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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第三章 運命の輪が作るストーリー
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7-1 相棒の捜索

 

 爆発は東側に面した一番大きな部屋で起きたため、見た目は派手に壊れているように見えるが倒壊するほどではなく、ビショ()れになった各部屋をくまなく見て回ったが、キラの姿はどこにもなかった。


「一体どこへ行ったんだ?」念のため、またキラの携帯に電話するが、コール音がするだけで出ない。

「スプリンクラーの水を被って壊れたか?」電話を切ると、再び館内を見て回る。


 大方捜しまわったとき救急車のサイレンが聞こえてきたので、外へ出て出迎えるとパトカーも数台やってきた。

 時間をあけずに爆発が起きたので、同一犯による連続爆破事件かもしれないと、一緒にきた刑事が話しているのが聞こえてきた。


(一つは俺たちが仕掛けたものだから、連続じゃないんだけどな)


 しかし、そんな事は言えない。


 ひととおり事情聴取が終わるとケガの手当を受け、念のために病院へ行くことを勧められたが、打撲とかすり傷だったので、あとで痛むようであれば病院へ出向くと言って断り、キラの行方を再び捜したが見付らなかった。


(もしかして、大ケガして動けないでいるのかもしれない)

 しかし、建物の中にも外にもいない。

「一体どこへ行ったんだ?」


 ウロウロしていると刑事に呼びとめられ、これから鑑識が入るので敷地から出るよう言われると、車へ戻った。


「アッ、そうだ!」


 後部座席からアタッシュケースを取り、中からノートブックを出すとスイッチを入れる。すると、モニターに赤い点が映った。


「いたいた。なんだ、近くにいるんじゃないか。まったく心配掛けやがって。それにしても、なんでこんな所にいるんだ?」


 キラの上着に付けた発信機の位置を確認して車を出すと、少し先に行ったレストランの駐車場へ入る。


「このレストランの裏側辺りだな」


 駐車場の左側に人が通れるくらいの細い道があり、レストラン裏手の古びた倉庫が建ち並ぶ敷地まで続いているのを見付けると、小型モニターを持って奥へ進む。



 人通りがないせいか草()している道を進むと一応進入禁止のようで、()びた(くさり)が掛かっているが(また)いで中に入る。


 モニターを見ながら倉庫の間を歩いていくと最初の十字路で左に曲がり、道なりに進むと(ここら辺だな)赤い点は近くを指している。

 道の先を見ると、正面奥の倉庫の先にジュエリーハウスの奇抜(きばつ)な建物が見えた。


(ここまで来ると結構近いんだな)


 再びモニターを見ると声を掛ける。「キラ、キラ?」呼びながら先へ進むと赤い点が動きだすので「俺だ。そこにいるんだろう?」



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