065
『ふむ、我が主から承った迷風結界を見抜く、か。相応の力の持ち主のようじゃの』
茂みから、気配もなく白い狼がノソリと出てきた。
「…なっ!!」
「……驚いた」
いやいや、氷花さんや。
無表情で言われても説得力ないから。
『我が名は【ミルノティカ】。風の神たる【白帝狼】様の一にして無二の眷属の長だ』
……長?
アズレイアは序列第一位、と言った。
つまり、【蒼皇龍】の眷属の序列は一体ごとに決まっている、と考えられる。
しかし、こいつは長と言った。
ならば、【白帝狼】の眷属の序列は種族ごと、ということか?
『この地まで来るというのだ。それなりには強いのだろう?』
また、戦い、か?
『その強さを見込んで頼みがある』
あれ?
バトルイベント回避?
『【白帝狼】様の巫女、【ヴォール】と【白帝狼】様から離反した【氷狼】族のものを連れてきてもらいたい』
お使い、か。
「その巫女がどこにいるのかわかりますか?」
『わからぬ。故に、これを貴様に託そう』
そうして、風也に光が託された。
『もし無事に巫女【ヴォール】を連れ戻せたら貴様にそれはくれてやる。【氷狼】族は北の大地に住むとしか我も知らぬ。そちらは申し訳ないが貴様らで頼む』
ヒント無しですかい!?
「なぁ、嵐火」
そんな中、ライアが話し掛けてきた。
「ん、どしたの?」
「お前が〈調教〉した奴、ちょい出してみ?」
「は?…まぁいいけど。フェン!!」
フェンを呼び出す。
『ほう!!【氷狼】族の上位種の【神狼】種か!!どこでこやつを?』
「どこで…って、クエストで。女の人が無くした牙の首飾りを探すのを手伝って、て」
『ほう…。恐らくそやつが【ヴォール】じゃ。そやつをここまで連れてきてくれ』
なんか一気に難易度易しくなったなぁ…。




