42-2 ピエロの仮面の正体
『あれは、行けるように最初から仕掛けられていたものと判断しています。通常、複数の結界を同じ場所に掛けることはしません。なにの掛けているのは、やはり、そうせざるを得ない何かがあるんだと思います』
「俺たちがまだ気づいてない何かがあることは確かだよ」ショウが言い切るので「なにがあると思ってるの?」隣のラルが聞くと「おそらくだけど、誰かいると思う」
「ファルークじゃないの?」
「俺たちが気付いてないと言っただろう? ファルークじゃない他の誰かだ」
『なぜそう思う』ティスがつっけんどんに聞いてくる。『誰かいると考える根拠はなんだ?』
「重複して掛けてある結界だよ」
『結界が複数掛けてあるから、誰かいると考えたのか?』
「さっきジェシーが言った、通常、複数の結界を同じ場所に掛けることはしない、というのは前から聞いてたことだが、通常行わないことをあえてやるからには、やはり何か理由があるし、結界を掛けることができる側にいるみんなでも、結界をまたいで移動することはできないとなると、複数の結界を重ねて掛ければ、中心まで行くことがかなり難しいので、重要なものを隠してると思うのは想像に難くないだろう?
では、なにを隠してるのか。物であれば埋めればいい。深いところに埋めればそう簡単に見つかることはない。当然、わざわざ結界を張る必要はない。
だから逆を考えると、埋めて隠すことができないもの。ある程度の空間が必要なもの。
それは、みんなの側の誰なのか、もしくは人間かわからないが、生きている者を隠さなければならない場合、結界を張るなど、誰も近づかないようにする配慮が必要になる」
『なるほど。筋が通った根拠だ』納得するティス。
『ショウの見解からいくと、結界の中心に隠れてる、もしくは隠されている者は、かなりの重要者のようだな』シルビアも誰なのか考えはじめる。
「例の領主たちは、その誰かも捜してるのかもしれない。どうしても見つけたいから、生半可なことでは音を上げることはない探検家に、調査を依頼したとも考えられる」
「そうなると、考えられるのは誰?」当てはまる者を捜していくラル。
『漠然としすぎてて、どこからチェックしたらいいかわかりませんね』苦笑するジェシー。
『隠れてる者は、例のピエロの仮面の奴かもしれないな』腕を組んで考えるティスが『正体がバレたらいろいろと問題が起きるから、あえて素顔を出さないようにしたと考えれば、仮面の意味はわかる』
ピエロの仮面の人物は真っ先に思いつく。
「それはそうだが、だとしたら、ピエロの仮面は「土の貴族」になるんだろう? だったら「有力な候補者は誰か、考えたほうが早いんじゃないか?」




