15話 ミキ・シラサギ VS ヴァイス
15話目。少し短いですが、どうぞ!
キンッ、カンッ、ドンッ、バコッ!
ステージ上で、凄まじい剣戟と魔法の応酬が、今も続いている。
二人の技で、ステージの原型が徐々に崩れていくほどに。
「大いなる水の波となりて 我が敵を水底に誘い給え 水流波」(範囲攻撃)
ヴァイスがステージ上では避けきれない程の、津波を魔法で生成する。
「絶永」
すかさず無詠唱で氷魔法で凍らせ、砕け散った。
氷の結晶が舞い、ダイヤモンドダストの様に煌めく。
辺りの気温が急激に低下し、お互いの息が白くなるのが分かる。
「魔法を無詠唱とは、これまた厄介なっ!」
「其方、なぜまだランク【C】なんだ?それ程の力なら、某と同じ【A】でも可笑しくないぞ」
「それは、ギルドにまだ加入して5ヵ月ですからね」
「まだ、ランクアップの条件を満たしてないのでは?」
「加入して5か月!それは愉快×2」
「なら某に勝てたら、ギルドに交渉してやろう!上に、顔が利くのでな!」
「それはどうも。はっ!」
「なんの!そう簡単には勝たせぬぞ!!」
激しい戦闘が再開される。
と、ここでヴァイスが瓦礫に足を取られ、体制を崩した。
私は見逃さず、一気に駆け寄る・・・・・だが!
「掛ったなっ」( ̄ー+ ̄)ニヤリ
どうやら罠だったようだ。しかし、ここで止まっては思う壺。
ここは突っ込んで、一撃入れたほうがまだ良い。
「【龍槍術-氷翠斬破】」
「【二刀流-蒼焔十文字】
ほぼ同時に放たれた、氷と焔の斬撃がぶつかり合い、水蒸気が漂う。
ステージを見つめる観客たちが「ゴクンッ」と唾を飲み込む音が聞こえる。
ステージの水蒸気が晴れ、二人の姿が見えた。
鎧の上から十字に斬られ、鮮血が流れるヴァイスの姿と、槍が首元で停まっている私の姿。
一気に後方に飛び退き、距離を取る。
「ごふっ。まさか自動防御まであるとは。其方、少し反則ではないか」
「・・・・いや、それに気付かなかった某の考えの甘さか」
口からも血を流しながら、そんな事を言うヴァイス。
審判が判定を出そうとする。
「待て!まだ大丈夫だ。まだヤれる」
「次の一撃で最後じゃ。其方も良いか?」
「分かりました」
「あなたのその意志に答え、私が今繰り出せる、最強を贈りましょう」
「忝い!」
ヴァイスは槍を垂直に構え、魔法の詠唱を開始する。
私は刀と2本とも鞘に納め、目を瞑り、魔力を練る。最強の魔法をイメージする。
晴れ渡っていた空が分厚い黒い雲に覆われ始める。
「我が屠りし水龍よ 今この時 その顎を再び開き 眼前の全てを嚙み砕け 水龍神」
ヴァイスから放たれた水魔法。
リバイアサンの形をした3体の水龍が私目掛けて、顎を開き、襲い掛かる。
しかし———
「雷神の鉄槌」
黒雲から極太の白い光が一柱、ステージに降り注ぐ。
光はヴァイスを直撃し、リヴァイアサンは凄まじい衝撃に弾かれ、霧散する。
ステージにクレーターができ、中央にヴァイスが全身ボロボロで立っていた。
「見事なり」バタッ―――
ヴァイスが倒れたのを見て、審判が判定を出す。
それを確認した司会者が叫ぶ。
「この激闘と制した勝者は、ランク【C】ミキ・シラサギ選手~」
カン、カン、カーン
「「「「「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~!!!!!」」」」」
コロシアムが且つてない程の熱狂の渦に呑まれる。
私はすぐに瀕死状態のヴァイスに駆け寄る。
ここで死なれたら困るからだ。私はまだ彼に用がある。
「パーフェクトヒール」「浄化」
治癒魔法Lv.7の上級回復魔法。
見る見るうちに傷は塞がり、身体を試合前と変わらない位まで回復させる。
武具はミスリルとリヴァイアサンの素材が使われているユニークだけある。
完全破壊までは行っておらず、浄化の魔法で何とか修復できた。
身体から魔力がごっそり抜けた感覚が襲い、その場に座り込む。
1分ほどで目を覚ましたヴァイス。(頑丈だな~ww
「某はまだ生きておるのか!?」
「当り前でしょう。あなたほどの冒険者を殺してしまったら、多額な損害でしかない」
「それに私はあなたに用があります」
「ふむ。よかろう、某も武人の端くれ。」
「敗者らしく、その用とやらを聞くとしよう」
「ヴァイスさん、私のパーティーに入ってくれませんか?」
「何?」
「パーティーは、現在4人。私、守護騎士、弓術師、治癒術師」
「私は単独でも動ける遊撃役です。ちゃんとした攻撃専門の方が居ません。これまでは、誤魔化してこれました。しかし、さらに上の高ランクの魔物や、ランク【B】ダンジョンの深層、未だ制覇不可能とされているランク【A】ダンジョンでは無理でしょう。そこで、あなたのような方がほしいのです。あと、私は武術や魔術を教えるのがあまり得意ではありません。だから、お願いします。先生ww」
「ブッ、ブハハハハハァ」
「そんなに笑わなくてもいいじゃないですか!」
頬を膨らませて抗議する。ヾ(●ε●)ノ”ぶーぶー
「すまん×2、あまりにも色気もへったくれもないお誘いだったのでなww」
「しかも、先生とはな!」ww大草原ww
「ダメですか」(≧ヘ≦) ムゥ~
「早とちりするでない。某でよければ、よろしく頼む」
「正し、1つだけ条件がある」
「何ですか?」
「某に勝ったのだ。今回の大会、優勝してみせよ」
「・・・・フフッ。臨むところです!!」
私は拳を前に突き出した。
それを見たヴァイスも拳を突き出し、互いの拳を重ねる。
「あぁ~、某の名に誓おう。主殿!」
無事にヴァイスとの話も終わり、医務室に運ばれた彼を見送って、会場を後にした。
明日からは決勝トーナメント開始。
更なる強豪が待ち受けている。・・・はずw




