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サンデー・ブルース 3年D組の団結力  作者: 中村千歳
第3章 3年D組の選挙に、協力の文字はない
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第3章-4

【9月10日 月曜日 高木すみれ】


 月曜日2限はHR。さくら高校では知らない人はいない。……いや、不登校の人とかいたら、もしかしたら知らないかもしれないけど。

「高木さん、生徒会選挙出るんだって?」

 教室に入るや否や、後ろの席の千葉くんから声を掛けられる。

「選挙に出るんじゃなくて、推薦人なんだけど……」

「だって、コミュ障の高木さんが推薦人だろ?選挙出るのと同じぐらい大変じゃねーか」

「コミュ障って言うな!」

 何回でも言うよ。そんなこと言ったら、本当のコミュ障に失礼だよ。D組にはいないけど。


「高木さんが推薦人?」

「マジ?誰の?」

「1年の津川さんだって」

「津川ってソフト部の?」

「高木と津川って仲良かったのか……」

 なんか、増えた。私が推薦人やるのって、そんなにおかしいのかな?


「すみれちゃん、信頼されてるんだよ」

 えっと……喋れないのに、信頼されてる?

「すみれちゃんってさ、確かに喋れなくてコミュ障だけど、」

「コミュ障って言うな」

「でも、やるときはしっかりやってくれるよね」


 やるときは、しっかりやる。

 香織に言われて、思い出した。

 中学の卒業文集に、「やるべきことをしっかりできるような大人になりたい」と書いたのを。

「この間、文化祭の試作会あったでしょ?」

 試作会とは、すべての調理団体が参加し、材料や作り方、安全に調理できるかを確認する会である。

 フランクフルトで出店する3年D組は、私と香織、それに井上さんの3人で参加した。

「すみれちゃんがいなかったら、私、作り方分からなかったよ」

「私も、高木さんがいなかったら、10本くらい焦がしてたと思う」

 その試作会の時、リーダーシップを発揮したのは、私だった。作り方や盛り付け方を教えたり、エプロンを着けるのを手伝ったり、……他にも色々やった。

「すみれちゃんって、意外とそういう能力あるんだよね。リーダーシップっていうか」

 リーダーシップか……。

 今まで考えたこともなかったけど、こういうの、意外と好きかもしれないな……。

「文化祭も、よろしくね」

 さくら高校文化祭、3年D組代表生徒。この役職を選んだのは、他ならぬ自分。

「よろしくお願いします!」

 やるべきことは、しっかりやる。理想の大人に近づくための、第一歩。

 気合い入れて、頑張ります!

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