16 次の作戦
「ずいぶん腐った世の中になったな」ホテルの一室でノートブックのキーを叩く。
狩りを止めさせるにはばら撒かれたダークルーラを回収すればいいのだが、いかんせん、権力者も一筋縄では行かない相手。
狩りの現場を押さえても、精巧に模写した鏡を用意していて、没収しても本物かどうか見分けが付かないのだ。
わかるのはシルバーフェニックスだけ。しかし、彼らに確かめさせることはできなかった。
その後の調べで、この鏡は彼らの生態エネルギーを吸収してしまうものだとわかったからだ。
だから、彼らがこの鏡の前に立つと、本当の姿に戻ってしまうのである。
回収したこれらの鏡は、各方面の研究室に持ち込まれて分析が行われたが、どういう仕組みになっているのか、まったく解明できなかった。
仕組みがわかれば対抗策を考えられるので、救出した彼らに聞いてみるがことのほか口が堅く、鏡について一言も話してくれない。
「難しいだろうな。助けてくれたからといっても、その相手がいつ、敵になるかわからないんだから」
そしてもう一つ、奇妙なことが起きていた。
それは、PFS以外に彼らを助けるグループが存在することだ。
べつに保護団体は一つでなければいけないというものではないので、他に設立しても構わないのだが、奇妙なのは、表立って存在を公表していないことだった。そう、密かに行動しているのである。
PFS本局の情報部でこのグループの存在を聞いてから、ショウは外回りに志願していた。
謎のグループに付いての最初の報告は、彼の友人からだった。
それは、彼らを幽閉していると思われていた人物を調査していたときのこと。
幽閉の証拠を手に入れて屋敷に踏み込んだとき、一室で、問題の人物が縛られて部屋の中に転がっていたのだ。
そして、その人物の背中にはメモが貼り付けられていて、こう書いてあった。
『この者、シルバーフェニックスを監禁し、三名を餓死させた極悪人です。しかるべき対応をしてください』
このような事件が起きはじめたのが、キラが行方不明になってからというのが気になったからだ。
「きっとキラはこのグループに関わってるに違いない。外回りに出れば、いつかまた会えるだろう」
そう思って、はや一年が経ったのである。
「さて、どうしようか」次に乗り込む現場の見取図をだすと、作戦を練りはじめる。




