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妖精と同棲

履き直して、そして水を流してトイレの部屋から出た。

廊下に出たら、外で待っていた寿さんと目が合った。


「お待たせ。ちょっと、手を洗うね」

「うん、ゆっくりして」


手を洗って乾かしたら、振り向くと、寿さんが目の前にいる。


「行こう。ベッドに」


普通にこういうセリフを聞いたら、この後エッ〇のシーンが来ると思われるよね。

でも、これには訳がある。

まずは寿さんの手を取る。


「こうして、できるだけ手を握って、魔力の質を保つ」

魔力質は回復を行わないと少量でランダム的に失うんだ。

普段、自然で済むが、今お互いに頼って回復する。

だから、同じベッドで、手をつなぎながら寝る。


最初はちょっと躊躇したけど、他のやり方はキスか、それとも本格的なエッ〇なので、軽いハンドキスや手を繋ぐことにした。

キスやエッ〇は恋人限定だから。


「どうして、契約関係にこんなにルールが多いなの」

お互いベッドの同じ端に座って、寝る前に雑談する。


「うん、あまり考えたことがないが、多分お互いが必要な関係にするためかな。お互いが必要だから、お互いに尊重しないといけない。こうしたら、一方的になりかねる」


「そうみたいね。でも、スキンシップが苦手だったら、どうなる」


「おそらく、戦士系の契約を結べなくなって、奴隷系になると思う。可愛いヒルガルさんを見たら、大切にして幸せにしたいなと思って、戦士系にしたんだ。そもそも、人の笑顔が好きだから、奴隷系より戦士系の方がいい」


って、可愛いと思ってくれているの。

そう見られてくれて嬉しい。


「寿さんも可愛いから、私だったら同じく大切に幸せにしたいと思う」


「ありがとうね、そう思ってくれて」

そう言って、寿さんが私の頭をナデナデしてくる。


なんか、頭ナデナデされたのは親以外に、誰もやったことがなかった。

親以外の人にされて、なんか体がぞくぞくする。


「あ、もしかして、嫌だった」

寿さんが手が離れた。


「あ、いや、こういうのが初めてなので、ちょっと緊張だね」


「実は私も初めてなんだ。でも、ヒルガルさんが優しくて可愛いから、緊張感が解けた」


「なんか、色々と奪って本当に申し訳ない」


「そんな、私全然怒ってないよ。むしろ、こうなってくれてありがたいよ」


「うん?」


「もしかして、妖精の魔法のことを聞いたことがないの」


「妖精は魔力が多いじゃないの」


「それはそうだけど、私たちの魔力は量が流失せずに抽出できるんだ。主に髪で集めて、魔力武器には最も求められている素材なんだ。まあ、おかげで私たちが美容院に行く時、無料でサービスしてくれるよね。でも、待ちたくない人が私たちが寝ている隙に髪を切るんだ。だから、一人で旅館に泊まらない」

これは多分ゲームの設定だね。


「へええ、そういうことがあるんだ。だから、目覚めた時、そんな反応したか」


「うん、禿げになった妖精がいると聞いたから、つい反応してしまった.......ほしい私の髪」


金を儲けたい人はいないと思うが、イソップ寓話の金の卵を産む鵞鳥のように、利益を急ぐために、人を傷つけるなんてあまりにもひどい。

髪は女の子の命。

「私は寿さんの今の髪型が好きだから、そのままでいい」


「優しい。ヒルガルさんでよかった。ハンドキスだけでとても幸せ」

彼女の思いを聞いて、罪悪感が少し和らいだ気がする。


「わ、私も、心が落ち着く、同じく幸せ」

このような気持ち、前世に一度も感じたこともなかった。

これをもっと感じたいのかも。

そして、彼女でよかった。

でも、すべては婚約を回避するためであることを忘れてはならない。

今、良好そうな関係に見えるけど、後になにが起こるか分からないから、できるだけ役に立って、この契約関係を維持する。

うう、なんか考えるだけで疲れる。

体が変な感じがする。


「もう一度、する」

寿さんは真っ赤になった。


「う、うん」


左手で、私の右手を唇に近づけて、同時にもう片方の手を私に差し伸べた。


「一緒にする方がいいかも」


「あ、はい」

寿さんの手を取って、同時にお互いの唇が重なった。

寿さんの吐息を肌から感じられ、キスが段々手首のところに移る。

そうしたら、いつの間にか腕のところまでキスしていて、なんか抱かれているみたい。頭がぼうっとしていて、体も溶けそうな感じだけど、なんかただひたすらこの人を大切にしたい思いしかない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


八時間後


うう、なんか日差しを感じている。

昨日、いつの間にか寝ていただろう。


目を徐々に開けて、普段見る天井、壁ではない。

待て、これ布、パジャマ、いや肌。


体が動こうとすると、なんか縛られているみたいで、うまく動けなさそう。

目の前を見ると、寿さんの顔が目に入った。


待て、回りを見て、彼女の手が私の背中に巻いていることが見え、自分の手も彼女の背中にいる。

彼女に抱かれている。

いや、抱き合いながら、寝ていた。


「う、あ、おはよう」

彼女も目覚めた。

もしくは、私が起こした方が正しい。


「えっと、その」


「あ、ごめん、今解放するね」

解放してくれた。


「すみません。寝相が悪くて」


「ううん、気にしない気にしない。昨晩のヒルガルさんとても可愛かったよ」


「か、可愛いの」


「えっとね、ベットで眠っていた時、急に抱いてほしいって寝言していて、抱いたら止めた」

寝言、私寝言をするの。

記憶はない、いやないのが当たり前だろう。


「その、もしかして、普段ぬいぐるみを抱きながら寝るの」

へ、それは可愛いものがすきだから、抱くと居心地だから。

なんか、子供みたいで恥ずかしい。


「あ、はい。へ、どうやってわかるの」


「部屋の隅っこにたくさん置いてあるから、そのためだったかなと思って」

それは普段ベットで一緒に寝る私の気に入っているぬいぐるみたちなんだ。

キスのことを集中し過ぎて、抱く必要なことをすっかり忘れた


「実は私もそうなの。可愛いものを抱かないと眠れないよ。だから、おかげで初めておうち以外のところでよく眠った」


「あ、ど、どういたしまして」

なんか、そっちも同じくてよかった。

待って、抱くシチュエーションによだれが出ることが多い。

よだれを垂らしてないよね。

って、顔が寝込んだところをチラッと見て、襟のところの色がちょっと濃くなった。


「パジャマが、汚れちゃった。早く洗わないと」


「あ、これか。ちょっと恥ずかしいが、ルガルさん眠りについた後、一時眠れなくて、暑くて汗をかいた」

なんか、涎ではなくてよかった。

どうやって眠りについたかよく覚えていないが、キスの最中に寝たようだ。

でも、眠れない彼女は可哀想だと思う。


「そうなのか。じゃあ、これから私のぬいぐるみを抱いてどう」


「あ、それはいいね。ごめんね勝手に抱いて。でも、ぬいぐるみを抱いたら、手を繋ぎにくいじゃない」


「べ、別に抱かれたくないじゃなくて、ぬいぐるみのほうがいいかなと思って」


「そ、そんな発想は一ミリもないよ。両方もいいよ」

寿さんの顔が真っ赤になった。


「ああううう」

なんか、誤解した感じがする。


「とりあえず、支度をしよう」


私たちは手を繋がって、まずトイレのところに行く。


「ヒルガルさんの今日の予定は」


「うん、予定が入っていないので、大体暇よね」

まあ、もともとギルドで仕事だけど、契約戦士に集中するために、しばらく離れることになった。


「そうなんだ。初めて会った時、制服を着ていたようで、てっきり学校とかあると思った」


「この町の学校は十二歳までで終わるんだ。そして、それはギルドの制服」


「じゃあ、小学校までよね」


「うん、それ以来、お家で本で勉強している。でも、一応中学があるけど、魔法が下手で受けられなかったんだ」


「そうか。じゃあ、普段ギルドで仕事をしているのか」


「はい、しばらく離れて、寿さんをサポートすることになった。戦士として、冒険の経験を得られて嬉しいよ」


「やはり、迷惑をかけてしまったね。でも、そう思ってくれてありがとう。ヒルガルさんは冒険が好きなの」


「うーん、そう考えたことがなかったね。戦いたいという気持ちがなく、やらないといけない気持ちもないね」


「なんか面白い答えね」

彼女は温かい笑顔を見せた。

歯磨きなどが終わって、着替えをする。


「今日、何する?」


「これから、ここに住むから、まず日用品を買いたいよね」


「じゃあ、外出ね。この服でいい」


押入れから、トップスとスカートを取り出した。


「えっと、体操服だけでいいよ」


「体操服が、前の学校のしかないので、サイズが多分」


「あ、そうだね。じゃあ、これでいい」


「もしかして、スカートが苦手?」


「いえ、いえ、綺麗だから、借りていいかなと思って」


「私は気にしてないよ。そもそも、運動用の服を持ってないし」


「じゃあ、せっかくだし、ヒルガルさんの分も買おうか」


「そこまでしなくても」


「この後、魔法の訓練のためだから」

本当に魔法を教えてくれるのか。


「じゃ、買おうか」


着替えたら、ついでに彼女のパジャマを洗濯籠に入れた。

朝ご飯を済ませたら、玄関に靴を履く。

今更だけど、彼女の靴がローファーなんだ。


「ヒルガルさん、行く前に、ちょっとだけ」


「あ、そうだな」


お互いに向き合って、またハンドキスを行った。


しばらくしたら私はバッグを持って彼女と一緒に外に出た。



「よう、二人とも、おはよう」

ドアの向こうに、光のボールが待っていた。


「おはよう」


「ふうこさん、おはようございます」


「敬語はいいよ。それで、はるかはエリに説明したの。私たちの任務」


「いえ、買い物で話そうと思って」


「じゃあ、説明は私がしてもいいのか」

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