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転生してケモミミ娘魔法剣士になりました~双刀乱舞~  作者: けもみみフサフサ
第三章 夏の大陸 サウスマリン 激闘編
39/44

37話 アイネとクラハ

お待たせしました。37話です。


時は少し遡る。


王都【放牧の迷宮】7層。時間は深夜2時過ぎ。

クリスタリア武闘大会中なのですが、今日はなかなか寝付けず、宿からシャード―ムーブでここまで来ました。メンバーはぐっすり寝てたので私一人です。


「この時間は誰にも会わないですねぇ。魔物は徘徊してるにしても、冒険者は安全地帯で野営してるから寝てるし、そいや!」


「ギャッ」


ミノタウロス1匹GETだぜ。


トコトコと歩きながらマッピングしていると、奥の方から何か聞こえる。『キンッ、ドン、ザシュ』という感じの戦闘音である。この時間に私以外に戦闘しているとは珍しい。とりあえず、音のするほうに行ってみるか。


そこには女性2人のタッグがミノタウロスの群れ、10体を相手に苦戦していた。


名称:アイネ

Lv :38

性別:女性

年齢:25歳

種族:妖精族【エルフ】

職種:戦士


HP:1,150/6,000

MP:2,820/15,700


武器:ショートソード(アダマンタイン製)×2本



名称:クラハ

Lv :33

性別:女性

年齢:24歳

種族:人族

職種:戦士


HP:630/5,150

MP:200/6,700


武器:レイピア(アダマンタイン製)


そのころの彼女たちと会ったのはこの時だった。普通、7層で10体の群れで出てくることは稀なのだが、運が悪いとしか言えない。9層で5体の群れで会うのが普通になってくるが、これは深夜だからなのだろうか、昼間のダンジョンとは何かが違うのだろうか。


『HPが2人ともそろそろヤバいな。満身創痍もいいとこだ。Lv.40超えのミノタウロス相手にいささかLvが足りないのと、壁役と、回復役がいない状態は厳しすぎる』


仕方がない、放っておくものも性分ではないし、助太刀するか。




―――――


「アイネ、私もうダメ・・・意識が・・・・」


「クラハ、ここで倒れちゃダメ。生きて帰るんだから、踏ん張って!お願い」



涙ながらにクラハに向かって叫ぶアイネ。


『私のせいだ。二人で7層に行こうなんて言わなければこんなことには成らなかった。しかも、10体の群れに遭遇するなんて思ってなかった。今の私たちの状況で、ミノタウロスから逃げれる可能性は0に等しい。何とか耐えて、倒していくしかない。でも、全然攻撃が通らない。防ぐしかできない。』


防戦も限界が来たのか、アイネの足から力が抜けて踏ん張りが効かなくなった。そこに、ミノタウロスの攻撃が重なり、剣で防いだものの、後方へ容赦なく転がった。クラハも同じところに転がされ、二人して立つこともままならない。


「クラハ、ごめんね。あなただけでも逃がしてあげたかったのに、ごめんね」


「アイネのせいじゃないよ。私達いつも一緒でしょ。だから・・・・」


クラハの意識が落ちてしまったようだ。そこに近づいてきたミノタウロスが大きく振りかぶった斧を二人目掛けて振り下ろす。アイネはクラハの手を強く握りしめて、眼を閉じた。




「ガキンッ」



鼓膜にそんな音が飛び込んで来た。死を覚悟し、眼を閉じたのに、まだ私達は生きている。眼を開けて、音の方向に視線を向ける。そこには、長い白髪の少女が一本の蒼い刀でミノタウロスの斧を片手で防いだ状態で立っていた。


「お二人さん、大丈夫ですか?」


とても澄んだ声で、私たちの安否を聞いてくるこの少女はどう見ても自分達より年若い。なのにミノタウロスの攻撃をいとも簡単に防いでしまった。


「私はまだ何とか大丈夫だけど、クラハが、相方が危ないの」


「先に回復させたほうが良さそうですね。【ハイヒール】【リカバリー】【リセット】」


そういって、HP回復魔法、状態快復魔法、状態解除魔法を連続で二人に掛けてくれた。


「んっ・・・・アイネ」


「クラハ、良かった。気が付いたのね」


「アイネ、私たちは生きているの?」


「えぇ、生きているわ。あの子が回復させてくれたの」


アイネがミキを指さしてクラハの視線がそちらに向く。


「相方さんも気が付きましたね。ではそこで少し待っていてください。すぐに終わらせますので」


そういってミノタウロスの斧を弾いて、蹴とばした。蹴られたミノタウロスは群れのところまで転がり、私たちから距離を取らされた。


「大人数で2人相手にとはいささか弱い者いじめが過ぎるぞ貴様ら。かかってこい。相手になってやるから。【二刀流-蒼焔の舞】」


そのあとは本当に一瞬だった。少女に斬りかかろうとしたミノタウロスが片っ端から斬られ、蒼い焔に焼かれて絶命していった。恐らく戦闘時間は2分もかかっていないだろう。最後の1体を狩り終わった少女が私たちの所にやってくる。


「お待たせ、こんな所じゃ危ないから移動しよう。立てますか?」


少女が【シャドームーブ】で私たちを地上まで運んでくれた。


「本当に命を助けていただいて感謝します。私はアイネと言います。こっちの子はクラハ。二人とも【C】ランク冒険者で、クエストなどで生計を立てているしがない物です」


「アイネさんに、クラハさんね。私はミキ・シラサギ。よろしくね。私も【C】ランク冒険者です」


「ミキさんのおかげで、今回の事でいろいろ思い知らされました。死にかけたのもあり、しばらく冒険者業はお休みしてじっくり今後の事について考えたいと思います。いつか必ず、このご恩はお返しします」


「そんなに気にしなくてもいいから、まぁ~でも、生きてればいいことあるさ、きっと」


「本日は本当にありがとうございました」(アイネ)

「助けていただいてありがとうございました」(クラハ)


「またどこかで会えるといいですね、それじゃバイバイ」



―――――


これがアイネとクラハに最初に会った時の物語。ちょうど武闘大会でヴァイスさんとの試合後、決勝戦の間の出来事。それから私が優勝して、家を買い、ソロで王都【放牧の迷宮】15層のキマイラを倒し、夏の大陸サウスマリン領に出発する前に偶然、王都の冒険者ギルドで再会した。


「ミキさん、お久しぶりです。あの時はありがとうございました。今もこうして2人で居られるのもミキさんのおかげです」(アイネ)


「アイネさんも、クラハさんも、お元気そうで何よりです。あれから冒険者業はどうですか?」


「それがですね。つい先ほど2人とも冒険者の登録を抹消してきたところなんです。なので今は無職です。これから二人でできる仕事を探そうと思っています」(クラハ)


「えっ、本当に!!もったいないなぁ。・・・・ん、待てよ。二人って家事とかできる?」


「家事ですか?一応、女2人で生活していたので、料理に掃除、洗濯などは一通りできますが、それが何か?」(アイネ)


「実は、明日から私のPTアハト・フリューゲル全員で夏の大陸にしばらく出かけるんだけど。私たちの拠点の家を空けることになっちゃうから、ハウスキーパーを探しててね。もしよければどうかな?とりあえず1年契約で、先に必要経費としてお金渡すから、二人の家具や生活用品、あっ服(仕事着)はこっちで用意するから買ってきてください。その後に生活費として一人ずつとりあえず、金貨7枚渡します。どうでしょう?」


二人して目をパチクリさせている。


「ダメ・・・かな・・・?。私は二人が家に居てくれるとすっごく助かるんだけどなぁ~・・・」


「「ふふっ。ふふふふふっ」」


口元を手で覆いつつも、なんだか満面の笑みを浮かべる二人。何か可笑しなことを頼んだだろうか?ひとしきり笑い終わった二人は私の所とにやってきて片膝をついた。


「「我ら二人、あの時助けていただいたこの命、あなたのために尽くせるのならこれ以上の恩返しはございません。こちらこそよろしくお願いします。我らが主、ミキ様」」


「ありがとう。よろしくね」


「「はい」」


二人の家具や生活品を買い揃えて、屋敷に戻ると、屋敷の大きさに二人は驚いてくれました。二人部屋がいいとのことだったので、唯一の二人部屋に住むことになった。あとは仕事着として例のあの服を渡して完了。


メンバーにも二人を紹介して、次の日、私達PTは夏の大陸に向かって出発した。

次回は5月中旬になります

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