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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第九章 大陸の秘密
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11-4 安全な場所の確保

 

 二つ目は、キラのメンバーに限界がきてることだ。姪を見てもらってもわかるが、もう、任務を遂行できる状態にない。

 その代わり、組織は綿密な調査が終わった救出場所に応じて、対応するグループのメンバーを都度選出し、幽閉先からの救出を成功させているそうだ。

 そして、例の保護施設で治療後、体力が回復した者から大陸の外へ脱出させ、組織の支部にある保護施設へ移動して、さらに治療を(ほどこ)すという、一連の流れを計画してるそうだ。

 まあ、その途中で我々の施設へ来てもらうことになるが。

 しかし、救出して保護施設で治療を施してもらい、大陸から逃がしてくれたのに、途中でさらうかのように移動させることが果たしていいのか、考えてしまうんだよ。


 我々ができなかった一連の流れを、アディという青年は着実に作り上げている。

 こうなると、もはや、我々グループより対応が上回わっていることは確実だと、言わざるを得ない状態だ。


 そして、三つ目が、例の鏡がどこかの工場で大量製造されはじめているということだ。  

 その対応をすることが我々にはできないという点が最大の問題であり、我々の致命的なウィークポイントになる。

 この情報はまだ最近つかんだばかりだが、拡大する前に叩いておかないと、我々は確実に消滅するだろう。

 そのことを防ぐためには、もう、人間と組む以外に手はないんだ』


 話を聞いた後、再び沈黙が続く。

 かなり追い込まれた状態にいることを改めて実感し、言葉が出てこない。


『あの鏡は一体、誰が作ったんだ?』頭を抱える「風の貴族」トップのファルーク。『そして、製造工場を作ったのは誰なんだ?』


『キルシュ。どこまでわかってるんだね?』「風の貴族」セカンドのホッフマイスター侯爵が聞くと『フライシュ、今、我々が対応することができないと言ったばかりじゃないか』


「例の鏡の件は、PFS(シルバーフェニックス保護団体)の調査チームと、国際連合警察機構の特別チームがあたってます」話に入るショウ。


『国際連合警察機構だと? 裕福層に頭が上がらない、いいなりで低層な集団になにができるというんだね?』辛らつな言葉を並べるので「ホッフマイスター侯爵。国際連合警察機構となにかあったんですか?」爵位を持つ紳士として対応していたホッフマイスター侯爵が、突然、声を荒げたので気になるショウが聞き返す。


『アッ、いや、耳障(みみざわ)りな言葉を言ってしまい、失礼した』


『末のお嬢さんが、ある大企業の会長の屋敷に幽閉されているんだよ』「土の貴族」サードのタンデルチェスト子爵が代わりに答える。『その時、国際刑事警察機構が、あと一歩というところで引いてしまい、お嬢さんを助けることができなかったんだ』


「いつのことですか?」ショウが聞くと『いや、もういいんだ』

「いつのことですか!」


『あ、ああ、私が領主の屋敷に監禁される半年前だから、もう、三、四年前になる』

「どこにいるんですか?」


『……もう、いいんだよ。もう、娘は生きていないだろう……』

「もう一度聞きます。どこにいるんですか!」


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