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うみマニアのやりこみ冒険記  作者: ふんにゃり
 勇魚(いさな)の章
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42/145

第38魚 12月29日~12月31日②

本日用事があるので2話目の投稿は90%の確率でありません。


時間が有れば月曜か火曜日に投稿するモノを書くはずです。

 29日13時30分


 俺は先ほどフラグメントからログアウトし、昼ごはんを漁ったのだがあまり食欲をそそられるモノがなかったので四龍飯店へ食事に来ている。


 『いらっしゃいませぇ~!…あ、海島さんじゃないですか?こんにちは』

元気に声を掛けてきたのはお店で働く綺麗系の美人で遺憾ながら無愛想な店主の娘さんである陽華さんだ。この四龍飯店は美味しい料理を出してくれるので俺の行き付けと言っても過言では無いほどよく来る店だ。

 理由は先ほど言った通り?食事が美味しいこともあるのだがやはり一番の理由は陽華さんがいるからなのだ。陽華さんは花の女子大学生でお店の常連もとい若い連中に大変人気である。

 現に今も店内は若い男性で満員であるのが何よりの証拠だろう。


 「こんちは。陽華さん。今日はいつものと裏メニューでよろしく!」


 『はーい。いつものチャーハンセットと餃子と裏メ…って裏メニューなんてありませんよ!』


 「ちっ、だめだったか!じゃあいつもので!」

俺は忙しいのにノリの良い反応をしてくれる陽華さんに茶々を入れつつおなじみの注文を済ませる。


 そういえばこの四龍飯店は忙しくても絶対に親子で回転させてるのがいつもながら凄いと思う。

まあバイト募集なんてしようものなら若い男共が殺到するだろうからね。多分俺も行くだろう。

 ここの親父さんの娘の溺愛度は半端無いので陽華さんに手を出すのは命がけになりそうだ。陽華さんが女子高生の時に付き合う寸前まで行った男がいたのだがそいつは親父さんの逆鱗にふれボコボコにされ病院送りにされたことがある。


 色々説明したが頼んだ注文が来たので飯に集中しようと思う……。


 14時00分


 いつも以上にのんびりと食事を楽しみ気がつくと満員だった店内は俺と数人の客を残すのみとなっていた。ここまで来ると陽華さんも暇になるらしくわざわざ俺の席に来ておしゃべりを強要してくるのだ。


 『ねぇ!聞いてよ海島さん。うちのお父さんたらひどいのよ?花の大学生にもなって彼氏なしの私が男の人を探そうとする時に限って店を手伝えなんていうのよ。プンスカ…』


 「そ、そうなんっすか?じゃ、じゃあ今日も彼氏を探す予定だったと?」


 『え?そ、そういうことじゃないの…まとまった時間ができたから少し前から始めたいと思ってたゲームがあってそれをしようと思ってたのよ。今日はそれを途中で止めるハメになっちゃってね。そのゲームをしたのは25日に1時間だけなのよ』


 「なるほど、陽華さんが気になったゲームってことは格闘系っすか?」


 『海島さんが私に対してどういう認識を持っているかひっじょーに聞きたい気分になってきたんだけど?

何で私が格闘ゲームにハマらなきゃいけないのかしら?』


 「あれ?でも親父さんから聞いた話だと陽華さんが昔は合気道をしていて格闘技が好きだったということだったんですが?ちがったんっすか?」


 『そ、それは確かに事実だけど今は違うのよ!私がしたいのは【空と海と大地のフラグメント】っていう最近サービスが開始されたゲームよ。ソフト自体は前日に頑張って徹夜して買ったんだけどお店の手伝いが忙しくてなかなかプレイできないのよ』


 …まじで!?これはまさかの展開?なんてな。まあ確かに驚いたけど全年齢向けの話題に上がったゲームなんだし陽華さんが気にしていてもおかしくは無いな。


 『でね?私キャラクタ作ったときに時間掛けすぎちゃったみたいでシステムが勝手に決めた姿でプレイすることになっちゃったのよねぇ』


 …これはまたしても驚いた。陽華さんもおそらく俺と同じくランダムということなんだろうが、勝手に決められたってのが気になるな。俺の場合は10分だったけど陽華さんはもっと長い時間悩んだって事なのかもしれないな。


 『姿だけならまだしもその後のスキル?っていうのまで全部勝手に決められちゃって私が決めれたのは容姿と名前だけなのよ。消したくても30日間は消せないって言うし。仕方ないからこのまま進めようと思ってるの。その後はお父さんから店を手伝えって言われたからキャラを作っただけで止まってるわ』


 …陽華さんは俺より優柔不断なのかもしれないな。スキルまでもが勝手に決められたなんて。


 「あ~陽華さん?俺もフラグメントプレイヤーなんで今日だけで良かったら知ってること教えますよ?」


 『え!?海島さん。プレイヤーだったの?嬉しい!今日だけでも良いから私に色々教えてほしいな!』

 …脳内変換できる人なら後半を都合の良い介錯ができるだろうがここでは言葉の通りに受け取ってくれ。そういう話の展開は俺的に縁が無さそうだからな。く、くやしくなんてないからなっ!


 「了解。じゃあ時間はどうしましょう?この後すぐでも俺は良いですよ。夜の降りる時間までなら余裕がありますから」


 『そう?ん~じゃあね、30分後に噴水の所で待ってる。私のキャラクタネームはフレアよ』

 …陽華さんの名前のセンスが微妙な気がしたのは俺だけだろうか?まさか陽華さんは厨○発症者なのだろうか?…いや別にそれでも構わないのだがちょっと気になったから言って見ただけだ。


 そうと決まれば話に夢中になっていてまだ残っていたチャーハンを急いで食べ終え会計を済ませて家に帰ることにした。



 14時30分


 ヒロはフラグメントにログインしアーリルの街の噴水広場で待っていると周りをキョロキョロと見回している女性を発見した。…ついさっきまで見ていた顔なので間違えると言うことは無い。

 しかしここで俺は一芝居打つことにした。大根並だがな!


 「やぁ!そこのおねえさん。俺とイチャコラしないかぃ?」

 『い、いえ、結構です……ってもしかしなくても海島さんですよね』

 「ぐ、ばれたか!」

 『バレたか!って隠すつもりも何も無かったじゃないですか。もしOKしてたらどうするつもりだったんですか?』

 「その場合は遠慮なくイチャコラを……」

 『却下です!それでえっとここではヒロさんでしたね。今日はよろしくお願いします』

 「任された!と言いたいけど実は俺には凄い欠点があってね。陸上戦闘ではかなり雑魚なんだ。とはいってもこの辺のには流石に負けないっすよ」

 『そうなんですか?そういった適正もあるんですね。そういうの調べるにはどれをみれば?

…あぁ、ヘルプに自分の種族の名目と説明が書いてありました』



 【セイレーン:海上を住処とする半人半鳥で空と海に行動適性を持った種族。精神力に補正が入り歌が得意であるが腕が翼の為大抵の生産作業には向いていない。各種魔法での遠距離攻撃もしくは歌等で支援をするのが得意】



 『だそうです。それにスキルの中に【楽器LV3】・【歌LV3】・【風魔法LV3】・【飛行LV10】があるわね』


 「あぁ、もう聞いちゃったから仕方ないけどこのゲームではあまりスキル構成は他人にバラさないほうが良いよ?言ってもいいのはPTで行動する際にメインで使うスキル位にしておかないとね。

 …とりあえず攻撃方法は色々あるみたいだしそこらの敵でためし狩りしようか」


 『そうね。って言っても攻撃手段は風魔法と火魔法だけかぁ。なんとかなるのかしら?』


 「なるほど、フレアさんは魔術師系のスキル構成にさせられたんですね。かなりめずらしいっすね。

ランダムで決められた場合大抵使えないスキルが幾つか入ってくるものだと思うんだけど」


 ヒロのときは船舶といういらないスキルが手に入ったのだからありえると思ったのだがフレアのように

知る限り種族特性を生かしたいいスキル構成になっていることは少ないだろう。



 簡単に魔法のレクチャーをした後はスライムやアゴダイショウといったモンスターを相手にフレア無双が展開していた。思ったよりフレアが強いのでそのままウッドデックへ連れて行きウッドデック周辺の練習用ダンジョンへ潜った。ここでは地上より少し強い敵が出るのだがフレアの火力の前では大したこと無い場所であっさりと最下層(地下3階)まで進んでしまった。

 なお、フレアは採取系スキルを持っていたので途中にあった採取ポイントでの採取の方法を教えウッドデックを経由してアーリルの街へ帰還し、NPCやプレイヤーに素材を売却などのやり方を教えた。


 そうこうしているうちに夕方になり一旦解散して後ほどウッドデックの更に北にある大河のあるエリアに行くことになった。何故いきなり攻略組が行くような場所に行くかというと周辺のモンスターの攻撃ではフレアにかすり傷すら与えられなかったからだ。

 フレアは魔法系スキル構成でありながら回避スキルも習得しているのか攻撃を避けるのが非常にうまいのだ。さらにいうとフレアのスキルレベルはまだデスペナを受けるランクでは無いので強いモンスターとの戦闘も経験させてみようと思ったのである。

 大丈夫そうであればフレアを放置でヒロ自身も大河の水中探索ができるしな。…という思惑があったりしたのだ。


 そんな打ち合わせをしてヒロとフレンド登録して一旦解散。…実はこのとき後で連絡するかもしれないからと陽華さんの携帯番号までゲットしたのだがそれはまた別の話だ。

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