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一人百首  作者: 奈月遥
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だいろくじゅういっしゅ ふゆのたの ひろがるゆきの かぎりなく ひかりあまねし あいづのけしき

第六十一首

冬の田の 広がる雪の 限りなく 光普し 会津の景色


 わたしの故郷である会津は、市内であっても、冬になれば雪が辺り一面を銀世界に変えてしまうような土地で。

 道路なら、除雪車が夜の明ける前、本当に暗い、息も白く凍ってちらつく中で積もった雪を片付けてくれるのだけど。

 稲刈りも疾うの昔に済み、藁の一本も残らず俵になった田んぼまではそうもいかず。そもそも、田んぼにどれだけ雪が積もろうと、誰も困らないわけで。

 ちらほらと、時折、畑や田んぼの中や畦道に、雪に埋まった車が見えるくらい。いつ見ても不思議だけど、春まで用無しということなんだろう。

 そんなだから。

 冬の間、広い田んぼは限りなく、それこそ視界の端から端まで、白銀の雪化粧を施されて。

 雪が降り、しんしんと降り、ごうごうと降り、さらさらと降り、音もなく降りと、繰り返されたずいぶん後にくる晴れ間を迎えると。

 まぶしい。

 太陽が久しぶりで、目が慣れてない、というわけじゃない。

 事実として、光が溢れている。

 雪の原が、太陽の光を吸い込み、跳ね返して。

 単純に言えば、二重の光。

 限りないその広さを思えば。

 まさに無限光。

 会津の冬は光が普いている。


ふゆのたの ひろがるゆきの かぎりなく ひかりあまねし あいづのけしき


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