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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第三章 運命の輪が作るストーリー
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12 かみ合わない感情


 翌朝、朝食を持ってショウが入ってきた。


「タオル、ありがとう」

「……ああ」相変わらずキラを見ない。

 トランクを元の位置に戻すと、昨夜持ってきたトレーを持って出ていく。



 午後十二時、昼食を持ってきたショウに「お願いがあるんだけど」

「何だ?」

「髪を洗いたいんだけど、まだ歩けそうにないの。一階の洗面所まで連れてってくれる?」

「わかった」


 食後、バスタオルを持つキラを抱えて一階へ降りていく。

 洗面所には椅子が用意されていて、そこに彼女を座らせると「キッチンにいるから、洗い終わったら声を掛けろ」そう言い残すと出ていく。


 そして二十分が過ぎたころ「ショウ、ショウ!」

「もう洗い終わった……どうした!」

「腕がだるくて、髪をゆすげない」

 洗面所の縁に両手を付き、前屈(まえかが)みの状態で苦しそうにしている。


「一人でやろうとするからだぞ。ちょっと待ってろ」洗面所から出るとすぐに戻ってきて「ほら、抱えてろ」リビングから持ってきたクッションを体の前に押し込むと「苦しくなったら言えよ」


 キラの髪を洗い、ゆすぐと棚から新しいバスタオルを持ってくる。


 頭を拭いているとフラつくので「おい!」慌てて支えると「目眩(めまい)がする」

「前屈(まえかが)みの姿勢から急に頭を上げたからだろう。少ししたら落ち着く」


 しばらく時間を置いてからドライヤーで髪を乾かす。

「きれいな髪だな。光に反射していろんな色に光る」


 鏡に映るキラの顔を見ると手が止まる。

「お前の瞳、宝石みたいだな」すると目を伏せるので「きれいな瞳をしてるんだな」


 髪が乾くと抱きあげて部屋へ連れていく。


「首が痛い」と言うので救急箱から痛み止めの塗り薬をだし、首筋に塗っていく。

「何か飲むか?」

「温かいものがいい」

「わかった。今持ってくる」


 部屋から出ると、ティーポットを持って戻ってくる。


「美味しい」表情が和らぐのを見て「じゃあ、何かあったら呼べよ」部屋から出ていこうとすると「本当に私が元気になったら、一緒に行動するのをやめるの?」と聞かれ、足を止めると「そのつもりだ」


「その後はどうするの?」

「……まだ決めてない」

「どうして、すぐに部屋から出ていくの?」

「……俺がいると、落ち着けないだろう?」

「どうして、そう思うの?」

「幽閉されて動けなくなったシルバーフェニックスの女性が、恐がるのを知ってるからだ」

「……」

「早く元気になれよ」そう言うと出ていく。


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