27/103
だいにじゅうろくしゅ とびのこゑ うまのまねとぞ いはれるも のどかなるめり てんたかきあき
第二十六首
鳶の声 馬の真似とぞ 謂はれるも 長閑なるめり 天高き秋
天高く、馬肥ゆる秋。
秋の澄んだ青空、実りの季節に馬が健康に育ったことを、素晴らしく思う気持ち、だと、みんな思っていますか?
いえいえ、間違ってはないですよ。日本ではね。
でもでも、その本当の想いを知らずに使うのは、わたしはイヤ。なにも知らずに、言葉に込められた願いを、想いを、思いやりを、感情を無視するなんて。イヤ。
中国は長く、北方に暮らしていた騎馬民族に国土を荒らされていた。今年も、空が澄み渡り、実り豊かな秋がきた。『あの』北の馬も十分に育っているのだろう。なんて恐ろしいことだ。逞しい馬の蹄に大切な田畑や村が蹂躙されてしまう。
争いなんてもういやだ。戦争の轟かせる嘶きなんて、もう聞きたくない。
うん、なにがどうして、今の意味になったのか。
トンビは馬のかっこいい嘶きを真似しようとして、あの間抜けな鳴き声になったそうな。
ぴぃぃひょろろぅ。
でもね。
わたしは軍馬が勇ましく嘶く世の中より、トンビの和やかな声で穏やかな気持ちになれる平和な世の中の方が素敵だと思うの。
とびのこゑ うまのまねとぞ いはれるも のどかなるめり てんたかきあき
鳶の鳴く秋の空は、本当にいい天気。




