21-2 アディとの打ち合わせ
「そちらの話し合いは終わった?」ジェシーたちと同じ階の部屋にいるのか、アディの後ろに映る壁紙が、ジェシーの部屋のものと同じだった。
「ああ、さっき終わった。部屋に一人でいるのか?」
「そうだよ。今まで次の作戦の資料を読んでたんだ。それで、どうするって?」
「ルナノヴァ国の立て直しが急務なので、協力願う組織の対応を確認した後、領主の館へ移動することになった」
「……なるほど。まあ、順番としてはそうなるだろうね」
「今回は、アディが会話から情報を吸い取りすぎたから、警戒してしまってるよ」
「そうなのか! 気付かれないように注意してたんだけどな……」バツが悪そうに苦笑する。
「オルト領主が気付いてたよ」
「ああ、彼は、表面上はお茶らけたように振舞ってるけど、相手の表情を見て、意図を読みとる感覚は鋭いと思うよ」
「見抜いてたのか?」
「これでも人間観察は得意だからね」
「……確かにな。それで、この国の防衛体制はどうなんだ?」
「そうだね。体制自体は他の国と同等だと思うよ。それだけのレベルがないと攻め込まれてしまうからね。流通経路も確認したけど、物資補給に関してもハイレベルの体制をとってるから、今のところ問題ないよ」
「国内の経済状況は調査済か」
「調査員の成果だね」
「領主の館まで入り込んでたからな。では、国の立て直しにそれほど時間はかからないか」
「すでに調整に入ってるからね。領主が館に戻れば、ほぼ完了だよ」
「無駄な時間は作らないと」
「それもあるけど、あのとき、僕たちが入らなかったら、完全に両隣の領主たちに乗っ取られてたよ。陣頭指揮を執る領主が行方不明なうえに、罠にかかった目的の彼らを手中に収めたところだったからね。隙を突いてひっくり返したことがうまくいってよかったよ。スピード勝負だったからね」
「そこまで体制が崩れてたのか」
「それはそうだよ。今まで建前の領主がいたけど、傀儡(操り人形)だったからね。裏から操って内部から侵略してたんだ。だけど、組織の者が入り込んでいることに気づかなかったのが、致命傷だったね」
「一体、そんな優秀な人材をどこでスカウトしてきたんだ?」
「あれ? 今回はジットが陣頭指揮を執ってたことは話したよね?」
「アッ! そうか。ジットが引き連れていた以前の配下を引き抜いたのか」
「そういうこと」
「無敵集団を結成させていたのか?」
「まあね。これで、どうして僕がジットの加入を心待ちにしてたか、わかっただろう?」
「そういう裏があったのか。まあ、あのジットが味方になってくれるなら、もろ手を挙げて歓迎するよ」と返事をしたものの、そうなると、シルバーフェニックスに関して、ルナノヴァ国が持っていた情報も入手した可能性が高いため「ジットの今回の任務は、どういうものなんだ?」と聞くと、アディはショウの不安を読みとり「ジットたちが収集した内容が気になる?」と聞き返してくる。




