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「あり?」
気が付いたら、1人で歩いてた。
いやまあ、ずんずんと先陣切って歩いてたからはぐれる事もあるだろうから、取り敢えず呼び掛けてみる。
そんな遠くにいるはずもないし。
「風也ー?ライアー?氷花ー?空地ー?」
……おかしい。
声が届かないほど遠くに行くなら誰かが止めるはず。
「ッハ、誰も来ねぇよ」
声が聞こえた。
振り返る。
「よぉ、暗殺者。一人の気分はどうだ?」
ニタニタと、気色悪い笑いをもらしながら、男が1人、歩いてくる。
「誰?」
「一応、黒夜叉って名前だよ。所属ギルドは…」
名乗りの際にギルド名を付け加えるのは普通のことなのに。
なのに、胸騒ぎが治まらなかった。
「【虐殺の鬼】だよ」
「……PKギルド、ね。何のようかしら?」
「別にぃ?ただ、旨く頂かせてもらおうかと、な」
「一応、私も攻略組なんだけど?」
「一応、ねぇ。真っ先にボス攻略する奴が言っていい言葉じゃねぇな」
「……そうね。で、私の仲間は?」
戦慄する。
「まさか、貴男方の誰かが向かっている、なんて事はないわよね?」
「ッハ、いい勘してんじゃねぇか。お察しの通り、いけすかない〔細剣〕使いにゃ葉隠猫が、魔法使いにゃAtoZが、銃使いには鋼鷹が、新入りには闇討がそれぞれ向かってるさ」
「……そう」
「だから、さっさと死んだら早く会えるぜ?」
「良かった、じゃあ、すぐには来ないんだ」
「アァ?……まぁ、そりゃ、来ねぇよ。ここにもいるが、全員に百人規模の数が行ってっからなぁ」
「なら、本気で行こうかな」
「強がりかよ」
「……行くよ」
大地を蹴る。
同時に二本の短剣を両手でそれぜれ持つ。
「A班、防御!!」
凡そ30人位が盾を持って前に立つ。
「邪魔」
その盾の隙間を縫うように駆け抜ける。
その際に、左手で首もとを掻き斬って行く。
左手に握るのは『痺短:縛Z4』でスキルが〈麻痺確率+80%(FULL)〉〈常時水攻撃〉〈状態異常付与確率+50%(FULL)〉〈縛り:この短剣でのスキル使用禁止〉。
結果、即死ではなく行動不能を目指した戦い方になり、それは功を奏していた。
「B班、詠唱、C班、攻撃!!」
「やばっ!?『召喚』」
『アォォォォォォーーーン!!』
フェンを召喚する。
「邪魔するな!!『不使奏』!!」
詠唱の邪魔をする。
「『発:氷縛』『滅』」
自分よりLvの低い敵を即死させる。
「フェン、後ろの奴!!」
フェンに指示を出し、黒夜叉と向き合う。
「化け物かよ、クソッ!!」
大鎚を振り下ろされる。
短剣を交差させ、一瞬の時間を稼ぐ。
すぐに短剣を放し、後ろに下がり構える。




