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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第一章 保護活動
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15-2 PFS発足のきっかけ

 

 この時、民間で一つの(うわさ)が流れていた。


 幽閉されているシルバーフェニックスたちが餓死(がし)しはじめている、というものである。

 閉じ込められた時点から何も口にしないため、やせ細り、餓死していくのだという。


 この事を知った一般の人達から、保護団体を結成し、彼らの救出活動を行うとともに、彼らの人権を認めるよう、各国政府に働きかけだしたのだ。


 この事態を重くみた国際政府連盟は、この問題を議会にかけることにした。

 最初は異種族であるシルバーフェニックス族の人権を認めるという意見が多かったが、日が経つにつれて反対者が増えていき、最後には、またしても彼らの人権は認めないという結論に達してしまったのだ。


 それは、裏で彼らを幽閉している権力者たちが糸を引いたのだと予測された。

 彼らの人権が認められれば、今の状態を続けると罪で罰せられることになる。

 権力者たちにしてみれば、莫大なお金を投資して集めた大事なコレクション。そう簡単に手放すわけにいかない。


 この決定に対し、反発がくることは国際政府連盟にもわかっていたので、形として、同じ土地で暮しているのだから、幽閉などせず、解放するよう呼び掛けることにした。

 早く言えば、解放するかどうかはそちらの判断に任せるという曖昧なもの。


 とりあえず警察も動くが、相手が権力者なだけに、幽閉しているかどうか調べることができないため、できるだけ協力をお願いします、というようなメールを一定ランク以上の人達に送るだけという、お粗末なことしか行わなかった。


 本当はここでしかるべき手を打たなければ、行きつく先は自然消滅による死活問題なのに、危機に直面しているわけでもなく、言われてもピンとこないので、他人事のように思っているのだろう。


 取り締まるほうがこんなことなので、争奪戦は一向に納まる気配がなく、そのため、各地でレッドデザート(赤い砂漠)現象が目立つようになっていった。

 世界中のいたるところで、大きな森が数日で砂漠化してしまうのである。


 森が無くなるということは、そこで暮す動物たちが死に追いやられてしまうことでもある。そうなれば、絶滅してしまう動植物がでてくる。


 この事に気付いた環境保護団体や動物愛護団体もシルバーフェニックス族の救出活動に参入したため、組織の規模が一気に巨大化した。


 しかし、狩りが終わることはなかった


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