Break 01「Cafeゆりままへようこそ」
「いらっしゃいませ~、本日も”マジカルCafeゆりまま”へようこそ~」
こんにちは、この”マジカルCafeゆりまま”店主のまりもんです
いつも”マジカルCafeゆりまま”青空店へご来店いただきありがとうございます
この小説版 ”Magical Time ~ Cafeゆりまま ~” では、これまで取り上げなかったエピソードや取り上げていても軽く扱っただけというエピソードを中心に当店の誇るマジカルウェイトレスたちの活躍?!を描いていこうと思っています。
この "Cafeゆりまま"というものをご存じない方には何のことかさっぱりわからないと思いますが、そういう方にも楽しんでいただけるように設計されておりますのでご安心ください。
ですが、基本的には "Cafeゆりまま"青空店の営業報告の継続および再開が非常に困難となったことによる、いつもお越しくださっていたお客様向けの要素(ファンサービスのようなもの?!)が強いので、その点はご容赦ください。
それでは、知る人ぞ知る "Cafeゆりまま" の開店の頃にスポットを当てていきたいと思います。
当店自慢の特製マジカルカフェなどをお楽しみいただきながらどうぞごゆっくりお楽しみください。
あれはいまから数年前のことです
それは "Cafeゆりまま"青空店がオープンするよりもけっこう昔のこと
その人々の往来が活発な大都市ブルーバードタウンの郊外に、とある一人の女性が住み着いていました。そんなある時、彼女は思い付きだけで "Cafeゆりまま" ブルーバードタウン店(以降、本店と呼称)をオープンしました。しかし、当の本人は本業がイラスト作成と小説執筆のため、そんなにいつも手が空いているわけではありません。されに意外と固定客がついてとてもとても一人でお店を回すことは不可能となってしまいます。そこで彼女は考えました。それなら自分の魔法で魔法を使える "マジカルウェイトレス" を召喚してしまえばいいのではないか?とね
しかし、毎回毎回、そんなことをしていては魔力を使い切ってしまいます。そこで、それまで召喚して来てもらったマジカルウェイトレスの中から条件面でよさそうな女の子たちを、臨時ではなく正式にスタッフとして雇用することにしました。
その中で見込みのありそうな子たちはたったの4人...、しかも何を考えているのか、将来のためかそのうち若葉、千花、栞の3人をいつの間にか作っていた各支店へと派遣してしまいます。いま営業が困難ということがわかっているのでしょうか?
とにかく、手元に残ってくれたのは莉緒という女の子だけでした。
そうして、ようやくお店も順調にいくかと思いきや、ブルーバードタウンの空に、突如として禍々しい暗雲が立ち込めます。
それは街の形を、人々の繋がりを根底から変えてしまうほどの、容赦のない時代の嵐でした。
" Cafeゆりまま "もその影響をまともに受けてしまい、慣れ親しんだブルーバードタウンの街をあとにせざるを得なくなります。
まるで、夜逃げ同然のドタバタ劇。
けれどあたしたちは、悲しむ暇もなく、温かい光が差し込む新しい新天地へと移転することに決めました。
そうして、青い鳥の街から、遮るもののない広大な空の下へと舞台を移し、新しくオープンしたのが現 " Cafeゆりまま "青空店(現本店)なのです。
そして数か月後。
新天地として産声を上げたばかりの『Cafeゆりまま青空店』のキッチンでは、けたたましく回るミキサーの音と、香ばしい珈琲の香りが入り混じっていた。
カウンターに突っ伏した莉緒の背中を見つめながら、まりもんはぽつりと言った。
「莉緒~~~、やっぱり莉緒と2人だけじゃ、青空店になってもほぼ毎日、マジカルウェイトレスを召喚しないとお店を回せないよね」
その言葉に、莉緒は弾かれたように顔を上げた。その目は心なしか、寝不足のせいで少し虚ろだ。
「まりもん(店長)! そりゃ、そうよ! わたしですら『Saki』の世界へと数週間派遣していたじゃない!無理!無理!無理!絶対に無理!!!この年末年始だって、あたしとまりもんのほぼ二人でお店を回していたじゃないですか!正直、あたしはクリスマスからお正月明けまでの記憶がないですよ!」
左手薬指のゴールドリングをいじりながら必死に詰め寄る莉緒に対し、まりもんはいつものようにふんわりとした、掴みどころのない笑みを浮かべる。
「なるなる~~~?!そうなの?!」
「ええ、ホントにこれじゃあ、いくらあっても身体がもたないわよ!」
大真面目に怒る莉緒の目が、これ以上の酷使は限界だと無言で訴えている。それを見届け、まりもんは少しだけ声を落として、確信を込めて頷いた。
「うん、わかっている」
「ホントですか~~~?!」
どうせまたいつもの思い付きだろう、と疑いの目を向ける莉緒。しかし、まりもんの口から飛び出したのは、予想外の朗報だった。
「とりあえず、一人正式に雇ったから」
「えっホントに?!」
莉緒のペールブロンドの髪が跳ねる。
「うん、さすがにあたしももう若くないから正直言ってキツイわ。でも3人になればだいぶ楽になると思うわよ」
「仕事量が減りますもんね」
莉緒の表情に、目に見えて希望の光が戻っていく。まりもんはさらに、とっておきのニンジンをぶら下げるように悪戯っぽく笑った。
「そうすればお店に泊まらず、ほぼ毎日、家に帰れるかも」
「!!! マジ?! マジですか?! まりもん!!!」
莉緒は身を乗り出し、バンッとカウンターを叩いた。彼氏の家にも帰れず、お店のソファで仮眠を取るだけの日々に、ついに終わりが見えたのだ。
「この週に3日くらいは家に帰って寝られれば言うことなしという、あの【漆黒の勤務状態】から抜けられるのね!」
「そうそう、もう少しの辛抱だよ」
「それで、どんな子が来るんですか?」
ワクワクと目を輝かせる莉緒に対し、まりもんはふふっと喉を鳴らした。
「ふっふっふっ、それを聞いて驚くな!たぶん、莉緒はその子に会ったら驚くと思うわよ~?」
「?ということはあたしが知っている人なの?」
「う~ん、ちょっと違うな。直接知っている人じゃなくて、半分知っているような人だよ~~~」
「どういうこと?」
首を傾げる莉緒をよそに、まりもんは壁の時計に目をやった。針はちょうど、約束の時間を指している。
「う~~~ん、それは会ってみてのお楽しみ。実は今日から来てくれることになっているんだ」
「えっ?! まりもんにしてはめずらしく仕事はや!」
心底驚いたような莉緒のツッコミに、まりもんは苦笑いを返す。
「こらこら、莉緒はいっつも一言多いよ」
「てへっ、面目ない!」
莉緒が茶目っ気たっぷりに頭を掻いた、まさにその時だった。
カランカランカラン――。
静かな店内に、懐かしい真鍮のドアベルの音が涼やかに響き渡る。
「まったく~~~、って、どうやら来たみたいよ」
まりもんが視線を向けた先、ゆっくりと開いた扉の隙間から、新緑の風と共に一人の少女が姿を現した。
「失礼します」
その透き通った声と、見覚えのあるシルバーヘアを目にした瞬間、莉緒の息が止まる。
「えっ?! あなたは――?!」
驚愕に目を見開く莉緒の横で、創造主たるまりもんは、これからの賑やかな大騒ぎを予感して静かに唇を釣り上げた。
「ふふふ、今日から楽しくなりそうね」
(Break 01「Cafeゆりままへようこそ」おわり / Break 02へ続く)
マジカルウェイトレスのひとり、まりもんが歌う、Cafeゆりままのキャラクターソングです
『マスター・オブ・マジカル(元祖の魔法)』
架空アニメ 「カフェゆりまま」 まりもん・キャラクターソング
歌:まりもん
https://suno.com/s/3uUJlk1KnqCWAo5r
【Cafeゆりまま公式】マジカルウェイトレス名鑑:まりもん(Marimon)
https://note.com/marimocyan_org/n/n4d5f50473bed?sub_rt=share_pw




