第37魚 12月29日~12月31日①
2話目です。
また誤字脱字数多くあると思いますがよろしくお願いします
次話予定は明日7日9時~12の間を予定しております。
9時00分
いつもどおりフラグメントへログインしたヒロはログインとほぼ同時にクラウドに呼び出され渋々ながら待ち合わせ場所に向った。そこにはクラウドをはじめとした数人の顔見知りがいた。
『おうヒロ!朝から悪いな。今日呼び出したのは先日打診した件についてなんだが都合の良い時間は無いか?』
クラウドの言う先日の件とは攻略組の提供した新マップの情報とそこに存在する水場の内部調査である。攻略組といえど水中探索スキルは充実していないようで地上フィールドについての情報はしっかりあげられているが水中エリア関連は真っ白だったのだ。
「まあ今日明日中で半日くらいなら問題ないぞ。…それにしてもマジお前ら脳筋っぽいな」
ヒロがそう言った相手は昨日のお昼に勉強会をしたメンツ達だ。
クラウドのパーティは男3女1で構成されていて後二人程メンバーに余裕がある。
坂上志保はヒューマン女性で名前はシホ。大きな剣をもつ戦士型職業。
三田祐二は犬の獣人で地上での索敵、隠密要員で名前はミケランジェロ。犬なのに通称ミケだそうだ。
湧井達也は悪魔で名前は閣下。攻撃魔法2種と剣を使うクラウドと同じく魔法剣士型の様だ。
「ホントに見事に回復スキルや補助スキル持ちがいないんだな。今は良くても後で絶対困ると思うぞ?」
クラウドたちは当然ヒロに言われるまでもなくパーティの欠点に気づいていたが自分たちのうちの誰かが路線変更しなくても新しく入ってくれる人に求めれば良いやとのんびり構えているのだ。
『いいのよ。私達はこういう感じで楽しんでいるんだから。他の人たちみたいにストーリーを絶対進めたいって言う思いも無くて私達が強くなりたいだけだからね。むしろこのまま回復スキルも無いまま進んでプレイヤースキルを鍛えるのも良いかもって話が出るくらいだし?』
…シホが何やらほざいているが力押しだけで進めるほど最近のゲームは甘くないはずなのだがな。
まあこいつらがそれで良いなら俺がどうこう言うことは無いだろう。
『まあシホが言ってることもわかるが俺たちも今のままで良いとは思って無いよ?だからできるだけ可及的速やかに且つサービス開始して間もないうちにメンバーを揃えたいと思ってる』
『だな。クラウドがなにか画策しているようだしそこまで心配はして無いけどね』
ミケや閣下が口々に感想を述べる。その後クラウドが話を再開するまでの間学校でするようないつもの会話の流れとなった。
クラウドから詳しい話を聞き明日30日の朝から夕方まで探索をすることが決まり今日に関してはここで解散となった。クラウドたちはこの後攻略組の出した情報で効率の良さそうな狩場でスキルレベル上げを行うそうだ。
10時00分
「思ったより時間があるな。昨日途中で切り上げたスキルの育成でもするかね」
ヒロは回復アイテムの補充を済ませ南フィールドへ向うと育成したいスキルをメイン枠に移動させる。
【中級水魔法】を使用して【波乗り】の育成、浮いてる間に襲ってくるモンスターを【槍】と【音魔法】で迎撃する。
【地形調査】も忘れず使用しダゴンの時のような突然現れる謎物体が無いかきっちり調べておいた。
そして12時になり【波乗り】がLV17に【音魔法】がLV20になったとき今までの派生条件などを考慮し
スキルリストを開いてみたところ漸く念願のスキルが発生していることに気づいた。
【ソナー】:海中に向けて使用する専用探索スキル。自分を中心に海中にいる敵対モンスター、NPCキャラ、採取ポイントなどを見つけることができる。スキルレベルによって把握できるようになる範囲が大きくなり詳細まで判別できるようになる。
※スキル取得条件①【音魔法】・【地形調査】・【方位知覚】・【水魔法】がそれぞれ20LV必要。
※スキル取得条件②海底での探索や戦闘を累計50時間以上していること。
なお、取得条件①にはまだ別の構成があるらしくヒロが分かったのは
①【音魔法】と【地脈魔法】、【水魔法(中級以上)】というのもあった。【音魔法】と【地脈魔法】は20LVが条件だ。まあこっちの条件のほうが厳しいな。全部派生もしくは上位スキルだし。
その代わりこちらで取得すれば初期から【ソナーLV5】であるらしい。
…弱いので習得して熟練度をあげるほうが楽な気もするけどな。ドッチを選ぶかはスキル構成次第ってことだな。
それはともかくとしてだ
「と、とうとう出現したな。【ソナー】のスキル!感無量だな。…よし早速スキル習得しよう」
すぐさまスキルを習得した【ソナー】をメイン枠へ移動。しかしここでおかしい事に気づく。
習得したら消えるはずのスキルの幾つかが消えていないのだ。
まず消えたスキルだが【地形調査】と【方位知覚】で消えなかったのが【音魔法】と【中級水魔法】だ。
どうやらスキルの派生条件で消えるのは下位(基礎)スキルだけで、派生で取得したスキルと
中級以上のスキルの組み合わせの取得条件で無い限り上位スキルは消費されないということだった。
何が言いたいかというと【音魔法】は風魔法と気配察知で派生したスキルのため消費されない。
【中級水魔法】は下位スキルが混じった派生条件だった為今回は消費されなかったということである。
【ソナー】=音魔法(派生中級)+【地形調査】(下位スキル)・【方位知覚】(下位スキル)・【水魔法】(ヒロの場合中級水魔法のため)下位スキルの二つだけが消費された。
例 《ある上級スキル=中級属性魔法+中級探索スキル+中級武器スキル+派生中級スキル》
これが上の様に全て派生もしくは上位スキルを求められたスキルの取得だった場合は消費される。
「結構ややこしいんだな」
ヒロはヘルプ項目を見ながら呟いた。しかしこれでスキル枠にまた空きができたので何かを覚えようか考えているとハヅキとフィルさんからメッセージが飛んできていた。
二人の用件は同じで装備が早くできたから取りに来て欲しいとの事である。
もちろんヒロはすぐに取りにいくことにして南フィールドから出てテアトル→アーリルと移動したのだった。
ヒロはまずフィルのところへ向い防具の受け取りを済ませることにした。
…どうしてかって?そんなこたぁ言うまでも無いだろうが?何が悲しくて美少女を見た後にオカマを見なくちゃならん?どうせ見なくちゃならぬのなら、オカマを見て気分が萎えた後で美少女を見るほうが良いに決まってるだろ?まさかとは思うがオカマの方を後に見たいというツワモノ(キワモノ)?がいるのか?
いや、別にそんな人を貶してる訳じゃないぞ?人の好みはそれぞれからな。
『あ~らぁ、受け取りの約束は夕方なのにもうきてくれたのねぇ~。そんなに私に会いたかったのかしらぁ…もぅ冗談よぉ~。知らせたとおり装備ができているわよ。
他の依頼もあったから早く切り上げる予定だったのだけどヒロちゃんの持ってきてくれた素材が良かったからついつい夢中になってね。気がついたら効果つき装備になってたのよぉ』
そういってフィルさんがトレードウィンドウに出したのは俺が着ているようなウェットスーツのようだが性能が比べ物にならなかった。
鮫革のウェットスーツ:鮫肌といわれるサメの硬くざらざらした部分を生かし攻撃対象に反撃ダメージを与えることができる。
効果:被ダメージ時相手に反射ダメージを与える(小)・水中での行動力補正(中)
今のスーツより水中行動補正がつく上に反撃ダメージまであるとか凄いな。早速装備を変更し
今まで使っていたウェットスーツはNPCに売却することにした。
『あら?それだけじゃないわよぉ?』
なんとフィルさんは頭の装備まで作ってくれていた。サメ革とカニの甲殻を使いハチガネっぽいものを作ってくれたのだ。
水棲の額当て:海中の強いモンスターの素材をふんだんに使用し計算に計算を重ねて作られた高性能な額当て。 効果:物理ダメージ軽減・水中行動補正(小)・精神力+40
これもまたすばらしいものを用意してくれたものだ。間に合わせで装備しているバンダナよりはるかに高性能だ。
「フィルさん。あざっす!頼んだのは体装備だけだったのに頭の装備まで作ってもらって」
『きにしないでいいのよぉ。素材があまったから作ってみただけなんだし。使用した感想を聞かせてくれれば良いわ。いいものを作るにはまずたくさんの意見を聞かないといけないからねぇ』
「分かった。効果自体が良いから不満を言うことは無いだろうけど数日使ったら感想を言わせて貰うことにするぜ」
ヒロはそう言いフィルに挨拶をして露店を離れた。さぁつぎはハヅキの露店だな!
どんな槍ができたのか楽しみで仕方ないな。
『ヒロさん!お待ちしてました』
ヒロが露店に着くなりハヅキが飛び出してきたのだ。いつもならこんな風に飛び出したりはしてこないのだが。
「ちぃっすー。ハヅキ。俺の武器ができたんだよな?」
『はい。できたはできたのですけども……』
様子がやはりおかしいがとりあえず武器を見せてもらうことにしたのだ。
『こちらなんですけども、昨日言ったように霊核だけだとちょっと不安だったので昨日いただいた素材で仕上げをしたら大変なことになっちゃいまして…』
おずおずとハヅキが差し出したのはトライデントといわれるタイプの槍だった。そしてその性能を見た俺は絶句する事になるのだ。
トリプルホーントライデント:丈夫な木材で柄の部分を、銀に霊核を馴染ませたインゴットで穂先部分を作り組み合わせた三叉の槍。ベース部分だけでも十分な攻撃力を持つが作者の意味不明な感性により深海石と霊核を組み合わせて作られた深海砥石で丁寧に磨き、サメの肝臓から抽出された上質のサメ油を塗りこむことで更に意味不明な能力が発現してしまったいわくつきの槍。
効果:基本攻撃力+55、水中での攻撃時攻撃力+10、強者との戦闘時攻撃力+20、1対多数での戦闘時攻撃力+20、槍のアーツの威力+5%上昇。
「作者の意味不明な感性……ね?」
『あのーヒロさん!最初に突っ込むところはそこじゃないですよ!』
…だってさ、まさかハヅキの作った装備の説明文にこんな驚きの文章があるなんて夢にも思わんかったしな。まあ俺にとっちゃ、ハヅキが作ったものに対して不満を言うこともないのだからハヅキの望む回答をすることは無いだろう。
『ヒロさん。どうして何も言ってくれないんですか…シクシク』
「ハヅキ。嘘泣きはよく無いな。後俺はハヅキがやったことは事実として受け止めるから性能に関していうことは何も無い。むしろ俺専用といっても過言じゃない装備だから感謝してるぜ。ありがとう!」
『なにか腑に落ちません。けども、どういたしまして。…後この装備の効果については他の人には内緒にしていただけると嬉しいです』
「効果というかやっぱ意味不明な感性ってところを特に?」
『うぅ、ヒロさんが意地悪です!こんな意地悪なヒロさんは嫌いですぅ~』
そういって露店の奥へ逃げていったハヅキを見送るヒロ。
「意地悪じゃなかったら嫌いじゃないのか?でもハヅキをこういう風にいじるのも好きなんだよなぁ」
とそんな事を言うヒロがいたとか。
その後メッセージ機能を使ってハヅキに謝罪?をしたところで13時を回った為一旦ログアウトすることにした。
ステータス
名前 ヒロ
性別 男
種族 トリトーン(魚神の僕)
体力 520(150+170+200)
精神力 480(80+160+40+200)
攻撃力 230((55+60)x2倍)
装備
武器:サハギンの槍→トリプルホーントライデント
頭:水牛のバンダナ→水棲の額当て
体:ウェットスーツ→鮫革のウェットスーツ
足:ヒレ(着脱不可)
アクセサリ1:ウロコのブーストリング
アクセサリ2:フェスティバルリング
(武)中級槍技能LV21→LV22
(魔)中級水魔法LV23→LV24
(技)水泳 LV42
(技)水中呼吸 LV42
(技)潜水 LV38
(技)看破 LV20
(技)同化(水)LV38
(技)地形調査 LV22と方位知覚は派生スキル【ソナー】取得により削除
(魔)音魔法 LV17→LV20
(技)採取 LV30→LV31
(技)ソナー LV1 new
控えスキル:(技)船舶LV1・(生)生け簀LV1・(生)釣りLV11・(特・技)統率LV8・(技)波乗りLV12→LV17
所持スキルポイント:16→14
武器スキルの場合 偶数レベルごとに攻撃力2~3上昇
魔法スキルの場合 偶数レベルごとに精神力+5
技能スキルの場合 5LVごとに体力または精神力が5上昇
生産スキルの場合 奇数LVごとに生産性効率や品質に上方修正
特殊スキルの場合 5LVごとにランダムでステータスが5上昇
称号:臣下にすら認められない魚神(笑)
初めての魚神島発見者
初めてボスを単独で討伐した者
五大海魔王(蛸)の友達第一号




