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一話 アポを取るんです
一話 アポを取るんです
「お兄ちゃんが会いたいって言うのよね」
能は電話で就に訴えた。側では、兄である要と要のフィアンセであるエスパーダが聞いている。スマホはスピーカーモードにしていて、就の答えを待っているのだ。
「え? お兄さん? なんで?」
相手は当然の疑問を口にして、スケベ目的のクズ人間の確率が下がる。クズの場合は身内の登場に少なからず言いわけめいた事を言うはずだ。
「朝帰りをとがめられてさ、就の事が知られちゃって……」
「ていうか、俺は帰れって何度も言ったよね?」
「そこはお兄ちゃん達を二人っきりにしたくて。帰って、何かが始まってたら気まずくて居場所がなくなるもん」
向こうでため息をつくのが聞こえる。
「分かった。会うよ。土日とかのほうが良いよね? 能のお兄さん」
「私が言えば有給でも取ってくれるよ」
「その考えは改めたほうが良い。必ず後悔する事になるよ」
「大丈夫大丈夫。みんな優しいもん」
そう言って電話を切ってしまう。
その後、兄の雷が落ちた。




