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大阪擬人化BL~難波×梅田~  作者: 桐生桜


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2/8

【難波×梅田】02「何も変わらん」

「すんませーん、ここって部屋探せるとこやんな?」


 カラン、とドアのベルが鳴った瞬間、その声を聞いて梅谷悠音の動きが止まった。頭では誰かの空耳やろ、と思ったけど視線を上げると、そこにいたのは……


「……は?」

「おっ、ほんまにおった! 梅谷やん!」


 緑の髪、軽そうな口調、そして変わらないあの笑顔。南春馬がカウンターに立っていた。


「……なんでお前が、ここに来んねん」

「えー、俺、引っ越ししようと思っててん。ちょっと広めで、オートロックあるとこ探しててな」

「……一人暮らしでオートロックとか、必要ないやろ」

「そやけどなー、最近ちょっと怖いことあって。あと荷物増えてん」

「ふーん」


 梅谷の頭の中に、知らん女の影がチラつく。寝起きにパンケーキ焼く系の女とか?冷蔵庫に水出しの紅茶とか作ってるタイプか?


「おーい、梅谷〜、この部屋とかどう思う?」

「あ? なんで俺に聞くねん」

「え、担当ちゃうん?」

「ちゃうわボケ。他のスタッフおるやろ」


 南は笑いながら言った。


「いや〜でも、梅谷が案内してくれたほうが安心するやん。お前、めっちゃ真面目にやってるっぽいし」


(……なんやそれ)


 真面目って、馬鹿にされたんかと思った瞬間、続けて南はこう言った。


「お前みたいなんが不動産やってるとこ、安心できるやん」


(……素直に褒めんな。心臓に悪いねん)


「……真面目で悪かったな」


 そう言って、梅谷はそっぽを向いた。その頬は、じんわり熱かった。



 数日後。休憩中にスマホを眺めながら、ふと思う。あの日のキスは、やっぱり夢みたいやった。南は、何も変わらん。こっちは仕返しや!ってイキってキスして、勝ったつもりやったのに……。


(なんやねん……。なんで、なんもなかった顔してんねん)


 少しだけ、期待してた自分がアホみたいや。でも、避けられへんかっただけで、ホッとしたんも本音で。


「……めんどくさ」


 自分の心に向かって、そう呟いた梅谷だった。


To be continued


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