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Blood ROSE -櫻薬編-  作者: 鈴毬
la nuit 13.5 それはtisaneを淹れるまで
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終章

 風のざわめく音、木々が囁く。初冬の風が涙を誘い、白い息が天に昇る。


「Blood ROSE、櫻薬編。これにて終幕です」


 鬱蒼と生い茂る木々の間からは一つの影がロイ・ルヴィーダンの入眠を覗いていた。

 その男は唇を弧に描き、紅玉の目を細めると、身に付けている燕尾服の襟を正す。

 男の手には分厚い一冊の本がその大きな左手に支えられている。

Blood ROSE……赤い表紙の本を開くと、右手の羽ペンで器用に綴っていく。


――Blood ROSE 第5章 櫻薬編 THE END、と。


 そしてもう一枚、ページを捲り綴り始める。


――Blood ROSE 第6章 新芽再演 緑薔薇生誕編


 刑執行を終えたダレス・サヴァラン、カユ・アルバ・ブランカフォルト、ケイを見送った男は木々の間から姿を現し、ロイ・ルヴィーダンの埋まる場所に足を止めた。

 土の色がまだそこにロイ・ルヴィーダンの存在を主張している。

 そして男は膝を付き、持っていた本を地面に優しく置く。白い手袋の嵌めた手を合わせ、数回擦るとその手からは手袋よりも青白い薔薇が一輪、現れた。

 それを埋まっているロイ・ルヴィーダンの胸部があるだろう位置に置くと静かに立ち上がる。

 左手を背中に添え頭を垂れると、男は静かに目を閉じた。


「お帰りをいつまでもお待ちしております。我主、ロイ・ルヴィーダン様」


 再び木々を揺らす強い風が吹くと、その影は存在しなかったかのように姿を消していた。


 空には繊月が昇り始めている。

 弧を描き、冷たく上りゆく儚い月は、血濡れた薔薇に魅せられた吸血鬼たちが滑稽に踊る様を嗤っているようにも、また命に踊らされて狂いゆく人間たちを悲観しているようにも見えるのだった。





fin.

【後書き】


 初めまして、こんにちは、今晩は。

 ここまでお読みくださりありがとうございます。

 Blood ROSE -櫻薬編-いかがでしたでしょうか。

 このシリーズのベースが出来たのは今から7年前、櫻薬編のベースが出来たのは4年前です。


 キャンディ・ハロウィーン・ミッド……2005年頃から日本でもハロウィーンを祭るようになりまして、その世界観に魅せられて作りだしたキャラクターでした。

 甘く優しい性格の中に裏の家業を行うという設定はTrick or Treatという掛け声から来ています。

 そして秋に対局するのは春。桜がモチーフの富岡タエはキャンディが生まれる前よりずっといたキャラクターです。

 目的に一心不乱で可憐な女性ですが、人間らしい野心家を目指しているつもりです。


 書いている途中に友人から“ヒロインいないの?”と何度か尋ねられて、そして感想にもそう言った意見をいただきました。

 その節は、様々なご意見感謝しております。

 この作品のヒロインは“寅さん”のようにゲスト制になっていて様々な女性たちとBlood

 ROSEの関わりが見られるかと思います。

また、連載を始めた折には登場する女性を魅力的に書けるように精進してまいります。


この物語の主人公はと言いますと白髪の吸血鬼、ロイ・ルヴィーダンです。全編を通して“ロイ・ルヴィーダンの心”を意識して書いていくつもりです。

 さて、次回Blood ROSEシリーズは第6章である 新芽再演 緑薔薇生誕編 を2015年年明け以降に掲載していく予定です。

 この作品より主人公、ロイがますます心の成長を重ねていきます。

 賑やかなBlood ROSE団員との関わり合いをまた読んでいただけたらこの上ない喜びです。


 また、Blood ROSE -櫻薬編-はこえ部さんにてボイスドラマを公開予定です。

 総勢、11人で物語に声が乗ることになりました。

 この場をお借りして、土曜スタジオの皆さんに限りない感謝を申し上げます。


 そして、数年前よりキャラクターデザイン並びに挿絵を担当してくださった相川きおさんにも限りない感謝を。

 いつも細かいイラストに随筆に行き詰ったときは何度も救われました。


 そして、ここまでBlood ROSE -櫻薬編-を読んでいただいた読者様に、敬意と感謝を申し上げます。

 もし、お時間が許されるのでしたら評価、又は感想等いただけると嬉しいです。

 全力でお礼並びにお気持ちを受け取らせていただきます。

 しばらくは他ユーザーさんの作品を拝読したり、気ままに文を書く予定です。

 また見かけた際にはどうぞよろしくお願いします。


 それでは、ありがとうございました。



 鈴毬


追記 ボイスドラマの予告は活動報告にて公開中です。

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