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だいごじゅうししゅ いとしさを おらばやおらむ はるかぜと はるひでつむぐ きみのころもで
第五十四首
愛しさを 織らばや織らむ 春風と 春陽で紡ぐ 君の衣手
幸せ。
心がぽかぽかして、体も満ちてる。お腹も減らない。
あ、いえいえ、ご飯は食べるわ。あなたといっしょに。
この幸せをどうにかして、あなたに贈れないかしら。
例えば、服とかにできたら、ずっと着てもらえるよね。
でも、この幸せなぬくもりを服に織ろうと思ったら。
いったいどんな反物なら事足りるかしら。
このほんわかした暖かさは、そうね、春の陽が差し込んだ光をたっぷりと吸い込んだ風とかじゃないと。
どうせなら、桜の香りで染められた風がいいわ。
それを緯糸に、春の柔らかな日差しは経糸に絡めて。
愛情を紡ぎましょう。
そうして、あなたを包む衣となったら、なんて。
そろそろ現実をみて、まずはマフラーから編んでみようかしら。
いとしさを おらばやおらむ はるかぜと はるひでつむぐ きみのころもで




