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一人百首  作者: 奈月遥
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だいごじゅうごしゅ なもたかき きくともなくも みたまはな なこそしらねど ひかるるものと

第五十五首

名も高き 菊とも(聞くとも)無くも 見給はな 名こそ知らねど 光るる(惹かるる)ものと


 菊は平安時代から人に好まれたお花でして。

 今でも、いくつもの品種が開発されているのを知っていますか。

 九月九日の重陽の節句など、菊の花が主役である催しもあるくらい。

 品評会も行われていて、実は活発なのですよ。

 ほら、この菊なんか……名前を聞いたことのない品種ですって。

 ええ、そうかもしれませんが、どうぞ。ご覧になってくださいな。

 そうでしょう。

 名前はまだ知られていませんが、素晴らしい花の姿に、つい惹かれて、目を離せなくなるでしょう。

 この菊が輝くほどに美しいのは、よく見れば誰もが思うことです。

 それを無名だからといって素通りなんて、もったいない。

 無名の中にも、一流のものはあるのです。

 あなた自身やその周りにも、そんな無名の一流がたくさんいるのではありませんか。


なもたかき きくともなくも みたまはな なこそしらねど ひかるるものと


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