ログ#14「デート」
交際、逢瀬、逢引も違う。
なのでカタカナ三文字の特例の変則ルール破りを発動しました。
ちょっと長いです。
あと注意※※※センシティブ※※※です。
ご注意下さい!!!
R15の奴です、気をつけて下ちい!!
センシティブですからね!
大事なので2回言いました。
「ヴァイス!!!
あの男ぉーーー許さんぞぉ!!!
村から追い出してやるぅぅぅぅぅう!!
いいや違う!
殺してやる
奴の頭蓋を漬けた酒を飲み干してやる!!!」
壁を殴り血を滴らせているのはサギソーウ。
目は血走り立って歯をギリギリとさせ今にも血管という血管がキレそうな程に怒りを露わにしていた。
◇◇◇
「なんだ!!??
なんなのだ!!
あのハチャメチャはぁ!!??
何が起こったんだ!」
「そう騒ぐな。
怒っても何も変わらんだろう。
それよりもサギの奴だ」
「サギの小僧め!
失敗しおって」
「そうか?
そうでもないだろう。
ある程度予想は付いた」
「むしろだ!
恥をかかされたんだ、今頃怒り狂っているだろうさ。
もっと煽ってやれ」
「っと言うと?」
「サギは潮時だ。
自滅に追い込む!」
「これはまた!?」
「あのヴァイスとか言う小僧を仲間に引入れても面白いじゃないかね」
彼らの悪巧みは続く。
◇◇◇
あれから数日、ヴァイスはグロウ族の一員として暮らしていた。
住人との関係は良好でスミリから離れられないため殆どを一緒に過ごしているが自警団達と隠れ里周囲の警護に同行したり村の戦士達の訓練に付き合ったりしていたりの日々の喧騒にあって緩やかな、ある日にスミリが勢いよく立ち上がる。
「ヴァイス!
遠出するぞ!!
のんびりするのは飽きた!」
「いきなりどうしたよ?」
ゴンズイが応えるが直ぐに殴られる。
「ぐへぇ!?」
「私はヴァイスに言ってるんだ!!」
スミリがプンスカと可愛く怒るがやってる事は可愛くない。
「それでも殴るこたぁ〜ねぇ〜だろが!」
「うん?
別にいいが」
「良くねぇ〜よ!
殴られた本人がこう抗議してだから聞けよ!」
「うるさーーーい!!
私はヴァイスとお出かけしたいんだ!!!
なっ、なっ、なっ!
どうだ?山登りでもしないか!!」
「山登りっ!?」
それまで沈黙していたヴァイスが驚く。
「はい、競争ね」
「競争だとッ!?」
「お待ちなさい!!」
「ユーリ、どした?」
「スミリ!!
ヴァイスさんと御デートしたいのですね」
「そ、そうだけど?」
「ならば私は何も言いません。
ですが御粧しは為さらないといけませんわ。
………デートなのですから!」
最後は小声でスミリに言うと顔を赤くして頷いた。
「ではヴァイスさん。
少しスミリを預かりますわね。
別にスミリは貴方のモノでは有りませんけど!!!」
「………あぁ」
◇◇◇
ユーリの手によりドレスを着飾り、メイクをして髪を整えられたスミリだったのだがユーリは知らなかったスミリがしたかったデートが山中を駆け回り土や泥に塗れるなんて事を。
最初こそヴァイスも 〝これで上品な女性に見えるな〟 〝なんだと!?私は元から女性で妖艶なレディだ!〟 とバカやっていたがスミリがドレスを着たままで山に繰り出し道なき道や山道でレースを始めたのには度肝を抜かれた。
「これ、怒られんの俺なんだろうな」
「ん、なんだ?
ってこれにも付いて来れるのか!?
ならもっとスピード出すぞ!」
速度を上げると宙を舞っていた木の葉が身体に当たって落ちない。
それを手に取り捨てる。
平地ではないデコボコしている山道や木々を避けて跳んで駆けてゆく。
「パルクールを地でやってるドレスの女か……。
或いはサルだな」
「おっ!
この香草探してたんだよ!」
地を這うようにスレスレを走り草花の中から見つけた香草を掴んで止まらずに掴み取ると懐にしまう。
蔦を手に飛んでいるとヴァイスが追い抜く。そして頭上にあるリンゴに似たフルーツを、もぎ取ると一口かじってヴァイスに投げた。
「なにぃ!?
でもヴァイスが先導するのか?
何処に向かってるかも知らないのにぃ〜?」
「ちぃ、何処に行く気だ。
美味いなコレ!?」
「だろ〜う?」
追いかけっこは続く。
だがスミリの体力のバケモノレベルにヴァイスは少し引く。
野生児とはこの事かと納得し改造している自分でもやっとの身体能力に素直に感心していた。
「おっ、あそこが目的地♪」
「湯気?
温泉か……?」
「正解だ!
ヴァイスと会う数日前に見つけてな。
また来たいと思ってたんだ。
どうだ?ヴァイスと入ろうな!!」
「冗談言うな。
一緒に入るかよ。
なんだっけか?魔獣の警戒に1人はいるだろが!!」
ヴァイスは2人で入りたくない余り嘘を付いた。
銀河の技術やヴァイス本人の技能等で周辺の生命反応は簡単に把握出来る。
それをスミリは何となくだが知っている。
「へ〜〜
私と入りたくないのか。
………置いて帰ろうかな〜〜」
「あいにく黙って置いてかれるようなタマじゃないんだがな」
「どうだろうな?」
暫し、睨み合う時間が流れる。
そして見つめ合っているだけの事実に気付きヴァイスが先に目を逸らす。
「勝ったーーー!!
勝ちました、なので入るの決定です!」
「けっ、」
悪態のままに渋々と従ったヴァイスが目にしたのは…………。
「ウーン、ぬるま湯〜」
「足湯かよ!!」
「何を想像してたんだ!
このスケベめ!
エッチめ!」
「うるせー!」
ヴァイスの否定する声が山彦した。
水をスミリが、ちょっかいから掛け合いっ子に発展したり空腹だと言い出したスミリにヴァイスは 〝なんで用意してねぇーんだよ〟 と愚痴りながらも魔道具だと誤魔化して食事を出したり、森の動物達と長閑な日向ぼっこをして帰りには疲れ切ったスミリを、おんぶしてヴァイスは村に帰っていた。
その同時刻、同じ山中に招かれざる客が1人、彷徨い歩いていた。
「糞ぉ!
どこなんだ此処は!?
奴らめぇ、容赦なく撃ちやがって!!
今度会ったら容赦しねぇ〜ぞ!!」
男は犯罪者だった。
目は鋭く血に飢えた野犬のようで痩せ細り何かに怯えているようでさえある。
清潔とは程遠い長髪のせいで暗い印象を与え、腹だけは酒のせいでデップリと前に出ていて手足は長く猫背のせいで腕は地面に当たりそうになっている。
数年前、男は都市で通り魔的に襲い掛かり通行人を斬りつけては逃げて笑っていた。
軽く斬りつけては愉快犯を演じて遊び仲間内で盛り上がっていただけだった。
だが仲間の家族に通報され本当の愉快犯として犯罪者の烙印を押される前に逃走した。
そして悲劇は続いた。
逃げた自宅で彼女と友人の1人が不貞の一部始終を目撃してしまい激情に任せて友人を殺害。
町から逃げるも身を潜める内に別の町、別の街で男女が2人歩いていたりカップルや夫婦を見ると怒りで襲い殺すようになっていたからだ。
身から出た錆、若気のイタリアだが、それらを繰り返していた内に本当の犯罪者となり裏の世界で生きるようになっていた。
そして数日前、ミスを犯し犯行中の現場を抑えられ捕まりそうになるも何とか逃れる、が怪我を負いながら森の奥に逃げたはいいが迷っていた。
「この匂い。
男と女だ!
ううううううう!!
我慢出来ない。
殺してやる。
殺さなかれば!!!
うわーーーーーーーーーー!!!
ひゃひゃひゃひゃひゃーーーー!
うおっほう!」
何かに変貌したように間抜けに走り出した男は一直線にヴァイス達の方へと向かった。
◇◇◇
「ん、この速度は人か?
ライブ映像出してくれ。
……人だな。
なんだこれは?
なんで叫びながら走ってんだ。
……ん?
まさかコッチに来てないか!?」
「うがーーハッハッハハハハハハハ!
うほうほうほ、がっはは!
いやっぽう!!
だはーーーーー!!」
大木に手を回してブレーキ代わりに止まると壊れた感情を爆発させて笑う。
手にはナイフ。
自作のピエロの覆面を被りナイフをジャグリングする。
口調も性格も違う人格の異なる男は笑いを止めない。
「殺してヤルっ……ぜ!!
ばはははははは!!」
血の垂れる傷もお構いなしに今そこにある衝動に身を任せて襲い掛かる。
「殺したい!!
殺すっんだ!
殺さなきゃーーーーーーーーーー!!!」
ぶつくさと独り言のように同じ言葉を繰り返し唱えては奇声を上げる。
スミリを抱えているヴァイスに斬りかかるも、その全てを身軽に交わされ苛立ちが目立つようになる。
小声から大声に変わりナイフを投げ出す。
「殺したいんだ!!
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!
殺すんだ!」
「はぁ、魔法の反応なし。
興味ないな」
足蹴にされ転けるピエロ。
「痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。
殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さ!!」
持っていたナイフを全て地に捨てると別のナイフを取り出す。
鞘を抜き捨てると刀身が妖しく光り魔法陣がピエロを艶かしく照らす。
「そういうのフラグって言うんだぞ♡」
「起きてたのか」
「あんなに煩くて寝てる女だと思うか?」
「知らん」
「う、もう。
意地悪め!
んーーー寝起きのスッキリに私が退治してやる。
どうせ帝国からやってきた悪者だろ?
人の血の匂いが染み付いてるしな!
違うか?」
「女……、女と男!!
男と女だ!!!!
キヒヒヒヒヒ!
キヒャヒャヒャヒャヒャ!
アハハハハハハハハハ!!
殺したい殺す殺す殺す!
殺さなきゃ?殺さなきゃ!!
殺したい!殺したい?」
颯爽と駆け出したスミリだったがピエロの狂気じみた姿に気圧されたのか初動が遅れる。
突出した剣の魔法発動の対応が遅れてしまい避けられてしまう。
それでも魔法なしの剣撃でピエロに血を吹かせる。
血液は飛び散るも怯む事なくピエロはスミリに尚、向かって来る。
その隙を突かれピエロに剣を叩き落とされ捕まってしまう。
抱き寄せられ魔法のナイフを向けられ動けなくなる。
「すまないヴァイス。」
「いい、気にするな」
「ヴァ〜イスっ?
ヴァイス!!
動くなよ!!
キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!
動いたら殺す!
切るからなぁ〜!」
ピエロの目線はヴァイスに無く、スミリにも無い。
空を見ていて顔もヴァイスに向いていない。
喋りも抑揚の位置が可怪しくわざとやってる節さえある。
チグハグでまるで誰かに操られているかのようで突拍子も無く魔法発動の兆候が表れる。
刀身が光り魔法陣がピエロの前に現れる。
不気味な色合いは森の陰と相まって恐怖を倍増させた。
「死ぬよ?
死んでね!
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね?
死ねるよ!し──」
ドカーン!!
ピエロの頭部が爆発して飛び散る。
スイカや風船のようにパーンと弾けて至近距離で紅い紅い液体に塗れた突然の出来事にスミリはヴァイスに困惑しながら、ゆっくりと駆け寄り抱きしめる。
一様それに付き合うヴァイスだが次の瞬間、腹を殴られていた。
「ん!
血、血ぃ!
………血まみれだけどな?」
本気のトーンと本気の顔にヴァイスは始めてスミリに恐怖を覚える。
気迫にヴァイスは憎まれ口も挟めず素直に出た言葉は謝罪だった。
「わ、悪い。」
「はぁ!?」
始めて出会った時のように親しみさの無かったされどタメ口でヴァイスを詰めるスミリの顔は表面は赤く濡れていたが黒い怒りに満ちている。
「すみません」
頭から血を浴びたスミリを川で血を洗うために案内する。
道中、会話は無くスミリはヴァイスの背を常に抓っていたという。
タイトルからは掛け離れた事件に動揺を隠せません。
センシティブ、まだ続く。




