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高嶺の花

 ◇◇

 

 

 ――数日前。

 

 

 満開だった桜は散り始め、春の匂いを存分に感じられる四月の頭。

 

 

 高校二年生となった俺は、進級すると必ずあるイベント、クラス替えに強制参加させられていた。

 

 

 (自分のクラス……探すのめんどくさいな……)

 

 

 周りの同級生は「きゃ〜! 同じクラスだったよ〜!」とか「よっしゃあ! 担任当たりじゃん!」とか青春の一ページを刻むような反応をしている。

 

 

 (クソ……青春の奴隷共め……)

 

 

 俺はそんな奴らを片目に、一人で自分の教室へ向かう。

 好きな人は疎か友達すらいない俺は、自分の名前さえ見つければそれ以上やることはない。

 

 

 廊下には、自分以外のクラスはどんな感じなのかと見て回る同級生が溢れかえっていた。渋谷のハロウィンか、ここは。

 

 

 同級生達をくぐり抜け、なんとか自分の教室の前までへ辿り着くと、ドアの付近に何故か男子の群れが出来ていた。

 

 

 (あいつら何してるんだ……?)

 

 

 男子の群れが出来ていると、少し気になるものだ。

 日本人は並んでいるお店があるとつい気になってしまうだろ? 俺は今その心理に陥っている。

 男子共の会話になんとなく聞き耳を立てながら、彼らの横を通った。

 

 

 「うわー、横峯さんB組か~。」

 

 

 「今日も美人だな~。横峯さん。俺と付き合ってくれないかな~」

 

 

 「ばーか。お前なんか横峯さんはお呼びじゃねーよ」

 

 

 この一通りのやり取りだけで、俺はこの群れの原因が掴めた。

 

 

 横峯沙羅。

 

 

 私立白岡高等学校に通っている生徒なら知らない人はいないだろう。

 

 

 男なら誰でも付き合いたいと思うぐらいの圧倒的容姿。

 女なら誰でも憧れてしまうような抜群のスタイル。

 

 

 それでもって品行方正、成績優秀。非の打ち所のない完璧美少女。

 

 

 ここまで来ると、嫉妬とかそんな感情は一切芽生えないし、それどころか尊敬の意まで示してしまう。

 

 

 俺も例に紛れず、横峯さんのことを目で追ってしまうことがある。

 

 

 (へぇ。俺と横峯さん、同じクラスなんだ)

 

 

 正直なところ嬉しい気持ちもあるが、どうせ関わることもないだろうからそこにいる男子の群れの誰かとクラスを変わってあげたいとも思う。

 

 

 (俺と横峯さんに何か起きる訳が無いし、陽キャでパリピな男子と横峯さんになにか起きる方がみんなも楽しいだろうし)

 

 

 こんなことを考えている俺は、他人からはきっと捻くれ者だと思われてるだろう。

 まぁ、同級生と話してなさすぎて、俺の事を捻くれ者だと思う人すらいないと思うが。

 

 

 改めて友達がいないことを再確認し、黒板に貼ってある座席表を見て、自分の席を探した。

 

 

 (相澤奏多、相澤奏多……あった)

 

 

 窓際の一番後ろで端っこの席。当たり席だろう。

 心中で大きくガッツポーズを決め、嬉しさのあまり笑みが零れてしまう。

 

 

 自分の席へ向かうと、何故か隣の席が騒がしい。

 女子が何人か机を囲っておしゃべりをし、その真後ろで男子数名が一点を見つめて鼻の下を伸ばしている。

 

 

 (なんだ……? こいつらは一体何をして――)

 

 

 輪の中心を覗き込むと、そこには息をするのも忘れるぐらいの超絶美少女、横峯さんがいた。 

 

ご覧いただきありがとうございます(ㅅ˘˘)

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