11-2 安全な場所の確保
『ちょっと待ってくれ』慌てて声を掛ける「風の貴族」トップのファルーク。『ティスたちは、本当に大丈夫なんだろうな?』
「もちろん。第一に、ティスと一緒にいるシルビアは組織の調査員たちと一緒に行動してたし、領主の館に出向いてる。そして、ティスはそのことを知ってる。
なにより、組織の調査員を紹介したのは俺だからな。組織側もそのことを把握してるから、そこまで緊張した状態じゃないはずだ」
『……そうか』納得したのか、数回、小さく頷く。
『話を聞いて彼らに危険が及ぶことはないだろうとは思うが、ティスは私たち「土の貴族」のトップ。彼を失うわけにいかないので、早く安全を確認したい』「土の貴族」サードのタンデルチェスト子爵が声を掛けてくるので「わかってます。できればティスたちとチャットできるといいんですが、まだ環境が整ってないので、もう少し待ってください」
「俺の父親、前領主は別の場所にいるって言ってたけど、戻ってこれるのか?」話し合うために領主の館に行くことを決めたオルトに「今、組織の調査員が療養してる施設で、ルナノヴァへ連れて帰ることができるか確認してる。その返答次第で、こちらもチャット会議になるか決まる」
『そういえば、君の母親はどこにいるのかね?』「風の貴族」セカンドのホッフマイスター侯爵が、前の席に座っているオルトに聞くと「ここから首都のルナプレス側に少し戻った、小さな町に住んでます」振り返って答える。
『そういえば、お袋さんに連絡したのか?』「風の貴族」トップのファルークが『何年も連絡できなかっただろう?』と心配する。
「連絡したいんだけどさ。俺の携帯止められてて、使えないんだよ」ポケットから取りだすと「オルト、まだ連絡しないでくれ。お袋さんの安全を確保しないといけないから、先に組織のメンバーに行ってもらう。その時、君の無事も伝えるから、住んでる住所を教えてくれないか?」ショウが止める理由を話すと「そっか。わかった」
その後、住所を伝えると「早速連絡するよ」ショウはテーブルの上に置いてある携帯を取ると、メールを作成して送信する。
「お袋さんを保護したら連絡してくれるように依頼したから」
「ああ、ありがとう」
『きっと心配してるだろうな』「風の貴族」トップのファルークが右隣のオルトに声を掛けると「一応、ホッフマイスター侯爵たちと森へ行く前にメールしたから、大丈夫だとは思う」
『そうなのか?』
「悪い奴らから隠れるために、しばらく戻れないけど、安全になったら連絡するから、それまで、いつも通りにしててくれって送ったんだ」
『それなら、あの時に言ってくれれば対応したのに』「土の貴族」サードのタンデルチェスト子爵が申し訳なさそうに言うので「すみません。あの時は状況がよくわからなくて、すぐ出られると思ってたから」
「今、返信が来た。すぐ対応してくれるそうだ」ショウが携帯の画面を見せるので「わかった、ありがとう」




