは階段を上りきった。そこには下から見たときに見えていた門が巨大な姿で立ちはだかっていた。階段から門までの間には少し広い広場のような空間がある。


 「ここって、すぐ開けられるの?」


 「はい、門に近づければ、すぐに出られます。」


 「よし、ゴールは目の前って訳だ。行こうぜ。俺たちの家に帰ろう!」


 「はい、行きましょう!」


 そんな会話を交わしながら、門に向かって走る。だが…。


 「まさか、彼らの意味薙を突破するとはな。まぁいい。ここで終わりだよ。」


 突然、広場に男の低い声が響く…。


 「これは…お父様!?」


 「その通りだ、凛。まさか逃げ出そうとするとはな。我は悲しいよ。」


 そして、広場に光が降り注ぎ、凛の父親…神王が姿を現したのだった…。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。次回も読んでくれると嬉しいです。

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