11-2 今後の対応について
翌朝の午前八時半、キラの部屋へ入ると「食べたのか?」空のお皿を見る。
「薬は飲んだのか?」
「……」
「朝食、食べるか?」
「……」
「今持ってくる」
トレーを持って部屋から出ると、朝食を持って戻ってくる。
「無理して、全部食べなくていいからな」
トレーを渡すと部屋から出ていく。
一時間後、ショウが新しい水差しとお茶を持って入ってきた。
「薬は飲んだか?」
「……」
「キッチンにハーブティがあったから入れてきた。気が向いたら飲むといい」
「……」
「お昼になったらまた来る」
トレーを持って出ていこうとすると「ねえ」と言うので「何だ?」立ち止まり、振り向かずに答えると「コンサート会場のダークルーラ、どうなったの?」
「予定時間に吹き飛んだ」
「……そう」
ショウが歩きだすので「警察の動きは?」
「ジュエリーハウスの爆破と同一人物と見て、捜査を始めたらしい」
「私たちのこと、見付けるかしら?」
「それはない」
「どうして?」
「警察は、持ち主に恨みを持つ者の犯行と見てるからだ」
「じゃあ、今回の任務は完了ね」
「……そうだな」再び歩きだすので「なんで、ジュエリーハウスで何が起きたのか、聞かないの?」
「聞かなくてもわかるからだ」答えて出ていく。
お昼になるとトレーを持ってショウが入ってきた。
「少しは楽になったか?」
答えないので「食べ終わるころにまた来る」そう言うと部屋から出ていく。
そして一時間後、トレーを下げにショウが入ってきた。
「気に入ったようだから、またハーブティを入れてきた」
サイドテーブルにティーポットを置く。
何も言わずにトレーを持って出ていこうとするので「メンバーは、みんな忙しくて、来れないらしいの」と言うと足を止め「いつになったら動けるようになるんだ?」
「わからない。薬の飲み過ぎで、効き目がなくなってきてるから」
「……なら、動けるようになるまでいる」
「……ねえ、どうして私のほうを向いて話さないの?」
「……」
「どうして?」
「夕飯の時間にまた来る」と言うと出ていく。
そして夕飯の時間になると、トレーを持って入ってきた。
「薬は足りてるか?」
答えないと、救急箱を持ってきて傷の手当てを始める。
「もう目のほうは大丈夫だな?」
「……」
「メンバーは、本当に来れないのか?」
「……ええ」
「……そうか」
腕の包帯を取りかえ、救急箱をしまうと出ていこうとするので「ねえ」呼び止めると「何だ?」足を止める。
「あとで、濡れたタオルを何枚か持ってきてくれる?」
「……わかった」答えると出ていく。
そして一時間後、数枚の濡れたタオルを持ってショウが入ってきた。
「トランクを持ってきて」
何も言わずにベッドまで持ってくると、トレーを持って出ていく。




