34-2 ファルークの救出
ファルークが食べている間、ジュリアスは土の格子の中に入り、閉まらないようにストッパーをかましたあと、スイッチが見つかったという、土の格子の左から五番目の一番下のところを見る。
鉄格子のように太い柱の側面が五センチくらいの縦型の長方形に開き、格子を開けるスイッチが作られていた。
『土の格子の外側でも内側でもない、死角となる側面に作るなんて、見つけるのが大変なわけですね』
『見つけたときは、やられたと思ったよ。まさか、そんなところにスイッチが作られてたなんて、まったく思い付かなかったからな』外に出られた安堵感からか、声がいつもより明るく聞こえるので、おかずの説明しつつ「今朝は、飯がうまく感じるだろう?」ファルークの向かいに座っているオルトが聞くと『お前、料理がうまかったんだな』
「今まで気付かなかったのかよ!」
『さっき気付いた』
「ふざけんじゃねえぞ!」
『冗談に決まってんだろう? 何年食べてると思ってんだ?』
二名が楽しそうに話している中、ジュリアスは立ち上がると、懐中電灯を点けて、右奥の土砂で埋まったところまで歩いていく。
この先に、王国と通じている「風の貴族」が管理していた隠し通路があるが、今は確認することができない。
『これは「土の貴族」のティスに来てもらって、土砂をどかしてもらうしかないですね』
ポケットから携帯を取りだして数枚写真を取ると動画も撮り、引き返すあいだも周りの状況を撮り続け、土の格子から出ると「通れそうか?」戻ってきたジュリアスにオルトが聞く。
『ダメですね。完全に埋まってて、隙間すらありません』撮ってきた写真を見せると「これは、重機を持ち込まないと無理だな」
『ファルークは、どうして通路が崩れたかわかりますか? 崩れたとき、いたんですよね?』
『ああ。隠し通路の確認をしたあと、戻ろうとしたら突然パラパラと天井が崩れてきて、走って戻ってきたら、土の格子が出入り口を塞いでたんだ。偶然、崩れた音を聞いてたオルトが来てくれて、何とか生き延びることができたんだよ』
「あの時はビックリしたよ。ドドドドドドドッ!って、すごい音がして洞窟の出入り口から土ぼこりが出てきてたから、中が崩れたんだとすぐにわかったよ。さすがにすぐ入るのは危険だから、土ぼこりが収まるのを待って、入っても大丈夫なことを確認してから入ったら、いつの間にか檻ができてて、その中にファルークが捕まってたんだ」
『捕まってたんじゃないって言ってんだろう!』
「わりい、わりい」
『それで、崩れた原因が何か、わかってるんですか?』
『原因はわからないけど、王国がある別次元と人間界の次元にズレが生じてきて、境界線にひずみが生まれたために崩れたんじゃないかと思う。俺が行ったときから、ミシミシ、ピシピシと音がしてたから、前から始まってたんじゃないかな』
『そんなことがあるんですか?』
『わからないけど、他に原因が思い当たらないんだ』
「今、限定するのはやめたほうがいい。他の貴族の通路がどうなってるか、調べてからのほうがいいと思うぞ」




