↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死の理由―推理編―  作者: 明日香狂香
PR
1/11

検問場所

 霊《れい》は便利《べんり》だ。電車《でんしゃ》もバスも乗《の》り放題《ほうだい》。時《とき》には、タクシーの相乗《あいのり》りも自由《じゆう》。

 武志《たけし》は事故《じこ》を起《お》こした当日《とうじつ》に引《ひ》っかかった検問《けんもん》の場所《ばしょ》へ移動《いどう》した。高速《こうそく》の入《い》り口《ぐち》にほど近《ちか》い交差点《こうさてん》。師走《しわす》の飲酒運転取《いんしゅうんてんと》り締《し》まりだった。

 その日《ひ》は、武志《たけし》と将史《まさし》の父親《ちちおや》の還暦《かんれき》の誕生日《たんじょうび》だった。兄《あに》、将史《まさし》が手配《てはい》した料亭《りょうてい》で武志《たけし》と母親《ははおや》を加《くわ》えた4人《にん》で祝《いわ》った。料亭《りょうてい》ともなれば、まだ子供《こども》の甥《おい》は連《つ》れてくるわけにもいかず、結果《けっか》、将史《まさし》の嫁《よめ》も欠席《けっせき》だった。父親《ちちおや》も将史《まさし》も二人《ふたり》だけで話《はな》したいこともあったようだ。

 父親《ちちおや》は一代《いちだい》で今《いま》の地位《ちい》を築《きず》いた。最近《さいきん》の金価格《きんかかく》の高騰《こうとう》で、買取《かいと》り屋《や》の父《ちち》はかなり儲《もう》けた。将史《まさし》は父親《おやじ》の跡継《あとつ》ぎとして、出張買取《しゅっちょうかいと》りに飛《と》び回《まわ》っている。工事《こうじ》や検問《けんもん》など、渋滞《じゅうたい》になりそうな所《ところ》は十分知《じゅうびぶんし》っているはずだ。保険《ほけん》の事務計算《じむけいさん》などを代行《だいこう》する会社《かいしゃ》の、電話番程度《でんわばんていど》の仕事《しごと》しかしていなかった武志《たけし》とは違《ちが》う。

 父親《ちちおや》は還暦《かんれき》を向《む》かえ、そろそろ隠居《いんきょ》を考《かんが》えていた。豪華客船《ごうかきゃくせん》での旅《たび》にでるのが夢《ゆめ》だった。将史《まさし》がちょくちょく売《う》り上《あ》げをごまかして、ギャンブルに使《つか》っていることは、武志《たけし》も父親《ちちおや》も知《し》っていた。父親《ちちおや》は若《わか》いころ、ギャンブル好《ず》きの知人《ちじん》の連帯保証人《れんたいほしょうにん》になって苦労《くろう》していた。「取《と》り締《し》まり場所《ばしょ》に詳《くわ》しい兄《あに》が検問《けんもん》に引《ひ》っかかるなんて不自然《ふしぜん》だ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。