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「こんな活気のあった町でしたか、ここは?」
風也の疑問。
「確かに、んなに人は多くなかったな」
「……不可解」
それにライアと氷花が同意する。
「どういうこと?」
「俺たちがいたときゃ人が多くなかった。何かあんのか、空地?」
「あ、はい。今だと……。夜の布施、ですか。」
「……布施?」
「そっすねぇ、毎回お使い系統のクエスト、だったかな…」
独り言のように呟いて、説明が始まる。
「街のNPCに教会から配られる食材アイテムを配るんす。そんで、参加プレイヤーの数がおおけりゃお布施も多くなるんで、毎回毎回規模と周期が変わるっつー不自然なクエストっす」
「不自然な?」
「クエスト名が【悪意の布施】なんすけど…」
「なっ…」
その言葉に私たちは絶句した。
その理由は
「【悪意の】シリーズだと!?」
「運営の悪意ですか……」
風也が言ったとおり、運営の悪意としか言い様のない内容なのだ。
「風也、配布型だと変化系かな?」
「若しくは暴徒系、はたまた召喚系、可能性は低いですが最悪は改変系ですね」
「くそっ、ざけんなよ」
「……『氷華繚乱』」
周りのプレイヤーが凍り付いた。
「氷花さん!?何してるんすか!?」
問い詰めようとする空地を押さえる。
「聞いて、空地。クエスト名に【悪意】とついたシリーズは、必ず、後味が悪い。それに難易度も」
暴れていた空地が落ち着く。
「受けたことあるんすか?」
「ある」
思い出すと、体が震えた。
「【配達】型を4つ、【戦線】型を2つ、【配布】型を3つ、【しがらみ】型を2つ」
そして
「【虐殺】型を一つ」
「その中の全部で、俺らは最低二人のNPCの死を見た」
「……非道」
「なんですか?」
「【虐殺】型での対象は、NPCだった」
押さえていた空地の体が震えた。
「それ、Mobっすよね?」
「……村人」
『おやおやぁ、そこの旅人様、貴方もお布施に参加くださるのかなぁ?』
多分、だけど、他のプレイヤーはイエスを選択したのだろう。
今回の場合、恐らくノーで初めてクエストが始まる。
「お断りよ」
『そうですかぁ、そうですか。なら、死ね』
ほら。
「戦闘準備!!」
空地の上から降りる。




