二話 ファミレスへ向かいます
二話 ファミレスへ向かいます
結局日曜日に予定を合わせてもらい、近所のファミレスで顔合わせをする事になった。
「もっと高い店でも良いのに」
おごってもらう前提でそんな事を言うので、今回能だけにはおごらないと宣言をする。
「そんな……」
露骨に悔しがっていた。兄の金で食欲を満たす気満々だったようだ。
「私と一緒に我慢だね」
「お義姉様は食べないの?」
「就君がどんな人か分からないからね。一度動画配信者に襲撃されてるから」
勿論追い返した事も付け加え、スナイパーライフルを見せる。
「お義姉様って強いのね」
「まあねー」
エスパーダはご満悦だ。そのまま要のスーツのポケットに入り、出かける準備は万端だ。
「就はそんなにきっちりした格好はしてないよ」
「一応、妹の男と会うわけだからな。身構えもするさ」
「就とはそんな関係じゃない」
「そう思ってるのは能だけかもしれないぞ」
「好かれてるって事?」
「知らんよ、人の恋愛は」
「私はいつも通りの格好で行くよ。就を意識してるなんて思われたくないもんね」
ずいぶん意識してるのではないかと要は思ったが、言わなかった。妹の女の部分をこれ以上見たくないからだ。
三人でファミレスに出かけて、かなり奥の席に案内してもらう。他人にエスパーダを見られるリスクを減らすためだ。そして能に連絡してもらって就を待つ。
もうすぐ来ると連絡が入って数分。就らしき人が店員に案内されてやってきた。就はスーツを着ていた。